宇宙の謎  


 

宇宙が膨張しているって何でわかったの?


 1914年、第一次世界大戦が勃発した年ですね。この年にアメリカ天文学会でヴレスト・メルヴィン・スライファーという人がある発表をしました。

 「アンドロメダ銀河が秒速112キロメートルという凄まじいスピードで地球から遠ざかっています!」

 さらには、当時の望遠鏡で確認できる限り、10個ほどの別の銀河も地球から遠ざかっているという発表をしました。

 これを聞いたエドウィン・パウエル・ハッブルという人は、こう考えます。

 『そういえば、ド・ジッターという人が宇宙は膨張しているっていう説を唱えていたなぁ。このスライファーの発見と宇宙の膨張は何か関係があるんじゃない?』

 ド・ジッターという人はアインシュタインの一般相対性理論から宇宙膨張の説を唱えていた人なんですが、その説の元となったアインシュタイン自身は「宇宙が膨張しているわけないじゃない・・・」と否定していたんです。

 アインシュタインが膨張してないっていうんだから、膨張してないんだろうなぁって多くの学者が考えたことでしょうが、ハッブルはスライファーの発表によって何かひらめくものがあったのでしょうね。

 ハッブルと同僚のハマソンは、スライファーが使った望遠鏡よりも大きな口径の100インチ望遠鏡を使いある発見をします。

 「遠い銀河ほど速いスピードで遠ざかっていっている!」

 この発表は、つまり宇宙が膨張しているという直接の証拠となるのです。1930年には、アインシュタインも宇宙の膨張を認めることになりました。

 そして、この宇宙が膨張しているという証拠は、やがてビックバン理論へとつながっていきます。

ドップラー効果とは

 

[光のドップラー効果]
星が遠さかっていくと光は赤く見える
星が止まっていると光は透明に見える
星が近づいてくると光は青く見える

この性質を利用し、ハッブルは銀河が遠ざかっていることを確認した。


 

星の遠ざかっていく速度と距離は比例している。つまり、遠くの星ほど速い速度で遠ざかっていく。

ハッブルの法則をもっと詳しく

このことは、宇宙が膨張していることを示すことになりました。



ビックバンってどうやって証明されたの?