長距離ミサイルの開発                                     岡森利幸   2004.12.12

 

2004年12月3日の新聞記事で、防衛庁が次期防衛力整備計画(次期防)に対地長距離ミサイル(対地精密誘導弾)研究を盛り込む方針を決めたことを知って驚いた。対地長距離ミサイルとは大量破壊兵器の一つであるから、とんでもなく危険なものを考えていたことになる。領土に侵攻してきた敵を撃破するための地上配備型で、射程は200〜300キロを想定しているというが、射程を延長することは比較的容易な技術である。つまり、それは他国に打ち込むことの潜在能力をもつものと考えるべきである。それを配備したと仮定すると、周辺諸国がこれを脅威に感じないはずがない。これでは他国のミサイル開発をとやかく言えなくなってしまうし、国際的なミサイル開発競争をあおってしまうことになるだろう。

 結局その方針は、公明党が「専守防衛政策を逸脱する恐れがある」と反対し、次期防に含まれないことになったが、政府首脳や与党の自民党がこれを容認していたことは問題だ。もっと事前に検討するなり審議するなりしなければ、こういったことを見逃してしまうだろう。防衛庁が逸脱しないように与野党含めて国会でよく審議してほしい。

 

 

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         北朝鮮ミサイル試射の対応