10月24日  40cmオーバーの尾長!     が・・・



雨上がりの、空を見ていた。  そしたらもっと強〜く、降〜り出〜した〜・・・


10月24日(日)、本日は、中村君と、中村君の弟子のGO田君こと江田君の3人での、響灘の釣魚島と
呼ばれている(嘘です。呼ばれてません。)、魚影の濃い蓋井島へと釣行。
前日土曜日の段階で、日曜日の天気予報は大雨大風。 ぶっちゃけ、思いっきり行きたくないシチュエーション
ですが、何故か中村氏はやる気満々だし、本日がクロ釣り初挑戦の江田君もぼちぼちやる気。

そんな中、山陽小野田という都会でおぼっちゃま育ち、箱入り息子で苦境に打たれ弱い私は、只々、行きたくない
オーラを出しながら、天気の回復を祈るばかり。    結局は、それも叶いませんでしたが。

そんでもって、蓋井島に行くときには大概1便である私も、今日は2便の9時便。
実は私、先日嫁との間でそれは大きなバトルボーナスが勃発してしまい、嫁は実家に帰ってしまいました。
なので本日は早く家に帰る必要がないので、9時便にて出港です。我が家に6時半に集合して、いざ吉見漁港へ。
雨は大雨、風も思いっきり横殴りです。  あ〜、行きたくない・・・


ちなみに、どんな感じのバトルボーナスだったのかと言うと、尖閣諸島周辺で警戒にあたっていた海上保安庁の
巡視船である私に向かって、飲酒運転でいきなり体当たりを仕掛けて来たどこかの国の船長のような無茶苦茶な
絡み方です。それが、予想以上に大きな国際問題に発展し、レアアース(お小遣い)の輸出停止や、首脳会談
(夫婦間での話し合い)のいきなりのドタキャンなど、悪いのは我が国(私)か?ってな感じの一方的な・・・


私、世界史の中でも中国史は特に好きでしたし、中国という国も大好きです。 
第2外国語は中国語でしたし、その課程の中で、中国に語学研修にも行きました。中華料理は最高でしたし、
接して下さった方もみんな良い方ばかりでした。

いやね、戦時中の旧日本軍がどのような事をしてきたか。 それは、私達も重々承知です。
当時の日本がそのような教育をしていたとはいえ、同じ日本人として目を覆いたくなるような事実も確かに
ありました。 それに関しては、私が謝るのもなんですが、申し訳ないと思います。
ただ、その頃とはもう時代が違うと言うか・・・。 抗議デモを起こされてる方も一部の方だとは思うのですが、
やっぱり見ていてあまりいい気はしませんし、なんとか平穏に収まらないかなぁと。

私、あのー、ほんとに平和主義者なんです。 動物に例えるならば鳩(平和の象徴ってことね!)ですし、国に例える
ならばスイスのような男なんです。そりゃー人間同士、意見がかみ合わない時もたまにはあるでしょう。しかし、
人間同士が争ったって良い事なんかはひとつも無いと思いません? 

私、巨万の富を得たいとか、社会的地位や名誉が欲しいとかは一切思いません。私がただ一つ私が望むことは、
世界中の人々が手を取り合って助け合いながら共存していく、平和な未来なんです。
かのジョン・レノンも言っていましたが、「イマジン オール ザ ピープル」 ってやつです。 想像してみてください。
世界中の人々が、人種や国境という名の垣根を越えて一つになる。  考えただけでワクワクしませんか?
最高にハッピーだとは思いませんか?


ってことで、一刻も早いレアアース(お小遣い)の輸出再開を・・・


あのー、もう良いです。お酒は、あなた様の方が強いってことで良いことにします。いつも甘いジュースみたいな
酎ハイや、カクテルばかり飲んでる分際でってバカにしてすいませんでした。焼酎は麦に限るとか言っときながら、
ビールと焼酎を分けて飲むのが面倒臭いからと、焼酎をビールで割って飲んでる私の方がよっぽど酒の飲み方を
わかってませんし、私はお酒が弱いです。それで結構です。 もうそれで良しとします。      
ですのであの、レアアース・・・


さて、話は少し逸れましたが、蓋井島9時便の出港時刻の1時間前には、早々に出港地である、下関市は
吉見漁港に到着。 そりゃーもう、雨は強いわ風は強いわで、車を降りる前から既に、早くも帰りたいモード
全開の私。

そんな中、先鋒の江田君が、海に無かって小便、おっと、言葉がお下品になってしまいました。
お小水を垂れ流すために外に出て、用を足して車に戻ってきました。

江田君「ヤバイっす。小便が霧となって風に煽られるどころか、体ごと海に吹っ飛ばされそうになりました。」

ふむ。そうであろうそうであろう。この雨と風だからな。仕方なかろう。 君も家に帰りたかろう。 

次に、2番手である私がお小水を垂れ流しに行ってみる。
案の定、お小水は霧となって宙を舞い、遙か彼方へ吹っ飛ばされる。それどころか江田君の言う通り、
体ごと海に持っていかれそうになる。

うん。やっぱりこいつは帰った方がいい。今ならまだ、船長に天気が悪いのでごめんなさいと言えば、全然
帰れる。 こんな罰ゲームのような天候の中、敢えて釣りをしなくても済む。

最後、大将である中村君が、「こいつはヤバいですね。蓋井島に着いたらもっと風が吹いてるでしょうね・・・」と
いう言葉を残しお小水へ向かう。

彼の口からの弱気な発言。こいつはこのまま帰れるかも。「セーフセーフ」とか思いながら彼が戻るのを期待に
胸膨らませながら待ってると・・・

「まぁ、風も雨も強いですけど、この南東向きの風なら大丈夫でしょ。雨も、降ってるのを気のせいだと思えば
全然問題ないですよ。」

ふむ。  問題・・・、無いか?これが。私には大問題だと思うのだが。とても気のせいだとは思えない雨と風だと
思うのだが・・・

しかしあれだ。中村氏にしてもカクちゃんにしても、君達はどうしてこんな悪条件の中でも釣りに行けるんだろう。
このままUターンすれば、どっかのパチ屋の開店にはまだ間に合うぞ?
パチ屋には雨も降ってないし風も吹いてない。海が好きなら海物語もあるぞ? 魚群が見れるぞ?当たらんけど。
今日はそっちの海に行った方が正解じゃないか?

とか言ったところで、そんな理論は彼らには通じないってのはわかってるので、仕方なく半べそ状態で船に荷物を
積む。   君らはあれだ。 釣りバカじゃねぇ。 バカを通り越して、釣りキチ○イだよ。  まったく。

一昨年の9月に、野島への釣りを強行して大雨の中で釣りした時、寒かったなぁ。

いや、でもここは気持ちを切り替えて、折角行くんだったら楽しい釣りを・・・。

でもあの時はパンツまでびちゃびちゃになって、フルチンになってやろうかとも思ったよなぁ・・・。
あ〜あ、やっぱ行きたくねーなー。      色んな思いを交錯させながらも、船は蓋井島へ到着。

本日は威勢にあげてもらえるようで、船長曰く朝の4時便では、風が強く誰も上がらなかったようで、いきなりの
威勢スタートをさせてもらえるらしい。

船長の、ちょっと風が強くて釣り辛いかもしれないけどいい?との問いに、とりあえずは二つ返事でOKし、
本日は、蓋井島は威勢での釣り決定。 ただ、蓋井島へのもう一隻の渡船、春日丸との間で行われている
磯割りで、本日は威勢の狭い方。

春日丸は4時便で広い方へと釣り人を4人ほど上げているようであるが、皆さん正面向きでは風が強くて釣りに
なっていないようで、風裏へと行かれている。 表向きは仕掛け流し放題。
早速、大雨大風の中で仕掛けを作り、釣り開始。
ここはあまり遠投する必要もなく、棚もそんなに深く入れなくても良いようなので、円錐浮子による全遊動で
釣りを開始する。


で、本日の仕掛け。

竿    シマノ ファイアブラッドダイブマスター 
リール シマノ テクニウムMgc3000D
道糸  シマノ ハイパーデュラハイスピードミュー 2号
ハリス サンライン トルネード1,5号、1,7号
針    がまかつ あわせちゃだメジナ6号  クロマルチ5号、6号  鬼掛 沈め探りグレ 4号、5号
浮子  キザクラ   黒魂(管付に改造して、浮力は0シブと00位)
    

足下に撒き餌を入れて、竿一本ちょっと先に仕掛けを入れ、海に向かって左に流れる潮の中を釣ること
数投目。小気味よいアタリとともに口太30cm。 中村君も同じような感じで釣れている。

通常は春日丸のお客さんのエリアである境界線のワレの向こう側、本日は表向きに人が入ってないので、
遠慮無く仕掛けが流せるので、風と雨は強いが釣り自体は比較的やりやすい。

そして11時を過ぎた位からだったろうか。一投一尾の入れ食い状態が訪れる。型も揃っているのでかなり
面白い。江田君はまだ釣っていなかったみたいなので、すぐに釣り座に呼び、沸きに沸いているクロを釣らせて
あげようと試みる。 も、中村君が見るには、江田君の仕掛けではどうも棚まで仕掛けが入っていないようで、
私の竿を持たせて念願の初クロを!

同じように竿一本先に仕掛けを入れ、撒き餌は足下。仕掛けが左方向に流れていき、そろそろ来るよ!と
伝えた瞬間、竿先がコツコツ。

「来たよ!合わせて!」と言うと同時に合わせを入れる江田君。竿はそれなりに曲がっている。 が、どうも
魚が走らない。それなりに引いてはいるようであるが、クロではなさそう。   正体は大きなウマヅラ。

速攻でライブウェルに放り込み、すかさず次。
しかし、それ以降、その釣り方ではクロは釣れなくなってしまった。
それどころか、それからはどんな釣り方をしてもクロが釣れなくなった。加えて、春日丸の4時便回収の午後1時に、
瀬代わりで威勢に入ってこられた方々が、表向きに釣り開始。
さっきまでのように、境界線を越えて仕掛けが流せなくなった。更には右から吹いてくる強風と左流れの潮で、
仕掛けはあっという間に境界線。この時に観音回りでぐるぐる回ってればもうちょっと釣れてたかもしれない
んだけど、それからは、我々にクロのアタリは一切なし。

深〜く入れてみたり、ちょい投げをやってみたり(遠投は強風の関係で無理)。でも全然ダメ。
ほんとに、さっきまでの入れ食いが嘘のようにパッタリと釣れなくなる。

考えてみれば、中村君との蓋井島は今日が初めてだが、当然彼は過去に何度も蓋井島へ足を運んでおり、
この釣り座での釣り方も熟知。 その彼にも釣れないんだから、私ごときに釣れるはずはないですわな。

午後からの向こうの春日丸のお客さんも、数枚釣られた程度で、釣果はあまり芳しくないご様子。
餌盗りすらほとんどおらず、結構な頻度でオキアミは残って帰ってくる。

気付けば時刻は既に午後4時。 クロの気配、一切なし。 むなしい時間だけが過ぎていく。

ただ、私の周りの、私よりも釣りが上手い人達みんなが口を揃えて言うことは、そんな時間帯でも絶対に
撒き餌を途切らせてはいけないということ。辛抱の時間帯でも、喰う時間帯に向けて、常に撒き餌は入れて
おかなければ、いざ時合が訪れてから慌てて撒き餌を入れても、間に合わないってことで、最近は、それを
意識してなるべく杓から手を離さずに、足下にパラパラと常に撒き餌を入れるように心がけている。
まぁ、実際は結構忘れてるんだけどね。頭ではわかっちゃいるんですけど、実行するとなると難しいんですわな。
これが。  これからの課題でござる。  ニンニン。

で、これまでの私なら、丁度この辺で集中力が途切れて、惰性釣法を炸裂させている頃合いであり、現に江田君は
あまりにも悪天候の中で魚が釣れないこんな状況に心が折れて、早くも道具をしまい始めた。
でも大丈夫だ江田君。私もつい最近まではそうだった。ってか、朝の段階では私の方が心が折れていた。 
大丈夫。私如きなんか、すぐにすっ飛ばして、きっと君は釣りが上手くなるはずだ。

で、いつもなら真っ先に心が折れ、結局今日も釣れなかった・・・。となるはずの私なのだが、先日私は、
「かなりのへっぽこ釣り師」から、「やや中堅のへっぽこ釣り師」へと生まれ変わった。この状況でも、最後の
夕マヅメの時間帯に希望を託し、1,5号だったハリスを1,7号に上げ、竿一本強取ります。
このハリス交換も、これまでの私だったら一気に2号に上げていたでしょうが、これは、細ハリスを切られるにしても
何にしても、まずは魚を掛けなきゃ始まらんからね!と前にカクちゃんが言ってたのを思い出したからです。

更に針も沈め探りグレの4号から、半スレのクロマルチ6号へと交換しました。更にカクちゃん氏は、
尾長狙う時には、なるべく仕掛けに余分な物は付けない方が良いと言っていたので、長く取ったハリスの
2ヒロ半の所にカラマン棒だけをつけて、完全フカセ状態で最後の戦いへ。 何故か、今日の私はまだまだ諦めては
いません。 そして、そんな私が取り出した浮子は、黒魂トランプの0シブに菅を付けて00に浮力を改造した、
最後の秘密兵器。  その名も、「黒魂フェニックス」

そして、先程夕マヅメの時間帯に希望を託しと書きましたが、希望と言えばもちろん、スペイン語で「エスペランサ」
であります。  私がこのフェニックスを使い、希望を見い出す釣法と言えばもうおわかりでしょう。

徳山でも登場しましたが、その名も、「エスペランサ釣法」(単純に全遊動とも言うが、そこは敢えて気付かない振りを
して欲しい)であります。

ちなみにフェニックスの1号と2号は先日徳山湾に沈んでしまいましたが、フェニックスの意味は日本語で不死鳥。
不死鳥は何度でも蘇るのです。 今日は、フェニックス3号です。

で、数日前にカクちゃんが言ってた通り、撒き餌はパラパラと。
思いっきり浮子に被せても、ツケ餌は丸々残って帰ってくるので全然問題なし。

完全フカセで仕掛けを入れ、時折誘いをかけてやる。
手返しよく、何度も同じ事を繰り返す。

先程まで吹いていた強風は大分治まり、釣りにはほとんど影響ありません。
そして何故でしょう。 ふと気付くと、辺りがとても静かになっていました。

1.5m後2mの本日の波予想。  波は大分高くなり、磯際に容赦なく打ち付けてきているのですが、全く気に
なりません。

静か。とにかく静か。  日々の喧騒や雑踏。 それら全てが今、無に帰りました。

視界には、海面を漂うフェニックスとカラマン棒だけ。そのカラマン棒が、仕掛けが馴染むと共に、浮子から
ジワーッと離れていき、それを追うように00号のフェニックスがゆっくりと後を追う形で海中をくまなく探索。

そして、5時15分、遂にその時は訪れました。  ラインが、ハンパない勢いでブッ飛びました。
スプールに置いていたラインを押さえる指が、「バチバチバチーッ」と大きな音を立てて弾かれます。
たった今、周囲を包んでいた静寂が一気に切り裂かれました。
不死鳥が今、その翼を大きく広げ、力強く飛び立ちました。


尾長グレ・・・


その頭の良さと取り込みの難しさに、磯釣り師の誰もが憧れる幻の魚。
ハンパない瞬発力と脅威の引きを見せるこの魚に、一体どれだけの人がとり憑かれているのでしょうか。

反射的に合わせを入れた瞬間、満月のように孤を描くダイブマスター。
速攻でベールを戻し、レバーブレーキに手をやります。
針は飲まれていない?   また、1.7号のハリスでどこまで踏ん張れる?
色んな思いが交錯します。 
そんな私の思いもどこ吹く風。  敵は縦横無尽に走り回ります。

何秒?  何十秒?  何分?  何十分?
それはとてつもなく短くて、また、とてつもなく長い時間に思えました。

そしてようやく魚が浮きました。フィニッシュを決めるために慌ててタモを探す私。しかしここで痛恨のミステイク。
まさか自分でも尾長が釣れるとは思っていなかった私、タモは釣り座の遥か上に置きっぱなし。
「やべー」と一瞬思いましたが、そういえばさっきから後ろには、夕マヅメのゴールデンタイムを目前に、釣りを
放棄してしまった江田君がいるのを思い出しました。  慌てて江田君にタモを持って来てもらいます。

折角だからついでに掬ってとお願いして、彼の差し出すタモに魚を誘導するも、なかなか掬えない尾長。
「あひー・・・」   祈るような思いとは裏腹に、なかなか息が合わない私と江田君。
隣では、「バラせ! バラせ!」 と中村氏。  「え〜い、うるさい!」

これでバラしたら江田君のせいにしてしまいそうなんで、やっぱりちょっと貸してとタモを受け取る。

もうあの、一杯一杯でした。余裕など全くありませんでした。
そして、江田君からバトンタッチしたタモの柄を海面に入れた瞬間・・・

私の初の40cmオーバーの尾長が・・・

私の生涯初の40cmオーバーの尾長が・・・   

私が真っ直ぐ差し出すタモの中に、一気に飛び込んできました!(嬉々!)

私、嬉し恥ずかし、40cmオーバーの尾長、初ゲットです!

そして私は、懇親のガッツポーズと共に、気付かないうちに思わず叫んでました。


「チチチ、レレレ、ビバ尾長!」  

ちなみにこの掛け声、スペイン語に翻訳すると、とりあえずまぁ、「尾長万歳!」といった意味です。

針はがっちり口元のジゴクにフッキング! いやぁ、遂に尾長が釣れましたですわ。

初めて、40cmオーバーの尾長を釣ることで、とりあえずまた、私の釣りに一区切りがつきました。
しかし、私の旅はまだまだ終わりではありません。 

私の釣り人生の最終目標は、あくまでも波止の名人です。その最終目標に向かって、CO
風に言えば、
「大人の階段の〜ぼる〜」ってやつです。 いや違った。H
Oでした。
そして、朝のやる気の無さも、いつの間にかすっかりどこかに消えていました。  
会心の一尾。  いやぁ、来て良かった。  蓋井最高!

戦いが終わり、暗くなった周囲をヘッドライトで照らしながら思います。


「ヘッドライ〜ト、テ〜ルラ〜イト  旅は〜まだ終わら〜ない〜」




本日の撒き餌。
オキアミ2角にグレの舞1袋に
パン粉4キロ。
アドバンスグレも写真には写ってますが、
混ぜる直前になって、なんとなく入れるのを
やめました。めっちゃ安上がりです。
初めての尾長の40cmオ〜バ〜!

尾びれを思いっきり伸ばしたら42cm位
ありそうなんで、42cmということに
しておこう。 うんうん。
本日の釣果の一部