えびちゃんの山行記録

テレマークで御嶽山
御嶽山

日 付
 平成12年5月1日(月)〜2日(火)
ルート
 1日目: 午前中濃霧のため、ゲレンデでスキー
 2日目: ロープウェイスキー場〜山頂 往復
天 候
 晴れのち曇り(雨)
同行者
 ジョニー(フリーヒーラー1号:八尾テレ研)

概 要
 おつむの弱いえびちゃんにも最近分かってきたことが1つあります。それは「冬(春)の雪山を単独で登山するのはヤバイということである。しかし初めての雪山にアタックするにあたり、都合のいいことにえびちゃんには2つの強力なアイテムが与えられました。1つはテレマークスキーであり、もう1つは八尾テレマーク研究会である。
 テレマークスキーは履いたまま軽快に雪道を登山することができ、天候の悪化が予想されれば、その状態から速やかに滑って下山することができる強力なアイテムであるし、テレ研は無謀な?登山の仲間を集めてくれる(テレはジョニーだけ)ありがたいアイテムである。
 GWの八尾テレ研の行事(研究会)として、スキー登山は3案計画されましたが、第1案の氷ノ山は雪があるのか分からなかったので却下、第2案の乗鞍岳の雪渓は人が多そうなのでやめて、第3案の御嶽山スキー登山を実施することになりました。また、山頂にアタックするということで、出発ゲレンデはもっとも滑りが楽しめるという御岳ロープウェイスキー場になりました。

第1日目
 朝4時に八尾を出発し、御岳ロープウェイスキー場に到着したのが8時半頃。天気予報は曇り時々雨ということで、ゲレンデは濃霧に覆われ山頂も拝むことができません。明日は天気が回復するということなので、本日のアタックは中止して、ゲレンデでテレマークを楽しむことにします。GWといっても今日は平日なので、スキー場はガラガラ(^o^)思う存分滑れました。
 昼前から霧が晴れると、青空の下、御嶽山はほぼ全面雪に覆われているのが見え、これならば板をはずすことなく山頂まで登って行けそうです。やっぱり今年は雪が多かったみたいで、ゲレンデも全面滑走可の状態です。昼以降は真っ白な乗鞍岳も望め、素晴らしい景色の中滑れましたが、あまりにも早い天気の回復に「明日までもつのかな〜」という心配が・・・

スキー場にて

その夜
 スキー場から一番近いと思われる旅館「鹿ノ瀬温泉」で一泊、飛び込みでしたが最近は不景気のせいか、お客は少な目だそうです。温泉で体の疲れを癒し明日に備えます。(明日山頂にアタックするというのにクタクタになるまで滑ってしまったんです)
 明日の天気予報は晴れのち雨(1200頃から)「まずいな〜」、何とかもってくれればいいが・・・「週間予報あたっとらんやんかー」

09:00 出 発!
 08:45からロープウェイが動き出すので、それに合わせて旅館を出発。片道券で2150mまで一気に登り、登山届けを出して山頂を目指します。単独の山スキーヤー(年に2回ほど登られているらしい)がいらっしゃったのでついていくことに、実は2人ともよく道を知らなかったのでした・・・「あぶね〜」

山スキーヤー

10:30頃 男は黙って直登だ!
男は直登! 森林限界において休憩後、山スキーヤーはトラバースしつつ登り始めましたが、ジョニーが「男は黙って直登ッスよ!」とシールを効かせて登ることを提案しました。
 「望むところだ!山スキーヤーに、テレマークの登りやすさを見せつけちゃれ!」ということで、一気に尾根めがけて登ることになりました。そう言ったものの3000m級の山はちょっと登れば息が切れるし、不用意に足を出すとシールが効かず下に滑り墜ちそうな急斜面です。
 えびちゃんは何度かずり落ちては、しばらく動けない状態になってしまいました。「ルート変えよ〜で」。 しかしジョニーは道無き急斜面をグイグイ登って行きます。そして山小屋の上のピークにつくと「うごあぁ〜」という悲惨な声を出して、たちすくんでしまったのでした・・・。(つづく)

12:00すぎ 手前のピークにて
 ジョニーは手前に見えているピークが頂上だと思っていたみたいでした。えびちゃんはスントのヴェクターで高度を見ながら登っていたので、(まだ2900mぐらいだった)そうは思ってませんでしたが、思っていたより登りつめたピークは山頂へのルートからはずれていて、本当の山頂は遙か彼方にあるように見えました「ふぅんが〜!!」。もう12時を過ぎてるし、先ほどの山スキーヤーの話では山頂まで3時間半ぐらいということだったので、確実に時間オーバーです。

にせピークにて
 とりあえず休憩して元気を回復し、板を担いで尾根沿いに岩道を雪のあるところまで歩いて本来のルートへ。心配した天気も御嶽山周辺だけは何とか大丈夫そうです。所々霧が発生し始めているけど・・・「天気をみて行けるとこまで行こう!」と言うことで最後の力を振り絞って(半分あきらめながら)山頂を目指すことになったのでした。

12:47 感動の山頂到着
 尾根道は急斜面を直登したのに比べればものすごい楽で、ガンガン頂上が近づいてきます。あれほど絶望的に見えたのにもう山頂はすぐそこ!高度計も3000mを越えました!「これがスキーで登山をするということなのか!もうゲレンデだけでは満足できない人になってしまった。」 涙を流しつつ2人は山頂に立ったのでした。(道を誤ったにしては3時間47分でよく着いたものだ)

山頂にて

13:10頃 下山開始
 天気がいつ悪化してもおかしくない状況で、山頂ではゆっくりしていられません。どうやら単独の山スキーヤーは天気を心配して途中で下山したらしく、とうとう山頂には現れませんでした。(もしかしたら先に上がって降りてしまったのかも?)シールをはがしてお待ちかねの滑降に移りますが、山頂付近は雪がクラストしているためと、もし曲がりきれなかったら谷底だ!という精神状態のためかボテボテこけました。

ジョニー
 9合目辺りからは雪も柔らかくなり、気持ちよく滑れました。この1本の滑りのためにどれだけの苦労があったのかを考えると、ゲレンデでは味わえない何かが体中を走り、自然と声が出ます「ひゃぁっほ〜」。(アホだ!)
エヴィン
 8合目付近では天気が悪くなってきているのに2組の山スキーヤーと登山グループが登ってきました(大丈夫やろか?)、単純な2人は「ギャラリーがいるぜ!」と、この人たちに華麗にテレマークをアピールしつつ森林限界まで一気に滑り降りて行ったのでした。(まさに自己満足!!)

15:00すぎ ゲレンデ到着
 「おっかしいな?こんな所登ってきてないぜ」登ったときの感覚では、スキー場まではある程度滑って降りられるような雪面だったのに、なぜか木がいっぱい生えてて、思うように滑れません。「こりゃ道間違えたよ〜」スキーの跡がいっぱいあるので夏の登山道の方に導かれてしまったようです。体力も底をつきスピードを抑えられない2人は木にぶち当たったり、転んだりしてまさにボロボロになりながらゲレンデに到着したのでした。「森に入ってからえらい時間がかかったね〜。最後に気を抜いたのが敗因でしょうか。ガスってたら遭難したかも?反省せねば・・・」
 雪山をなめちゃいけません。今回無事山頂まで行けたのは奇跡に近いものだと思います。本当に山の神様に感謝しなければならないでしょう。2人が降りる頃には山頂はガスに覆われ、こういう天気予報だけは当たるんだな〜と感心させられたのでした。(おわり)

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