『緋牡丹博徒 鉄火場列伝』(1969年/東映)
監督:山下耕作。
徳島まで出所する子分清吉を向えに行ったお竜は、病院すら紹介してもらえないまま重病の清吉を出迎えることになる。不案内な土地で重病の清吉を抱え途方にくれるお竜は、元はやくざだが今は藍の小作人と旦那衆の仲立ちをする江口に助けられるが、看病空しく清吉は息を引き取る。その頃小作料を巡り地主である旦那衆たちと小作人たちとの交渉が決裂し小作料争議が起こり、阿波踊りの期間に開かれる旦那衆を招いての賭場が一家の重要な資金源となる徳政組の三代目武井は二代目だった江口に小作料争議を収めるように頼むが、江口はこれを無職の人間が口を挟むことではないと断る。そのことにより、徳政組の乗っ取りを企む観音寺組と鳴戸川組が次々とあくどい仕打ちへと出る。 |
『人生劇場 飛車角と吉良常』(1968年/東映)
監督:内田吐夢。
数年ぶりに上海から故郷に戻った吉良常は、文士になるために東京で勉強している亡き主人の子青成瓢吉を訊ね、そのまま瓢吉の家にやっかいになることにする。その頃、小金一家が匿った飛車角と彼が大横田経営の店から足抜けをさせたおとよのことで、大横田と手を組んだ丈徳一家が喧嘩をふっかけ出入りとなり、飛車角の活躍で小金一家が勝利を収める。ところが兄弟分奈良平が裏切りおとよを大横田に渡そうとしたことから飛車角は奈良平を殺め、逃げる途中巡査の姿を見かけた彼は慌てて一軒の家へ逃げ込む。飛車角を見た吉良常はすべてを悟り、何も聞かずに一杯の酒を手渡す。その一杯の酒で踏ん切りをつけた飛車角は自首し、小金一家と大横田もおとよを大横田に返すことで手打ちとなったが、そのおとよは大横田へ戻るはずの道中姿を消してしまう。やがて4年の時が流れ・・・。 |
『椿山課長の七日間』(2006年/)
監督:河野圭太。
デパートに勤める椿山課長は仕事中に突然死してしまう。気がついた場所は「中陰役所」天国と地獄の中間地点だという。中陰役所の案内人マヤによる死後の説明では、現世に未練のある希望者は初七日までの間現世に戻ることが出来るという。あまりにも突然の死のために未練たっぷりの椿山は迷うことなく現世に戻ることを希望する。大勢の希望者の中から選ばれたのは椿山を含めた三名。ヤクザの親分だった武田。小学生の雄一。武田は自分の死によりヤクザ同士の抗争が起きないように、雄一は一目生みの親に会うために、そして椿山は、あまりにも椿山の知らない事実が多いので、それを知らないのはかわいそうだろうということで、それぞれ現世に戻ることになる。但し、自分たちの正体がバレないように別の人物として・・・。 2006年11月20日(TOHOシネマズ泉北) |
『武士の一分』(2006年/松竹)
監督:山田洋次。
近習組に勤める下級武士の三村新之丞は、毒見役という役目に嫌気がさしながらも、美しい妻加世と父の代から仕える中間徳平と平穏な日々を送っていた。
そんなある日、いつもの毒見の席で新之丞は、貝の毒に中ってしまう。危うく一命はとりとめたものの、視力を失ってしまう。お役目につけぬ身となった新之丞だが、毒見役という役目上のこと、何とか家禄の半分でも残しておいてもらうようにと、番頭・島田藤弥への口添えを本家から命じられた加世は、その言葉通り島田の元を訪れるが、島田の姑息な罠に嵌ってしまう。そしてそれを知った新之丞は・・・ 2006年12月4日(TOHOシネマズ泉北) |
『忠臣蔵』(1958年/大映)
監督:渡辺邦男。 時は元禄15年12月14日。降り積もった雪の中、響き渡るは山鹿流の陣太鼓。ってことで本日は12月14日。ちょうど今日のお昼にCATVで『忠臣蔵』が放映されるからと、しっかりと予約。帰宅して早速視聴。やっぱ今日観ないと(笑)。ところが・・・さすがに長いわ。2時間40分。別に目新しいこと何もないにも関わらず、ラストも間の話もわかっているのにも関わらず、しっかりと観てしまった。 しかし、久しぶりにこういう昔の時代劇を観ると、まずメイクに驚きますね。男優さんも女優さんに負けず劣らずの白塗りにこってりびっしりとアイライン(笑)。今これで映画撮られたら引くだろうなぁ。 これ一本で2時間40分っていうのは、長いと言えば長いんですが『忠臣蔵』といういろんなエピソード盛りだくさんの話からすると短いんですよね。 だから、まず赤穂に早駕籠が到着するところからはじまって、吉良さんの内匠頭いじめがダイジェストで描かれ、あっという間に内匠頭切腹。それから討ち入りまでは、大石の山科での遊興があって、垣見五朗兵衛のエピソードに、絵図面をもらう岡野金右衛門のエピソード、そして赤垣源蔵の不在の兄との別れ。さぁ江戸に下るぞっていうときにはいきなり準備した武器です。っていうお披露目のシーンがあるんだけど、この武器を用意する天野屋利兵衛は出てこない。だから「天野屋利兵衛は男でござる」っていうのがないんですよね。それに、この時間内で基本の流れはいれないといけないんで、討ち入りからはずれてしまったメンバーのお話は一切描かれてないです。 大映創立18年を記念して作られた作品ということで、豪華キャストなんですが、イマイチ、ミスキャストというか、全然魅力のないキャラとして田崎潤さん演じる清水一学がいるんですよねぇ。清水一学ってもうちょっと繊細なイメージがあるのに、田崎さんだと豪快すぎてね。「不審な奴だ!」ってやたらとかかってくるんで、なんだかバカみたいに感じてしまった。(^^;) あ・・・それと、討ち入り後、橋の前で引き返すっていうパターンに、後進する四十七士たちの元に遥泉院が駕籠でやってくるっていうの、今まで観たことなかったような気がするんですが、こういうパターンもあったのかな。 来年もまた、こうして放映があったら、きっと観るんだろうなぁ(笑)。 |
『犬神家の一族』(2006年/)
監督:市川崑。
昭和23年の冬。信州の大財閥犬神家の当主佐兵衛が死亡。そしてその遺産相続は遺族全員が揃った所で佐兵衛の遺言書により発表されるという。佐兵衛の死から8ヶ月が経ち、遺族の最後の一人佐兵衛の長女松子の長男佐清が復員してくる。
犬神家の顧問弁護士古舘の助手若林から依頼を受けて、信州に赴いていた探偵の金田一耕助は、依頼人若林の突然の死にから、犬神家に次々と起こる事件に巻き込まれることになる。 2006年12月25日(TOHOシネマズ泉北) |
『恐怖のカービン銃』(1954年/新東宝)
監督:田口哲・浅野辰雄。
1954年に起きた、防衛庁の職員をカービン銃で脅し誘拐監禁し、公金を奪った『大津事件』のセミドキュメンタリー。 |
『暁の非常線』(1957年/新東宝)
監督:小森白。
次々と起こる兇悪な銀行強盗。犯人の手掛かりもつかめないまま捜査は難航していた。その頃江戸時代から続く正統やくざの関東三ノ輪一家では、跡取りの健一はやくざを嫌って家出していたため、一家を存続するには娘雪江に婿をとり、その男に跡目を継がそうとしていた。その跡目の候補となっているのは組の代貸しを勤める馬島だったが、その馬島こそ兇悪な銀行強盗の首領だった。雪江と三ノ輪一家を我が物にするために、彼は手段を選ばなかった。しかしスムーズに運んでいた計画は、無理に行った銀行襲撃のために破綻していく。 |
『昭和残侠伝 唐獅子仁義』(1969年/東映)
監督:マキノ雅弘。
雷門一家に殴りこんだその帰り道。渡世の義理からと花田秀次郎に立ち塞がる風間重吉。どっちが勝っても恨みっこなしの勝負に、風間の左腕を切った秀次郎が勝つ。そして5年。出所した秀次郎は林田一家の世話になる。採石の入札を巡って林田一家と対立する樺島一家には、かつて秀次郎と戦った風間がいた。そして風間は秀次郎に斬られた傷が元で左腕を失っていたのだった。偶然に知り合った風間の妻である芸者のおるいから、そのことを聞いた秀次郎は風間とおるいをこの地から離れさせようとするが・・・。 |
『男の勝負』(1966年/東映)
監督:中島貞夫。
山田屋一家の養子、藤岡重助はかつて刑場だった千日前を繁華街にしようと計画を立てるが、重助を邪魔に考える者たちに襲われる。その時助けに入ったのは奥田弁次郎という香具師だった。彼もまた千日前の開発を考えており、重助に協力を申し出る。二人の協力により千日前は次第に賑やかになっていくが、なんとしても千日前の利権を手にいれたい五十路組の親分駒蔵は重助の義父の隠し子である倉吉を利用し、重助と弁次郎を仲違いさせようとするが・・・。 |
『傷だらけの人生』(1971年/東映)
監督:小沢茂弘。
大阪天満にある大聖寺一家の二代目が死亡したことで跡目は二代目の遺言により代貸の半田に決定した。ところが、以前から二代目の女房おしまに思いを寄せていた半田は、二代目の四十九日も済ませていないのに無理矢理おしまに言い寄ろうとしたことで大聖寺一家分家の三橋に刺されてしまう。この不始末で半田は破門。大聖寺の跡目は三橋が継ぐことになるが、半田を三代目に押し上げ、最終的には大聖寺一家の納める賭場を我が物にしようと企んでいた堂本組組長は、大聖寺一家に賭場荒しを送り込んだり手の込んだいやがらせを仕掛けてきた。三橋が釈放されるまでの間大聖寺一家を任されていた三橋の兄弟分である扇山一家大島組の大島は堂本組との出入りを決心するが・・・。 |
『傷だらけの人生 古い奴でござんす』(1971年/東映)
監督:小沢茂弘。
昭和6年。大阪飛田の縄張りの拡張を計ろうとしていた石切一家は軍部と繋がり、分家の大西組を使い、富士上一家のシマウチに横車を押していた。しかし事を大きくしてはと大観進一家の若頭大西栄次郎が、大西組組長大西竜三の実兄でもあることから仲裁をかってでて、一時は事は治まるものの、軍部からの圧力で飛田を手中にしなくてはならない石切はまたしても大西組に富士上一家のシマウチで事を起こさせる。親と仰ぐ親分に逆らうことは出来ない竜三の立場を知らない栄次郎は、自らの手で竜三を斬る決心で竜三を呼び出し竜三もそのつもりで栄次郎と相対するが・・・。 |
『それでもボクはやってない』(2007年/東宝)
監督:周防正行。
フリーターの金子徹平は、ある朝会社の面接に向うため満員電車に乗り込んだ。ところが目的の駅に降り立った徹平は女子中学生に袖をつかまれ「あなた痴漢したでしょ」と駅事務所に連れて行かれる。身に覚えの無い徹平には「やってない」としか言いようがない。しかし彼はそのまま警察に。「やりました」という言葉しか聞こうとしない警察官。一回だけはタダで呼べるという当番弁護士にまで、無罪を主張しても無罪になる確率は99.9%。やったと言った方がいいと言われてしまう。追い込まれる徹平だが、それでもやってないものはやってない。警察の取調べ、検事の取調べ、そして裁判へと長く過酷な日々がやってくることに・・・。 2006年1月22日(TOHOシネマズ泉北) |
『日本侠客伝』(1964年/東映)
監督:マキノ雅弘。
古くから深川木場の材木運搬を担っていた木場政組は、新興の沖山運送からいろいろな妨害工作を受けていた。「男の喧嘩は一生に一度きりだ」と血気に逸る若い者たちを説伏せ、なんとか大きな争いにならないように努めていた木場政が病に斃れる。この機会に木場政組を潰してしまいたい沖山は政治家や警察を抱きこみ、今まで以上に悪辣な嫌がらせを仕掛けてくる。あまりの仕打ちに見かねた木場政組の客分清治は単身沖山運送に乗り込んでいく。それを知った小頭の長吉は清治を追うが・・・。 |
『日本侠客伝 浪花篇』(1965年/東映)
監督:マキノ雅弘。
大正8年。横浜日東組の仲仕、藤川は仕事中に事故死した弟の遺骨を受け取りに大阪の浪花運送へとやってきた。浪花運送は博徒新沢一家が経営する荷受業者で、仲仕を牛馬のようにこき使い、平気で仲仕たちの上前をはねていた。弟の仲仕仲間の寅吉から浪花運送の非道を聞いた藤川は、新沢の子分を痛めつける。彼らに追われることになった藤川を浪花運送の商売敵でもある半田組出入りの和田島であった。これを機に和田島の元で働くようになった藤川だが、新沢一家の悪行は止むことがなかった。新沢一家の代貸し冬村さえいればと嘆く和田島だったが、とうとう彼が闇討ちにあってしまう。 |
『日本侠客伝 関東篇』(1965年/東映)
監督:マキノ雅弘。
関東大震災後、築地に移転された魚市場はなんとか震災から立ち直ろうとしていた。そんな魚市場を我が物にしようと目論む東京魚市場共同組合理事の郷田はやくざの石津組を使い、組合に入ろうとしない問屋に嫌がらせをしていた。父亡きあと女ながらも、魚市場の中では老舗の「江戸一」を切り盛りしていた市川栄は、頑なに組合への参加を拒否していた。飲みすぎて船に乗り遅れ、次に船が帰ってくるときまで「江戸一」で働くことになった船乗りの緒方勇は、石津組の横暴に黙って耐えている問屋衆たちに苛立ちを覚えるが、「江戸一」で働くうちに力では何も解決できないのだと知る。とにかく魚を仕入れなくては商いが成り立たない。最後の手段で外国船からの直接買い付けを試みるが・・・。 |
『日本侠客伝 血斗神田祭』(1966年/東映)
監督:マキノ雅弘。
呉服問屋の老舗「沢せい」の若旦那伸夫は、商売が自分の代になってからうまく行かなくなったことで賭博にまで手を出していた。そしてとうとう土地の権利書まで持ち出してしまう。そのせいで「沢せい」の土地を狙っていた大貫一家に嵌められ、殺害された挙句に店を放火され、借財の形としてとられた権利書は大貫のものとなってしまう。「沢せい」と懇意にしていた火消し神田十一番組の頭は「沢せい」の後ろ盾となり、借財の無効を訴え裁判で争うことにするが、大貫一家は次々と悪辣な手を使い裁判から手を引かせようとする。遂には裁判の当事者である伸夫の妻花恵の誘拐まで謀る。 |
『魂萌え!』(2007年/シネカノン)
監督:阪本順治。
59歳の主婦関口敏子。彼女の夫関口隆之が心筋梗塞で63歳で急死してしまう。なんとか葬儀を終えたものの、夫側の親族からは隆之の心臓の不調がわからなかったのかと責められたことで自分自身も責任を感じ落ち込んでいるところに、夫の携帯に見知らぬ女性からの着信が・・・。そしてなんとその女性は夫と10年来付き合っていたという。夫の死よりもショックを受ける敏子。それなのにアメリカで仕事に行き詰った長男は自分の都合で妻子共々同居する段取りを進めようとするし、長女は彼氏と同棲中の気楽さから実家と自宅を自分の都合でいったりきたり。敏子の心労を慮ろうともしない。思い余った敏子はプチ家出を決行! 2007年2月12日(動物園前シネフェスタ) |
『丹下左膳 乾雲坤龍の巻』(1962年/東映)
監督:加藤泰。
相馬藩、中村大膳から、名うての剣士小野塚鉄斎の道場にある“乾雲”と“坤龍”2本の名刀を奪ってくれば剣術指南役にし500石を加増すると約束された丹下左膳は、小野塚道場に乗り込む。しかし“乾雲”しか奪えずしかも右目を鉄斎に斬られてしまう。左膳の失敗に、中村大膳は同じ藩士渡辺にも左膳と同じ条件で“坤龍”を奪うように命じる。それを知った左膳は渡辺たちよりも早く“坤龍”を奪うも鉄斎の娘・弥生に右腕を刺され、駆けつけた大岡越前により捕らえられてしまう。なんとか奪った“坤龍”は左膳に肩入れする鼓の与吉と櫛巻お藤により相馬藩の中村大膳の元へと届けられるが、左膳は中村大膳に見捨てられ、武士としてではなく無宿人として処刑が決まるが・・・。 |
『三本指の男』(1947年/東映)
監督:松田定次。
アメリカで世話になった久保銀造の姪克子が、その町の旧家一柳家の当主賢蔵と結婚することが決まり、その祝いにやってきた金田一耕助は、結婚を邪魔しようとする怪文書が一柳家と久保家に届いているのを知る。そして結婚式の前日、怪文書の主とされる「三本指の男」が一柳邸へと現れる。結婚式は無事滞りなく行われたが、その翌早朝、新郎新婦が密室と化した離れで無残な姿となって発見される。 |