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言葉は生きている
「君自身に還れ 知と信を巡る対話」(池田晶子 大峯顯共著 本願寺出版)を
読みました。浄土真宗と禅はこれから勉強したい物の一つで、池田晶子さんの
本も以前から一度読んでみたいと思っていたので、この本を書店で見つけた時、
迷わず購入し、一気に読了しました。
哲学者の池田晶子氏が、阪大名誉教授で浄土真宗の僧侶でもある大峯氏に、
ご自身の疑問をストレートにぶつけていくのですが、質問はどれも非常に鋭く、
その「知りたい」という気持ちが読み手にもひしひしと伝わってきます。
そして同時に、言葉が大量に消費される現代において、「本当の言葉」を求める
著者の姿勢とその重要性を、改めて思い知らされるようでもあります。
池田氏も大峯氏も一つの事を深く深く突き詰めていく求道者といった感じで、
その言葉には、そういった人が発する言葉特有の「重さ」があるように感じます。
言葉に様々な背景が含まれているからでしょうね。こういった人たちの言葉は、
読むとためになります。
さてさて、日々疑問を棚上げして生きている私ですが、それでも最近はよく、
「おかしいことをおかしいと思わない人がおかしい」なんて思っていて、授業でも
たびたび(カイロの)おかしな点を指摘しているのですが、こういった疑問を持つ
ことは発展には不可欠なんですよね。カイロにはどうもそこが欠落しているように
感じます。きっと池田晶子氏にかかれば、カイロなんてけちょんけちょんにされて
しまうと思いますよ。
残念ながら、池田氏は2月にお亡くなりになりましたが、形として残した「言葉」
は、これからも人々の中に生き続けるだろうと思います。生死に対する純粋な
疑問を持ち続け「死ぬのが怖いという事がわからない」と言っていた池田氏は、
最後に何を思ったのでしょうか?「つまらない生を生きる方が怖い」という言葉が
余計に強く印象に残る一冊でした。
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