『国際秘密警察・火薬の樽』(1964年/東宝)
監督:坪島孝。
ゼーター線遠隔操縦装置の研究をしている竜野博士が何者かによって、ゼーター線遠隔操縦装置の設計図とともに誘拐される。捜査にあたる国際秘密警察の北見と警視庁の柳生警部は、誘拐犯は狂信的思想で世界制覇を企む世界統一同盟であることを突き止める。そして竜野博士の研究するゼーター線とは地球上どこにあろうと、それを発信することにより、あらゆる装置のスイッチを入れられるというものであった。つまり、その装置を使えば各国が保有する原水爆のスイッチすら思うままに操れるというものである。しかし彼らが奪った設計図には肝心なゼーター線発信部分が欠けていたため、彼らは博士の娘まで誘拐してしまう。 |
『原子力戦争 Lost Love』(1978年/ATG) 監督:黒木和雄。
東北のある港町。海岸に男女の心中死体があがる。男は原子力発電所の技師、女は漁業組合の組合長の妹だった。新聞記者の野上はこの心中事件を追うが、彼の記事はもみ消されてしまう。そんなとき東京から一人の女を捜しに坂田という男が現れる。彼は女の実家を探し当て訪ねるが彼女はもう東京に帰ったと追い返されてしまう。納得のいかない坂田に野上が近づく、そして彼女が心中事件で死んだことを伝える。彼女が心中などする訳がないと本当の理由を探そうとするうちに表には公表されていない原子力発電所内での事故にたどり着くが・・・ |
『東京原発』(2002年/日活)
監督:山川元。
ある日、都庁の局長クラスの幹部職員が緊急会議ということで東京都知事から召集される。そしてその会議室で都知事の天馬は「東京に原発を誘致する」と切り出した。突然飛び出した都知事の爆弾宣言に呆然とする局長たち。都の財政難を救う手立てとして原発の誘致は有効であると原発誘致に伴なうプラス面を説明する知事。そんな中慎重論を唱える副知事の津田は密かに物理学の権威である東大の教授を呼び原発の危険性についての説明を求める。その頃お台場では政府が極秘裏にフランスから運ばれてきたプルトニウム燃料を一般道路で福井県の原発まで運ぼうとしていたが、東京の地理に不慣れな運転手が道に迷ったことで爆弾マニアの少年にカージャックされてしまう。 2004年6月27日(動物園前シネフェスタ) |
『座頭市物語』(1962年/大映) 監督:三隅研次。
盲目だが居合い抜きの達人でもある座頭市は、飯岡の助五郎の元に草鞋を脱ぐ。ちょうど新興勢力である笹川一家を叩き潰そうと機会を狙っていた助五郎は、笹川一家には腕のたつ食客平手造酒がいるために手出しできずにいたため、市を助っ人とするため彼を客分扱いで厚遇する。ある日釣りに出かけた市は、そこで平手造酒と知り合う。盲目の市と肺を病む平手造酒、互いに興味を持った二人は親交をあたため、二人の間に友情が芽生えるが、平手造酒が血を吐いて倒れてしまう。それを知った助五郎は、早速出入りの支度にかかる。はなっから助成などする気のなかった市は、助五郎の元を辞し、病に伏した平手造酒の元へ向かうが・・・ |
『地獄』(1960年/新東宝)
監督:中川信夫。
仏教大学の学生清水は、恩師矢島教授の娘幸子と婚約をしたところだった。ところがその婚約の日、矢島宅からの帰り道清水の乗った学友田村の車が酔っ払いをひき殺してしまう。車を止めて引き返そうと訴える清水に田村は、酔っ払って飛び出したのはあいつだし、目撃者は誰もいないと平然と車を走らせる。良心の呵責に苛まれる清水だが、君は僕を売る気なのかと田村に脅され、苦悩する。やがて罪の意識に耐えかね幸子とともに自首して出ようとしたが、彼女と共に乗り込んだタクシーが事故を起こし、幸子は死亡してしまう。ますます苦悩する清水・・・。その後次々と彼のまわりで事件、事故が起こり、やがて清水は賽の河原に佇む・・・。 |
『女奴隷船』(1960年/新東宝) 監督:小野田嘉幹。
第二次世界大戦末期。ドイツ軍から高性能レーダーの設計図が南方の前線に届く。この戦況を打破するためには一刻も早くこの設計図を大本営に届けなければならない。早速この秘密命令を受けて須川中尉が飛び立つが、敵機の攻撃に会い南シナ海で墜落してしまう。一命を取り留めた須川が目を覚ました場所は、上海へ向かう貨物船。それは日本の女たちを上海に売り飛ばす「お唐さん船」と呼ばれている人身売買一味の船だった。なんとしても日本へ帰らなければならないと焦る須川だが、なす術もない。そんなときその「お唐さん船」は海賊船に襲われ、女たちと共に須川も捕らえられ、海賊たちの本拠である小島に監禁されてしまう。 |
『少女妻 恐るべき十六才』(1960年/新東宝)
監督:渡辺祐介。
ヤクザの監視のもと、売春をする少女たち。彼女たちの稼いだ金のほとんどは組織のボスのもとへ行き、彼女たちは組織を抜けることさえも出来なかった。そんな中こっそりとお金を抜いたり、自らが相手をした男の会社へ強請りにいったりして密かにお金を貯めていたユキは、強請りに行った先で偶然、組織にいながら誰のひもにもなっていない五郎と出会う。実は五郎もユキと同じようにボスに内緒で強請りなどでお金を抜いていたのだった。意気投合した二人はやがて愛しあうようになるが、組織はそれを許さなかった。彼らの姿に過去の自分を重ね合わせた街の娼婦銀子は、今では堅気となったかつて愛したやくざ黒木の元に二人を逃がしてやるが・・・。 |
『子連れ狼 三途の川の乳母車』(1972年/東宝) 監督:三隅研次。
柳生一族から命を狙われながら、刺客として一子大五郎と共に流浪の旅を続ける元公儀介錯人拝一刀。拝一刀殺害を企てる柳生の黒鍬小角は明石柳生の女指南役柳生鞘香に一刀殺害を依頼する。鞘香を首領とする別式女八人が一刀を襲うが、彼女らもまた一刀の敵ではなかった。しかしこの戦いで傷を負った一刀の隙に黒鍬小角率いる黒鍬衆は大五郎を人質にとるがそんな手は一刀に通じる訳もなく黒鍬衆もまた一刀の手により全滅させれてしまう。阿波藩から幕府に捕らえられた阿波藍の秘法を知る幕屋忠左衛門と彼の護送役弁・天・来の三兄弟を斬ることを依頼された一刀は大五郎と共に阿波へ渡る船に乗り込む。そしてその船には弁・天・来の三兄弟と一人残った柳生鞘香もまた一刀を討つためその船に乗り込んでいた。 |
『怪談』(1964年/東宝)
監督:小林正樹。
小泉八雲の『怪談』の中から黒髪、雪女、耳なし芳一、茶碗の中の4編をオムニバスで映画化した作品。 |
『女吸血鬼』(1959年/新東宝) 監督:中川信夫。
松井伊都子の母、美和子は20年前に失踪していた。その母が伊都子の誕生日のパーティー中突然戻ってきた。しかも20年前の容貌そのままに・・・。同じ夜都内のホテルの女性従業員が殺害される事件が起こる。犯人はそのホテルに宿泊していた竹中と名乗る不思議な男。そして翌日松村家に何者かから美術館から盗難にあった絵が送られてくる。その絵のモデルは美和子にそっくりで、作者は不明だが美術展の特選候補になってた絵だった。意識を取り戻した美和子は、この絵のモデルはまさしく美和子で、彼女は20年前今回のホテルの事件の犯人竹中に誘拐されたのだった。竹中は天草四郎の遺児勝姫に使える家臣だったが、城陥落の際、勝姫に焦がれる余り死した勝姫の血を吸ったために不老不死となってしまったのだった。そしてその末裔である美和子を我が物にしようと誘拐したが、竹中が恐れる月夜の晩やっとの思いで逃げ出してきたと語る。 |
『東海道四谷怪談』(1959年/新東宝) 監督:中川信夫。
備前岡山。四谷左門から彼の娘お岩との縁組を一方的に破談にされたことを抗議する浪人民谷伊右衛門だが、左門のあまりの罵倒に耐えかね左門と一緒にいた左門の友人佐藤彦兵衛を手にかけてしまう。そこに居合わせた仲間の直助は二人を殺したのは別の者ということにするかわりに思いを寄せるお岩の妹お袖を我が物にするためお袖の婚約者で彦兵衛の息子与茂七殺しへの協力を伊右衛門に詰め寄る。そして仇討ちの旅の途中で与茂七を滝つぼに突き落とす。江戸に落ち着いたお岩と伊右衛門は所帯を持ち子供も出来たが、体の弱ったお岩から仇討ちの話を出される度にいたたまれない日々を送る伊右衛門。そんなある日無頼の徒から伊藤喜兵衛親娘を救ったことでその娘お梅は伊右衛門に心を寄せる。それを知った直助はお梅と一緒になれば仕官も叶うと伊右衛門をそそのかし、邪魔になるお岩殺害を承知させる。 |
『悪魔の手毬唄』(1961年/東映) 監督:渡辺邦男。
流行歌手の和泉須麿子が鬼首町鬼塚村への帰郷の途中何者かに惨殺される。遺体に置かれたラジオからは彼女が歌う「鬼首村手毬唄」が流れていた。和泉須磨子、本名は仁礼須磨子。彼女は鬼塚村一番の富豪仁礼家の長女だった。半年前、仁礼家には妙な脅迫状が届いていた。次は自分の番かもしれないと怯える長男の源一郎と次女の里子は警察に届けるべきだと父剛造を説伏せるがなぜか彼は耳を貸そうともしない。そればかりかなぜか「鬼首村手毬唄」に怯える。須麿子からその脅迫状のことで依頼を受けていた金田一は須磨子殺害を聞き事件解明に乗り出すが・・・。 |
『誰も知らない』(2004年/シネカノン) 監督:是枝裕和。
母と4人の子供たちが新しいアパートへと引っ越してきた。ところが母子家庭で4人も子供がいると前の家を追い出された母けい子は大家に長男明と二人だけだと嘘をついていた。そこでこの家のルールは買い物で外に出るのは明だけ、他の子たちは「大きな声で騒がない」「ベランダや外に出ない」洗濯係りの長女京子だけが人目を確認してからベランダに出てもいい。というものだった。そう彼らは学校にも通ったことがなかった。それでも彼らなりに幸せな日々を過ごしていた。そんなある日しばらく留守にするからと現金を置いて母が家を出て行った。母が帰ってくることを信じて子供たち4人だけの生活が始まる。 2004年8月23日(動物園前シネフェスタ) |
『私は貝になりたい』(1959年/東宝) 監督:橋本忍。
第2次世界大戦が激化し、高知で理髪店を営む清水豊松の元にも赤紙が届く。愚直な豊松はいつも上官に叱責されつらい軍隊生活を送ることになる。そんなある日B29の搭乗員が撃墜されパラシュートで大北山山中に降下した。「搭乗員を逮捕し、適当に処分せよ」との命令が豊松の属する部隊に下され、虫の息の状態で発見された米兵二人は立木に括られ処刑されることとなる。そして銃剣で彼らを処刑するように任命されたのは、いつも精神がなっとらんと叱責されていた豊松と滝田だった。やがて戦争は終わり家族と共に平和な生活に戻った豊松だったが、それもつかの間大北山事件の戦犯として逮捕されてしまう。彼に下った判決は絞首刑だった。 |
『千の風になって』(2004年/シネカノン) 監督:金秀吉。
雑誌記者の紀子は演劇に情熱を燃やす夫と互いの仕事を尊重した生活を送っていた。しかし紀子が企画した仕事はことごとくボツにされ、妊娠がわかっても夫は子供はいらないと言い切る。そんなとき新潟のラジオ局で好評になっている企画「天国への手紙」の取材を上司から命令され、気乗りのしないまま手紙の差出人を訪ねる取材をはじめる・・・。小児ガンで長男を失った葉子。高校生時代にいじめがきっかけで登校拒否となり母親への暴力にはしった和美。そして長年連れ添い、病に倒れた夫を最後までそばで看取った徳江。気乗りのしなかった取材により紀子の心の中が変わっていく・・・。
A THOUSAND WINDS
Do not stand at my grave and weep, I am not there, I do not sleep. 2004年9月20日(動物園前シネフェスタ) |
『スウィングガールズ』(2004年/東宝) 監督:矢口史靖。
野球部の応援に欠かせない吹奏楽部がお弁当にあたって一人を除き全員入院という緊急事態発生。一人残った拓雄は急遽メンバーを募集するが、やってきたのはロッカーなギターとベースにリコーダー。さすがに4人ではどうにもならないと教室の外を見ると、吹奏楽部があたったお弁当を運んだ張本人である補習組。拓雄に詰め寄られ、弁当運んだ責任と補修がさぼれるという口実のもと参加する補習組13人。計16人の少女たちと一人の少年のビッグバンドの猛特訓がはじまる。ところが演奏の楽しさがわかってきた矢先、吹奏楽部が復活。音楽室から放り出された彼女たちだが、一度知った「スウィング」の楽しさに今度は自分たちの楽器を手にする。 2004年9月20日(動物園前シネフェスタ) |
『迷走地図』(1983年/松竹) 監督:野村芳太郎。
政権を握る改憲党の第二派閥である寺西は現首相桂の後を受けて、秋には首相の座に就くであろうと目論まれていた。前首相の入江が急死し、現首相の桂は引き続き政権を担当する意思を見せ、秋の総裁選へ向けて俄かに動きが活発化する。第三派閥である板倉派抱き込みのための工作資金の調達、裏工作、激化する政権争いに寺西の第一秘書外浦、寺西を支援する財界の世話役和久、和久の愛人里子、寺西の妻、それぞれの思い、かけ引きが交錯し、迷走する。 |
『女がいちばん似合う職業』(1990年/アルゴプロジェクト) 監督:黒沢直輔。
いつも強引な捜査で、今までに書かされた始末書の数も数え切れないという女刑事きぬ。同僚の木戸と束田とともにいくつもの事件を担当させられ、休む間もなく働かされていた。そんな中ビルのエレベーターで妊婦の惨殺死体が発見される。被害者はこれで二人目となっていた。目撃者の証言から吾郎という一人の若者が容疑者として浮かぶ。高級なマンションに住み、誰とも関わりを持たずただ漠然と日々を過ごす吾郎。吾郎を張り込み続けるうちに殺風景な部屋でただ座り続ける彼に興味を示したきぬはいつしか彼に近づき過ぎていた・・・。 |
『オーバードライヴ』(2004年/東京テアトル) 監督:筒井武文。
人気ユニット“ゼロデシベル”のギタリストの弦は、実はヴォーカルの美潮と付き合っていた。ところが二人の仲がうまくいかなくなったことで、いきなり新曲構想の記者会見の席上、「もうギターの音は使いません!」と美潮に宣言されてしまう。あまりの仕打ちに自棄酒を飲み酔っ払った弦が偶然に乗り込んだタクシーの運転手は、なんと津軽三味線の後継者候補を探し出してはタクシーで拉致するというとんでもないジイさんだった。弦が連れてこられたのは青森の人里離れた妙な屋敷。いきなり強いられる地獄の特訓。もうやめだ!と帰ろうとしたところに現れたのはジイさんの孫娘晶。彼女のかわいさに一目惚れしてしまった弦は前言撤回。津軽三味線の修行に勤しむようになるが・・・。 2004年11月1日(テアトル梅田) |
『ジョゼと虎と魚たち』(2004年/シネカノン) 監督:犬童一心。
大学生の恒夫がアルバイトをする麻雀屋で、明け方乳母車を押す不思議な老婆が麻薬の運び人ではないかとかの噂になっていた。そんなある日、恒夫の目の前の坂を猛スピードで下ってくる乳母車。坂の上ではその噂の老婆が「その子が大丈夫か見たって」と叫んでいた。恐る恐る乳母車を覗き込む恒夫に振りかざされた包丁。なんとその乳母車には脚の不自由な老婆の孫娘くみ子が乗っていたのだった。話を聞くとどうやら麻雀屋の客の一人が乳母車に金があると思い込み老婆とくみ子を襲ったらしい。助けてくれたお礼にと朝食をご馳走になった恒夫は、フランソワーズ・サガンの小説の主人公の名前“ジョゼ”を名乗るくみ子の食事のおいしさに惹かれ、何度となくジョゼの家を訪れるようになる恒夫は次第にジョゼ自身に惹かれていく。 |