車の運転上の注意                                          岡森利幸   2011/6/1

                                                                  R1-2011/6/26

車は私にとって危険な乗り物である。我が車は私の気に入っているものではあるけれど、車で行くと便利だから、必要に迫られて乗るのであって、楽しんで乗っているものではない。車を運転していると、常に細かいところに気を使ったり(例えば、エンジンの調子やガソリンの残り量、タイヤの空気圧)、マナーの悪い他車にいらついたりもしなければならない。車は1トン近くの重さで、あるいはそれを上回る重さで街中を猛スピードで走り回っている鉄の物体だから、衝突したり、それにはねられたりしたら、たいへんなことになる。救急車で病院へ搬送されるか、あるいは最悪、霊柩車で葬儀場に搬送されることもあるわけだ。車の中にいる限り、近年拡充された安全装備のおかげで、軽症ですむかもしれないが……。

そこで安全な走り方について、車を運転する者として自戒を兼ねて書いてみたい。

@ブレーキは早めに

とっさのときにすばやくブレーキペダルを踏むことが事故を避ける秘訣の一つである。事故にあったとしても、最小限のことですむだろう。当たり前のことかもしれない。そのためには、私は左足でペダルを踏むことを推奨したい。自動車の教則としては、右足でブレーキペダルを踏むことになっているが、それでは一瞬、遅れる。左足でバンッとペダルを踏む方が断然早い(と確信している)。ペダルの位置にしても、ブレーキペダルはちょうど左足の前方にあるのだ。

右足でブレーキペダルを踏むという一般の操作方法は、かつてのマニュアル・トランスミッション車を操作する伝統が引きずっているからだろうが、今の車はほとんどオートマチック・トランスミッション車であるので、そんな伝統は忘れていいのだ。右足=アクセル、左足=ブレーキとする図式が単純であり、操作の誤りも防げる。左足ならば、すばやくブレーキペダルを踏めるという利点だけでなく、「ペダルの踏み間違い」も避けられる利点がある。

ブレーキペダルを踏んだつもりで、アクセルペダルを踏んでしまって起きる事故がときどきメディアで報道されている。それは事故の大きな要因なのだ。そんな人は車を止める操作をしたつもりなのに、車が加速するのだから、たいへんなことだ。その思いに反して車が動き出したのに気づいて、あわててブレーキを強く踏む(実はアクセルを踏んでいる)が、なんと、ますます加速していく……。車を暴走させ、操作を誤ったと気づく暇もなく、ついには壁や塀に激突させてしまうのだ。中には、自分の誤りを棚に上げて、車のせいにしたりする人もいそうだが……。

私は、足元にある二つのペダルを右足一つで操作することに無理があると思う。オートマチック車で、左足をまったく使わずに遊ばせているのは、もったいないことだし、右足にだけ操作を行わせるのはその負担が偏ってしまっている。我々は、どのペダルかほとんど確認もしないで、「(あし)(さぐ)り」でペダルを踏んでいるのだから、つい間違えたりする。左足でブレーキを踏んでいれば、そんな誤操作は起きにくいはずだ。

 

A交差点での右折・左折では歩行者に注意しよう

その交差点での信号システムが歩車分離式ならば問題ないが、現状の多くの交差点は、そうなっていない。つまり、青信号で車が交差点に入り、右折・左折しようとするとき、その先で横断歩道を横切ることになるが、その横断歩道を歩いて渡っている歩行者に気づくことがある。その歩行者も青信号だから渡っているのだ。そんな歩行者を見落として、車を加速し、目的の方向へ進もうとすると、とんでもないことになる。じつは私には、ひやりとした経験が数度ある。目の前に歩行者がいるの見て、あわててブレーキを踏んだことがあった。今でもそのシーンを思い出すと、ぞっとする。いきなり人が横から出て、車の前を横切ろうとしたかのようだった。歩行者の方がそれ以上に驚いたことは間違いない。ブレーキをとっさに踏んでよかった、と胸をなでおろしている。

そんな交差点で右折・左折するときは、歩行者が横断することを常に想定していなければならず、特に右折では、直進して来る対向車に気を取られがちで、横を通る歩行者には注意がおろそかになったりするわけだから、対向車が行き過ぎたすきをついて車を加速して横断歩道を走り抜けようとするのは危険が伴う。横断歩道の手前では徐行し、歩行者の姿を見つけたら、いつでも止められるようにすべきだろう。

 

 

一覧表にもどる  次の項目へいく

         GPSにここはどこかとたずねれば