介護保険サービスが利用できない軽度者の場合も適切な支援を早いうちから受けることができれば、規則正しく心身ともに健康的な生活へつながります。それは結果的に介護保険制度が目指す「介護予防」・「自立支援」の実現にも役立つのではないでしょうか。さらに現在は何もサービスを必要としない人も活動に参加することによって、そこで得られた様々な知識や経験をそれぞれの生活に役立てることができるのではないでしょうか。しかし私自身も含め、介護や認知症、病気に関する知識を持たず、自分や家族が高齢になって初めて実態を知る人がほとんどなのではないかと思います。高齢になって介護を受ける、親の介護をするというのは決して他人事ではなく、誰もが要介護状態になる可能性があります。また、介護が必要になった時点ですぐに適切なサービスを受けられるという保証はなく一人ひとりが自分や家族の老後について考えておくことが必要です。
このように、臨機応変に柔軟なサービスをおこなうことができるNPOですが、もちろん高い専門性や継続性のある介護保険サービスも大いに活用していくことが大切だと思います。NPOにも両者の良さを十分に活かし、高齢になっても誰もが安心して過ごすことのできる生活を実現する役割があると感じています。
昨年の東日本大震災の際には、全国各地のNPOやのボランティアが現地に赴き、日々の活動を活かした様々な支援を行っていました。さらに、近所の人が独居の高齢被災者のために身の回りの手伝いをするなど、地域の人間関係によるサポートも重要だとされました。そこではただ食事や着替えの介助をするような関わりだけではなく一人ひとりに寄り添い、人と人との関係を大切にした温かな交流がたくさん生まれたのではないかと思いました。
最後に、私はNPOのサービスは何らかの支援を必要とする高齢者にとって、介護保険制度と並ぶ重要な選択肢のひとつであると考えています。今後も地域のニーズを把握してそれに応じた活動を行なうこと、介護保険やNPOに限らず様々なサービスの良さを踏まえ有効に活動を展開していくことが求められています。そして、地域住民が自分の生活や地域の課題、住民同士の助け合いの大切さ等について、改めて見つめ直すきっかけ作りの場としての役割があるのではないでしょうか。 A・S
この四月より、介護保険の改正がありました。内容は、高齢者及び働く者にとって厳しいものになりました。ぬくもりの活動も、改めて利用される方にとって、何が大切なのか見極めながら、進んでいかなければとおもっております。