国鉄(インチキ)列車名鑑2(その2)



マニ82(電源車)1~4

サービス電源を賄う発電用ディーゼルエンジンを搭載する。
警備員室、車掌室、貴重品室、荷物室(貴重品庫、冷蔵庫含む)、ナロネ20クラスのスタッフルームを備えている。
外部塗装は、車体色が青畳をイメージした浅緑。白木をイメージしたベージュの太帯を締めている。これは専用牽引機EF65535(東京)も同様に塗装変更されており、全車が連なる様は壮観であった。
改造元はカニ24。

オハ82(フロント車)1~4

第1エンド側から、喫茶カウンター、玄関、フロント、事務室、サービス係控室、医務室を備えた多目的車である。オハネ24から改造された。
防犯上の要請で、列車中乗客の乗降の出来るドアはこの車両だけであり、他のドアは全て非常用である。
乗客は乗車時、ツアー参加証をフロントに提示し、ルームキー、ロッカーキー、列車案内を手渡される。フロントの前はミニロビーになっている。
女性スタッフや仲居は専用の個室を与えられているが、事務長や男性スタッフは事務室やフロントで仮眠を取るケースが多かった。事務室の長椅子で寝ていて落下したのだろうか、翌朝には顔に青あざを作っていた事務員を見た事がある。

オロネ82(お座敷A寝台車)1~18

オロネ82 50番代(お座敷A寝台車)51~56


オロネ82は定員2の和室を3部屋、オロネ82 50番代は定員3の和室を2部屋持つ寝台車で、いずれも改造元はオハネ24である。

各部屋のエントランスは玉石敷きに人造鉄平石の飛び石をあしらい、ドア横等には小さな石庭が設えてある。各部屋ごとに異なった意匠が凝らされている所が売りであった。

50番代車3名定員個室
上段は昼間、下段は夜間使用時の状態を示す。



ルームキーは当時まだ珍しかったカードキーで、慣れない乗客がドアの前でオロオロしていた事が思い出される。

50番代では、桧板張の踏込を上ると半畳の敷いてある次の間があり、その奥が座敷(定員3)となっている。0番代では踏込を入ってすぐに座敷(定員2)である。
部屋の間の欄間や船形天井の格子等も各部屋毎に違った意匠であるが、壁だけはいずれも同じ緑がかった京壁で統一されている。畳は備後五分縁を奢り、豪華な感じを与えている。ゆったりした座椅子は難滑性の底敷きを取り付けて滑り止め効果を狙っていた。座椅子は寝台使用時にはクロークに仕舞い込む。

床の間には雪舟や応挙等の軸が掛けられ、その下には部屋によって香炉、花瓶、茶器等が置かれている。いずれの置き物も床の広い安定した物で、床の間にはその置物の床に合った形で浅く掘り込みがしてある。運転中の急ブレーキ対策であった。

卓と布団(マットレス)は壁面収納式である。卓は軽くて柔らかい桐材を主に使用しているが、これは転倒時の衝突対策である。
この卓は乗客がセットする事が出来るが、マットレスは仲居でなければ操作出来ない。電動式でゆっくりとセットされるのであるが、万一の事故を考えた事であろう。
敷布団、毛布、掛布団、枕とシーツ類は別に布団部屋から出して来る。

床の間の隣は小さいながらも衣装戸棚があり、その中には乗客の体のサイズに合った浴衣、丹前(夏場は夏羽織)、帯、白足袋、手拭い、フェイスタオル、バスタオル、扇子が備え付けてあった。床の間の右隣にはブラウン管式式のテレビが埋め込み設置されていたが、どうしたものか余り映りは良くなかったように思う。

乗客は乗車時に仲居頭の訪問(部屋廻り)を受けるが、その折り布団のセット時間、朝食時間の希望を聞かれる。スタッフが一人何役もこなすこの列車では、布団のセット時間は流石に自由ではないが、およそ夕食の時間を除き23時位までは希望を聞いてくれたと記憶している。

この列車では基本的に夕食が宴会場、朝食は部屋出しで、希望の時間に箱膳を持って来る。

車両の隅には必ず定員分のミニロビーが設えてあり、和室に飽きた乗客でも、狭いが落ち着いた普通客席で列車の旅を満喫できるよう気遣われていた。

オロネ83(A寝台車・売店車)1~5

編成中唯一の洋式寝台車でオハネ24から改造された。
第一エンド側に売店・サービスカウンターがあり、大体23時頃まで開いていた。
酒類、ソフトドリンク、珍味、菓子、それに観光ガイドブックや新聞等を販売していた。ツアー初日に当たる往路の列車では土産物は置いていなかったが、それも当然であろう。列車内で土産を買われては、スポンサーである観光各施設で土産が売れなくなってしまう。

後に売店スペースは撤去され、観光資料展示コーナーを兼ねたミニロビーと自販機コーナーに変わっていた。

第二エンド側には通常の洋式個室二室があり、洋室を希望する乗客や定員調整用に使用された。
セミダブルサイズのベッドはオロネ25と同様座面を引き出す方式を採っており、昼間はソファとして使用出来る。
当然床の間等は設置されていない。

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