ニュースあゆみ私たちの活動おんなの新聞お問い合わせリンクホーム
 

おんなのしんぶんかながわ | 女のしんぶん

 HP版 おんなのしんぶんかながわ 2006年10月

「高齢者・福祉医療部会」主催  学習会報告

「改悪された医療保険制度」
   私たちの健康はどうなるのか?
      私たちに死ねというのか?

講 師 あべ ともこ さん(衆議院議員・小児科医)

   日 時 9月8日(金) 18時30分〜20時30分
    会 場 かながわ県民センター 406号会議室


今回の医療制度改革の主な内容は次のとおりです。

2006年4月から ・診療報酬を3.16%(本体・薬価)引き下げる。

2006年10月から

 

 

・現役並み所得の70才以上医療費窓口負担を2割→3割へ。
・70才以上の療養病床入院患者の食住費を全額自己負担にする。
・高額医療費(定額部分)の自己負担限度額を引き上げる。
・埋葬料(健康保険から所得に応じて遺族に支給)を一律5万円引き下げる。

 上の表は自己負担増につながるもの。
  出産育児一時金については30万円→35万円と少し引き上げられた。

高齢者や長期入院患者、特にリハビリを必要とする患者は、病気によりリハビリ時間が制限されることになった。

さらに

2008年度から ・70才〜74才の医療と窓口負担の引き上げ(1割→2割)
・75才以上の全高齢者から保険料を徴収する「後期高齢者医療制度の創設。
・65才〜69才の療養病床入院患者の食住費を全額自己負担に。
・都道府県が医療費適正化計画を作成。
   (入院日数短縮や、生活習慣病予防の政策目標を設定。)
・乳幼児医療費の軽減(医療費窓口負担2割)を3才未満から就学前まで拡大。
・政府管掌健康保険を都道府県単位の公法人に移管。
    (財政を都道府県単位に分割する)
・2012年度末までに介護型療養病床(全国14万床)を全廃。

上記の「改正」から考えられる3つの問題点

75才以上のハイリスク層を対象にした
「後期高齢者医療制度」の創設
日本は誰もが組合健保・政府管掌健保・国民健保のいずれかに加入して、全体で保険制度を維持する国民皆保険制度を維持してきたが、「後期高齢者医療制度」はこの3つの健保組合から高齢者だけを別立てとし、一人ひとりが高齢者医療制度に入り、別個に保険料を払い、別の料金計算でサービス(料金についてはまだ不明)を受けるようになる。
高齢者はやっかい者、医療費を圧迫するから早く死んで欲しいといわんばかり。少ない年金から保険料を払えない無保険高齢者が出てくるのではないかと危惧される。
財政破綻の危険が多い政府管掌保険を都道府県単位の公法人に丸投げする乱暴なやり方 これまでの小泉政権の本質が浮き彫りになり、理不尽さを感じる。都道府県単位の広域に任せる方向については自治体の抵抗があって現在のところ不透明。
生活習慣病予備群を早期に発見するため40才以上を対象に健診の義務づけ メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を早めに見つけ医療費を減らしていこうするものだが、逆に患者を掘り起こして医療費が増えるとの指摘もある。世界中を探してもこんなことを行う国はない。

 08年4月からの高齢者医療制度が始まると・・・
         06年6月16日(金)朝日新聞より(pdfファイル)


☆高齢者や患者に負担(自己責任)を押し付けるならサービスを充実すべきなのに、地域格差や医師不足で小児科産科医不在の問題などはどう解決してくれるのでしょうか。

☆この5年あまりの小泉政権の残した足跡は、生活のセーフティネットをずたずたに切り裂き、リスクを社会的にプールしていこうとする国民皆保険制度の理念にも反しています。

☆国民皆保険制度として定着してきたナショナル・ミニマム(国民生活における最低基準)を確保することが国の責任ではないでしょうか。

「高齢者・福祉医療部会」としてさらに鋭い視点を持って、学習を深めていきたいと思います。 
  (報告:藤原律子)

 

 
 
女性会議神奈川県本部 2006(C) All Rights Reserved
ニュースあゆみ私たちの活動おんなの新聞お問い合わせリンクホーム