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神聖な骨
こんばんは、骨盤レポーターの吉岡です(恐縮です)。
学校でも治療室でも(いつでもどこでも)「骨盤、骨盤」「仙腸関節、仙腸関節」と
しつこい程に言い続けているので、自分でもちょっとあきれることがあります
(多分周りはもっとあきれて、、、いや、ウンザリしていることでしょう)。
しかし、私は骨盤レポーター(自称)なので、それも致し方ありません(???)。
それが私の仕事なのですから(思い込み)。
さて、そんな骨盤を構成する骨の中で、特に重要なのが「仙骨」です。
ご存知かとは思いますが、骨盤は、その真ん中に位置する「仙骨」と、
それを支える左右の「寛骨」とによって構成されています。
カイロテクニックでは、この仙骨を重視したものが多く、
中には「仙骨だけ」にアプローチするテクニックもあるほどなのです。
もちろん私も「仙骨」を重視しています。
さてさて、その仙骨ですが、英語では「sacrum」と綴ります。
この語源は、ラテン語で「神聖な」という意味を持つ「sacer」だそうです。
紀元前400年頃にはすでに「神聖な骨」と呼ばれていたようですが、
その由来にはいくつかの説があるそうですので、以下に挙げておきます。
「神聖な生殖器を保護する骨だから」という説から、死後も腐敗せずに残る
ことから、「肉体が復活する際の『核になる骨』と考えられていたから」、
または「魔女狩りの焼殺後に唯一仙骨が残っていたために神聖視された」
というちょっと恐ろしい説まで、てんでバラバラな諸説が各地で入り乱れていて、
どれが正しいのかはまだ分かっていないそうです。
しかし、それだけ多くの説が各地に点在するということは、いつでもどこでも
「仙骨は神聖な骨だと考えられていた」、とも言えるのかもしれません。
このように、古代から「特別な骨」と考えられてた仙骨は、
現代でも我々治療家にとっては「特別な骨」であり続けているという、
実に興味深い「骨」なのです。
ちなみに、その仙骨と接し仙腸関節を形成する「寛骨」は、
英語では「innominate」=「無名」という意味を持ちます。
名前からみると、骨盤は「神聖なる者」を「名も無き者」が両脇から支える、
という構図となっています。
骨盤は、その仙腸関節が離開することで問題を起こすことが多いのですが、
もしかして、仙骨が神聖過ぎるので、寛骨の腰が引けてしまって、
結合が緩んでしまうのでしょうか?
・・・それはないですね、恐縮です。
・参考文献
「骨単」河合良訓監修 (株)エヌ・ティー・エス
「ペルビック・アプローチ」Diane Lee著 医道の日本社
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