えびちゃんの山行記録

乗鞍サンダーバード作戦!
乗鞍岳
霧の中から姿を現した乗鞍岳

日 付
 平成14年4月30日(火)〜5月1日(水)
ルート
 三本滝〜自動車用林道〜剣ヶ峰(乗鞍岳)〜スキー場林間コースへ滑降〜三本滝
天 候
 雨 時々 くもり → 少しずつ霧が抜けて → 晴れ\(^^)/
同行者
 ジョニー (八尾テレ研 FH1號)

概 要
 年に1度、そのシーズンの総決算として実施される八尾テレマーク研究会のスキ−登山も第3回目を迎えることになりましたが、今回の目標は第1回目の御嶽テレマーク登山の時に白く輝いて印象的だった「乗鞍岳」に決定しました。
 しかし天気予報は初日が雨、2日目が曇りのち晴れ・・・・御嶽山の時もそうだったのですが、近畿圏外の山は事前にコースを偵察することが(金銭上)できないため、悪天候下において、こういった山に無理矢理登ることは、とても危険な行為と言わざるをえません。しかし、年に1度のテレ研合宿。霧雨でガスが発生したからといって、そう簡単にあきらめるわけにはいきません!今回は(勘違いもあって^^;)普通の人なら絶対に登らないようなコースをつかって山頂にアタックしたため、通常であれば4時間くらいで山頂に到着できるところを、6時間近くもかかってしまいました(x_x)。
 テレマーク・スキーであったからこそ、達成できた山行でした。

第1日目 乗鞍高原温泉(春ゲレンデ)
 予報通りの雨。時折激しく雨が降り、これでなぜ雪が溶けないのか不思議なほどです。時間的にも山頂アタックは諦め、スキー場の春ゲレンデにて約1ヶ月ぶりのテレマークスキーの練習です。しかし、WAXがあわないのか板が全然滑りません。「乗鞍くんだりまで来て、何やってんだろう?」と早くも後悔モードに突入・・・ジャンプ台に挑むもスピードが出ずに、失速して腰を強打!こんなんで明日は本当に大丈夫なのでしょうか?

春ゲレンデ
写真では分かりませんが大雨が降ってます(;;)

第2日目 09:00 見切り発車!
 夜も激しく雨が降り、いつか止んでくれるだろうと信じて床につきますが、結局朝まで雨は降り続きスキー場から上は霧の中でした。ここまで乗鞍岳の姿は1度も拝んでいません。
 いつまで経っても雨が止む気配はありませんが、「雨のなか春ゲレンデで滑るくらいなら帰った方がまし!」ということで、仕方なく昼から晴れるというアテにならない予報を信じて、絶対に迷うことのない林道をたどり霧雨の乗鞍山頂へ向かうことにしたのでした。

林道から出発!

11:30 位ヶ原山荘にて
 全く苦痛です、単調でダラダラした林道歩き。高度2000m付近まで1時間近くかかりました。高度計を見ると3m/分・・・・「えぇ〜残り1000mとしても1000÷3=333分!あと5時間半も掛かるじゃないか〜」と訳の分からん事で頭を悩ませながら、さらに進むと、ようやく位ヶ原山荘に到着。ここで、少しだけ霧がはれてきて広大な雪原がチラリとみえました。やった〜(^^)/

位ヶ原小屋

12:00 大雪原を眺めながら昼食
 しばらく行くと、ショベルカーが林道の雪かきをしている付近に到着。ここからやっとスキーを付けて大雪原に入っていけます!が、もう12時か・・・まずは腹ごしらえですね(^^;

霧がはれる!
 段々霧が晴れてきて乗鞍岳の全容が見えてきますが・・・はて、山頂(剣ヶ峰)はどれでしょう?ここで、夏に乗鞍の雪渓でスキーをした経験があるジョニーが迷わず「あれです!」と指さす頂(いただき)へ向かうことにしたのですが・・・
あぁ、勘違い・・・
 誰もいないだろうと思っていた乗鞍の斜面に、アルペンスキーで滑っているグループがおられました。板を担いで登り返しなどをしている元気な姿に、「閉鎖されているはずの林道を降りてきたバスは彼らを位ヶ原まで運んだバスだったのだろう」と一人納得していると、突然「はぁうら〜」と叫ぶジョニーの声が後ろから聞こえてきました。
 「すみません・・・山頂はあっちです・・・・」 おかしいとは思っていたんですが、実は今回地図を持ってくるのを忘れてしまい・・・・確認できなかったのです(猛反省)。しかし、ここで何を言っても始まりません。軌道修正して本当のピークへ向かいます。

13:45 君はサンダーバードを見たか?
 とぼとぼと山頂へ向かってスキーを進めていると、三本指の足跡に気がつきました。もしかして!と辺りを見回すと・・・・

雷鳥との出会い
 「雷鳥だ〜!とってもかわいい(^^)/」 人を見ても逃げないのは、天敵がいないため?そうです、この厳しい環境では唯一の天敵は大自然なのです。まだらの雷鳥は頭のてっぺんが赤く、よく見ると真っ白な雷鳥もいました。親子でしょうか、それとも夫婦なのでしょうか?せめて、人間がこの雷鳥たちの天敵とならないことを祈ります。

14:50 山頂(剣ヶ峰)到着
 元気を与えてくれた雷鳥に別れを告げ、再び息を切らしながら足を進めると、空気が急速に薄くなっていくのが分かります。何でわざわざこんな苦しいことをするんだろうと思いつつ、「まあ富士山よりは楽だわな〜」と自分を励ましながら、足を前に滑らせることにのみ集中して、ようやく山頂直下に到着。
 山頂部には既に雪が無く、手前から早めに板を外すと、膝まで雪にズボッ!何とか這い出すと、またズボッ!歩けませ〜ん(x_x)
 「あぁテレマークスキー・・・史上最強の雪上歩行具!もう、絶対手放しませんよ」そんなことにも感激しながら最高峰に立つと、山の向こうには御嶽山が雲から頭を出して我々を迎えてくれました(^^)/

山頂にて
 普通の登山でこんな時間に到着したら、下山の時間を心配しなければなりませんが、下山に時間が掛からないのがスキー登山の良いところ!今回は天候がよくなる一方ですので、思う存分素晴らしい眺めを堪能しました。
槍ヶ岳方向の眺め
山頂からの眺め(クリックして拡大)

15:20〜 乗鞍大滑降!
 今回のスキーは二人ともカルフの10thマウンテンに革靴。2人ともかなり疲労していましたが雪質はシャーベット状でしたので、とても楽しくすべれました。この1年でのスキルアップが実感できました。あとは精神面をもっと鍛え上げれば、革靴でもほとんどの斜面を滑っていけるでしょう(推測)。カルフの板もアイスバーンでなければ、超高性能です。

FH-1「ジョニー」
 しかし、大雪渓からスキー場までの林間コースは、霧が出ていても間違えようが無いほどはっきりしています。林道なんか使わずこのルートを登っていれば、板を担ぐ必要もなく、快適に短時間で登れたでしょう。やっぱり事前のルート研究は大切ですね。
FH-2「エヴィン」

16:50 駐車場(三本滝)到着
 写真を撮ったりしながら、のんびり滑ったので下山するまで1時間半ほど掛かりましたが、滑るだけならあっという間でしょう。登る時間(苦労)を考えると、本当に贅沢なスキーです。
 ただし、初めて滑る林間コースは黒くデコボコの雪になっていて、慎重に滑らないと板をとられてしまうので、結構疲れました。また、ところどころにできている雪のオブジェが障害となりますが、緊急回避のライダー(エヴィ・テレ)キックで吹っ飛ばしたりして、何とか無事に降りてくることができました。
 「乗鞍さん、今日の一日を本当にありがとうm(_ _)m」

無事下山!

終わりに
 コンディションのいい日にばかり山に登れるとは限りません。今回のテレ研スキー登山は3回目にして、ついに敗退となるかと思われましたが、終わってみれば天気も回復しとても充実した山行となりました。
 あらゆる困難を克服して山頂に立ったときの充実感は何物にも代え難いものがありますが、そのためには十分な安全マージンをとっておかなければなりません。近年、山スキー/山ボードの遭難事故等が絶えないと聞きます。自分の力量を確実に見極めて、初めて山に入った時の気持ちを忘れないようにしながら、これからも楽しい山行を続けていきたいものです。

今回のコース
今回たどったコース(推測)

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