インターネットで簡単に鳥になることができます。
さっそく鳥になって地球を鳥瞰(ちょうかん = 鳥のように高い所から広く見渡すこと)してみましょう。
検索機能で定番の「google」で、衛星写真のサービスがテスト段階に入り一般ユーザーも見ることができるようです。世界中の衛星写真が見られますが、詳細な写真は限られています。
日本では現在のところ「東京」「江ノ島」「鈴鹿」の3地区で、詳細な衛星写真が見ることができます。どのくらいかというと、地上の家一軒がはっきり見えるくらいの精度です(およそ1/3000位か?)。本来は軍事用の情報なので、分解能はさらに一桁以上よいはずですが、戦略上これは一般には公開されていません。
とにかく日本全国を隅々見ることができます。あたかも自分が鳥にでもなったかのようです。”神"の視線とはこのようなものをいうのか、とついつい調子に乗ってしまいます。自分が過去に行ったことのある場所など、空から、いや宇宙から見たらどうなのか、と結構面白く思わず見入ってしまいます。
皆さんもいかがですか。
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手順は、次のとおり非常に簡単です。
電脳法師注(現在BETA版(開発途上版)なので、仕様はよく変わることがあります。) |
(7/14) |
('05.7/7にサーバーにアップ以後に、GoogleのMAPSが一部日本語化されましたので、小修正(日本語化)します。また日本全域で地図表示可能となったようです。) |
(7/23) |
(またシステムが修正されたようです。アメリカやイギリス地域では、衛星写真、地図の他に、さらに衛星写真に地図をオーバーラップさせるモードができました。運用は適宜判断してお願いします。) |
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通常使用している最新のブラウザを立ち上げる。バージョンが古いときなどは、サーバーからその旨の指示が来る。 |
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ブラウザのアドレス(URL)に次のように入力しジャンプする:http://maps.google.com/ |
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アメリカ合衆国の地図のトップページが開いたら、右上の表示選択ボタンの「Satellite(サテライト)」をクリックし、「衛星写真」モードに切り替える。 |
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「search(検索)」欄に「Tokyo, Japan」と入力し、「search(検索)」ボタンをクリックし日本へと移動します。 |
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皇居付近が出てくるので、写真をドラッグ(マウスをクリックしたままで移動させること)し「皇居」を表示面のほぼ中央にして、左上の拡大機能ボタン「+」を1回づつ押しながら徐々に拡大します。そして皇居付近をよく観測してください。 |
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今度は「−」を2、3回くらい押しすこし広くし、地上を見ながら「西」へと移動し、「新宿駅」あたりを探し、都庁などの高層ビル群を観測します。この写真の迫力は相当あります。また真上からではないので、より迫力があります。 |
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次に埼玉県の熊谷付近へ行きましょう。「search(検索)」欄に「Kumagaya, Japan」を入力し、クリックします。 |
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また外国の場合、例えばイラクのバクダッドならば、「search(検索)」欄に「Baghdad, Iraq」を入力し、クリックします。またドイツのミュンヘンなら、「search(検索)」欄に「Munich, Germany」と入力し、クリックします。 |
熊谷の場合、明らかに荒川とわかる河の付近の衛星写真がでます。ただしこの付近は、写真の分解能は悪く、「+」ボタンを押しても、新宿のようにはなりません。しかし川や道路、鉄道、山などで識別は可能ですので、「小川町」を探します。
小川町探索のヒントは「ゴルフ場」と「川」と「山」などの地形です。地図のように、道路や鉄道ははっきりとは見えません。まったく別な「目」が必要となるのです。もし1分以内に小川町がわかれば、あなたは相当この辺の地理に詳しい人です。
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この小川町周辺を見てみると、始めて見るようなものが現れました。小川町の周辺にはゴルフ場が多いのは知っていましたが、このように見えるとは驚きました。ゴルフ場の各コースが、なんというか、まるでミミズがうごめいているという感じです。しかし、小川町の位置を正確に特定するのに、このゴルフ場が非常に役に立ちました。「鳥瞰」のなせる技でしょう。
実は衛星写真は物理的に、リアルに何でも写り過ぎているので、つまり目標以外の”雑物”や”雲”、”霧”などがあり、目標が見えにくくなっています。また季節による植物の生態の変化、畑や田の人間の生産活動の変化があり、目標が分かりづらくなります。道や鉄道を頼りとするには、その周辺の色んな”雑物”によって、見えにくくやや信頼性に欠けます。むしろ河川や山の形、それから先ほどのゴルフ場が決め手になることがわかりました。
これはやや意外なことでした。地図では、かなり正確に周辺のイメージが分かっているつもりなのに、衛星写真とその地図とではイメージにかなりのギャップがあることが分かります。これは、面白い発見でした。できれば地図と衛星写真と同じスケールで同時に見られると、一番いいのでしょう。
一方、東京の新宿副都心などは、かえって衛星写真のほうが実用的かもしれません。形や色、場合によっては影などが映っているので、実際に地上で歩きながらさがす時に、地図以上に頼りになると思います。
目を転じてもっと高く広く日本をみます。緑が多い島なので、改めて感心します。確かに日本海の海流が流れるようになってから、温帯モンスーンの雪が多い、温暖で湿潤な日本なった、ということが、この衛星写真からよく分かるのです。同じ緯度で世界を一周してもこれ程の緑の島はないでしょう。熱帯雨林地帯では、緑が濃いのは当然です。しかし、この緯度でこの青々としたところをさがすのは無理です。ヨーロッパは一見緑には見えますが、行ってみると分かりますが、日本ほどの雨も湿度もありません。日本は、希な自然条件で出来上がっていることろなのです。
では世界はどうかというと、このgoogleのトライアル版では、日本の場合と同様、ごく一部の地域しか精度が良くありませんが、地球全体を見るには十分です。今戦争が行われている地域は、乾いた地域が多く、考えさせられます。湿度は人間の考え方や寛容さと何か関係があるのでしょうか。
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再び衛星写真で日本全体をよく観ると、むかし学校で習った「構造線」や「大地溝帯」がよくわかります。これはよく地震の予知や原因の説明などによく出てくるキーワードです。日本列島が、つまり地球がここまで成長した証拠であり、その過程でのさまざまな「古傷」ともいえます。
「中央構造線」とは、九州の有明海あたりから阿蘇を横切り豊後水道を渡り、さらに四国の愛媛、香川両県を吉野川に沿って走り、そして紀伊水道を渡り紀伊半島に上陸し、和歌山市付近から紀ノ川に沿って吉野山深く入り込み、今度は櫛田川に沿って伊勢市や松坂市付近に入り、さらに伊勢湾を横切り知多半島に沿って上陸し天竜川の流れる谷に沿いながら、一気に諏訪に駆け上がり松本付近に達する、大断層線です。
そしてその諏訪、松本付近には、北の糸魚川から南の静岡にかけて、あの「フォッサマグナ(Fossa Magna、大地溝帯)」が南北に走り、中央構造線はここでいったん見かけ上消えているように見えます。このフォッサマグナには幅があり、関東地方までの広がりをもちます。
さらに中央構造線は、再び関東地方の下仁田付近に顔を出し、何とこの比企丘陵の北側に露出しながら、さらに岩槻あたりを通過し、鹿島灘へと走り去って、この中央構造線の旅は終わるのです。
日本列島がその昔、造山運動や地殻変動、大陸移動の影響を受けて、真横に切られたときのまさに「古傷」のような気がします。
しかしこの中央構造線は、実は日本で最大規模の大断層帯であり、この周辺には活動のレベルの高い活断層が多数あるのです。現在も決して油断できない”古傷”なのです。
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昔からよく中央構造線付近には霊山・聖地などがあるといわれています。例えば西から見ると、幣立神宮(へいたてじんぐう、熊本県山都町)、石鎚山(愛媛県西条市)、金剛峰寺(=高野山、和歌山県高野町)、伊勢神宮(三重県伊勢市)、鳳来山寺(愛知県鳳来町)そして御柱祭りの諏訪大社、関東では鹿島神宮、香取神宮などといわれています。
これらは何を意味するのでしょうか。現在でもこの中央構造線には”エネルギー”つまり風水の「気」があふれており、それを感じようと人々が、静岡県から長野県へいわゆる秋葉街道の青崩(あおくずれ)峠や分杭(ぶんくい)峠などへ、”名水”ならぬ「気」の名所に押しよせるそうです。
電脳法師は、「みすず」や「たたら」の話で述べていますが、人間集団の生活・文化のありようから、中央構造線とはずばり「金属」の道、「鉄」の線つまり「資源」の”構造線”である、と解釈したくなります。断層帯は地殻の活動、変動が盛んで地下資源の発見には事欠きません。
今のように精度の高い探査装置がない時代では、われわれの先人達は、地殻変動の多いところや地形的にいかにも地溝帯や隆起帯、断層帯と思われるところは、そこに人間に有用な天然資源や温泉、各種堆積物、蓄積物が豊富であるということが、経験的に伝えられ十分に理解していたものと思います。またこのような所は水が貯まり湖となったり、やはり水が流れて川となります。「水の国」にふさわしいことでしょう。
それらの専門集団の活動の軌跡や遺跡が、結局霊山・聖地となったものと解釈できます。これは資源の確保や独占からみれば、その専門集団の既得権益の維持のために”結界”を張り、他の侵入を防止したとも言えるでしょう。これが霊山・聖地や神社や寺などです。
修験道の修験者が山を渡り歩くとか、柳田國男、三角寛など民俗学でいうところの「山の人」「サンカ(山窩)」などが山中で里人とは異なる生活をしていただとか、今では全く忘れ去られている日本の地下の文化の流れがありました。「山の人」と「里の人」とは互いにテリトリー(縄張り、生活圏)を持ち決して交わらなかった。ただし物の交流は日常的にあった。里の人は山の人に対しては、決して表の門は開けず、裏門から物のやり取りをしていたということです。文学作品では五木寛之の「風の王国」などもあります。実は日本ではこの手のものには事欠かないのです。
また色々な昔話や神話があります。例えば「諏訪大社」とか「サンカ」などというと、電脳法師はすぐに「スサノオ」を連想します。諏訪は出雲族の流れ着いた到達点の一つで、これに関する神話は、日本書紀、古事記の定番です(天の岩戸、スサノオ、国譲りほか)。またサンカの神様はスサノオです。スサノオは製鉄技能集団であるということもいわれています。先ほどの中央構造線に近いところにある群馬県の富岡一宮の「貫前(ぬきさき)神社」や埼玉県の武蔵二の宮の「金鑽(かなさな)神社」の祭神を見ても、経津主命(ふつぬしのみこと)やスサノオです。
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いま地球はかつてないほど”人類”にとっての危機といわれています。マクロ的には資源問題、環境汚染問題、地球温暖化問題、自然破壊問題、人間のミクロ的、生物学的に例えばDNAレベルでの何か異変が出てくるでしょう。またミドルレベルでは社会、文化、経済、モラルなど、一番身近なものからの問題・課題が山積しています。しかしこれらはわれわれ人類が絶滅もせずに必死に築いてきたところの結果なのです。いいも悪いもありません。
誰が地球のために、薪と炭の穴ぐら生活に戻れるでしょうか・・・。
宇宙からの鮮明な衛星写真は、われわれの先人の歩いてきた道や、これからの人類が進む道を、図らずも映し出す現代版魔法の鏡のようです。はたして美しく映るでしょうか、あるいは救い難いほどみにくく映っているでしょうか。
・・・ 「鏡よ、鏡よ、・・・答えておくれ・・・」 ・・・
2005.7.7 電脳法師
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