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鼻血の対処
先日、私の実家で家族の集まりがあった際に、ほんの少しの不注意から
身内の一人が転倒し、顔面を強打して大量の「鼻血」を出す、
という「事件」がありました。
(本人の名誉のため、誰かは言えません)
ちょっと派手な転び方だったことと、出血も多そうに見えたので、
周りはかなり動揺してしまって、あたふたとしながら「上を向け」
「いや下だ」から、「首をもめ」「いや鼻をもめ」とか、「救急車を呼べ!」
「鼻血を止めるツボはどこだ!」まで、とにかく色々な意見が飛び交い、
皆冷静さを失って「一触即発」的な雰囲気の大騒動になってしまいました(笑)。
「鼻血を出す」ということはそれほど珍しいことではありませんが、
その量が少し多いだけで、これほどまでに皆が冷静さを失ってしまうとは
ちょっと驚きです。
また、少しくらいの鼻血なら何をしても(何もしなくても)止まるものなので、
誤った対処法を鵜呑みにしてしまっている人が多い事も良く分かりました。
こういったアクシデントは突然起きるのが常で、そこで冷静になれるかどうかは、
正確な知識があるかどうかにかかってきます。
やはり、正確な応急処置くらいは知っていおいたほうが良いと思うので、
ご存知の方も多いとは思いますが、少しまとめておきます。
まずは、何はともあれ「止血」です。
今回のように出血量が多く、左右どちらの鼻からの出血かが分からない
ような場合には、取り合えず両方の小鼻を押さえ「圧迫」してしまうのが
良いようです(1分〜最大15分程度)。
どちらの鼻からの出血かが特定できる場合には(両方でも)、
ガーゼか綿花などを丸めて鼻に押し込み、さらに指で圧迫しましょう。
これは、少し大きめの方が良いそうです。
また、ティッシュや綿花は後で取り除くのに大変なこともあるので、ガーゼなど
の方が良いようです(オロナイン、ワセリン等を塗っておくと取りやすい)。
そして、万が一の場合に備え、「時間」を正確に覚えておくと良いでしょう。
医療機関受診の際に、出血開始からの時間が、出血量を推定する
目安となるそうです。
次に、わりと間違えやすいことに、「上を向かせる」があります。
よく鼻血を出すと「上を向け」と言われますが、これは誤りで
「少し下を向く」が正しい対処法です。
上を向くと「血」がのどに流れてしまい、それを飲み込むと「吐き気」
をもよおすことが多く、場合によっては吐瀉物をのどに詰まらせる
危険もあるそうです(血は飲まずに吐き出したほうが良い)。
座らせて、少し寄りかかるような姿勢で「下を向く」が正解です。
上記の対処法が、ごく基本的な応急処置のようです。
これでも止まらない場合は、医療機関にお任せしましょう。
この他、呼吸がしやすいように「襟元を緩める」とか、「鼻、頭や首、胸部を
濡れタオルで冷やす」なども良いようです。
また、基礎疾患(高血圧、血友病等)の確認も忘れないほうが良いでしょう。
首をもんだりたたいたりしても止まりませんし、鼻をもんだらもっと
出血がひどくなるのでやめましょう。
また、転倒などで頭部を強打したような場合には、鼻血よりも、首や
頭蓋内の損傷の方が心配です。
しばらく観察し、少しでも気になる症状(意識障害など)が出た場合には、
速やかに医療機関を受診しましょう。
とにかく、先ず冷静に対処することが必要です。
普段あまり見慣れないので、少し多めの血を見るとびっくりしますね。
本人も相当なショックを受けていたようです。
それにしても、もうちょっと年を考えて行動して欲しいものです。
まったくうちの親父は・・・(あっ、言っちゃった!)。
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