ホーム
  Shirakami  Rod     since 2002           
 ホーム      
 ロッドの性能(キャラクター)はテーパーをデザインしたときに90%決定してしまいます。残りの10%が火入れとか、中空とか、ワンアンドハーフとかで多少変わるかも知れませんが、大きく変わるものではありません。ブランク製作の精度が高ければ高いほど、イレギュラーがないため、デザインの失敗は正確に失敗作を生むことになります。
 テーパーデザインに決まりはないので自由なのですが、何か基準となるテーパーがないと修正ができません。いうまでもなく、テーパーはインチとかミリとかのデジタルの世界ですが、ロッドアクションは感覚の世界です。感覚をデジタルに変換することがロッドビルダーの仕事であると思います。この変換作業で重要になってくるのが釣りの経験だと考えます。良い釣り人でなければ良いロッドは作れないと信じて日々釣りに励んでいます。
「フライマンが作ったフライマンのためのロッド」とはそのことを意味しているわけでもあります。
 昔のビルダーは、この感覚とデジタルをマッチさせるために何本も試作品を作ったに違いありません。幸いなことに現在はギャリソンテーパー理論なるものが存在し、近似値ではありますが感覚を数値化できるようになりました。しかし、これを使っても最低3本以上は作らないと数値と感覚は一致しないとは思います。それでも、使わないよりは、はるかに効率よくテーパーデザインができます。「表」さんのソフトをネットで手に入れられるので本格的にロッドビルディングを始める人にはお勧めします。
 自分の基準テーパーを見つけてしまえば、それより硬い、柔らかい、等々の応用が自由にできます。より複雑なコンパウンドテーパーも簡単に設計できます。私も最初はギャリソンテーパーを参考にしていました。ギャリソンは基本的にストレートテーパーなので、変更が簡単なのですが、テーパーの比率を変えずにトップを強くするとバットが強くなりすぎるし、比率を緩くするとスローになるというという、今から思えば当たり前の不具合が現れて、ストレートテーパーの限界を知ったわけです。Shirakami Rodは基本的にコンパウンドテーパーで製作しています。テーパーデザインについては何ページあっても語り尽くせないところもあるし、各ビルダーの考え方、使用するケーンによっても変化しますので、具体的な数値については控えさせていただきますが、奥の深いことだけは確かです。奥が深いからこそ、無限の可能性も秘めているわけで、物作りの好きな人にはたまらない魅力でもあります。
 今後もテーパーに限らず、フライマンの目から見た様々な面での改良を進め、この古くて新しいバンブーという素材を生かしたロッドを作っていきたいと思っています。  

 画像はプレーンニングフォーム設定用のエクセルシートの一部で、いわゆる設計図です。対面幅を入力すると荒削り、仕上げ削りの値が出るよう簡単な計算式を組んであります。
 プレーンニングフォームは使用していると癖が出てきますのでその修正値も入れてあります。
 今まで製作したロッドを全てデータ化し、新しいテーパーデザインを設計する時の参考にしています。

前ページへ
次ページへ
マニアックなページ
ロッドはテーパーデザインで決まる