宮廷女官チャングムの誓い 今週の名言

第54話(最終話) 我が道

チャングムは王に手術を提案する。驚く一同。内医院でイクピルは、手術は不可能だと言う。チャングムはウサギの治療について話す。そして魚の麻酔を見せながら、この方法で倭人が魚を長期保存していると言う。さらに人を麻酔させるツボを見つけたという。驚くイクピルたち。王后はチャングムに手術の件を確かめる。「とんでもない」と言う王后。大臣たちは王に、チャングムが重罪を犯したと言う。そして医務官の診察を受けるように言う。退ける王だが、大臣たちはあくまでも医務官の診察を受けるように重ねて言う。王は、自分の体を知っているのはチャングムだと言う。大臣たちは退出するが、左議政はチャングムに「絶対に許さない」と捨て台詞を残す。薬を持って入るチャングム。王はだいぶ楽になったと言う。チャングムは、自分を信じてくれた王に感謝を述べる。そして王を必ず助けたいという。しかし王は、手術は受けられないと言う。病は病人が治すものだというチャングムだが、王は最後のときを覚悟していた。そして手術を懇願するチャングムに、王は黙って微笑むのであった。

王は内侍府の長官に、チャングムの治療を受ければもっと生きられるだろうと言う。しかし、大臣たちが騒ぎ、抗議の上訴文が殺到するという。 チャングムは王に灸をすえる。その後薬房に入ってきた内侍府の長官は、チャングムに王命を伝える。北門に行けというのだ。チャングムが北門に行くと、そこに内侍府の役人が待っていてチャングムを拉致する。船に乗せられるチャングム。抗議するチャングムだが、役人たちは何も答えない。
王は内侍府の長官から密命の報告を受ける。チャングムを逃したのだ。内医院では、左議政がチャングムが逃げ出したことを非難する。何か事情があると言うウンベク。左議政は、義禁府に通報し捕縛すると言う。
チャングムが畑にやってくる。そこで農作業をしている人物がいる。それはミン・ジョンホだった。チャングムに気づくチョンホ。そして抱き合う二人。内侍府の役人がチョンホに王命を伝える。チャングムと一緒に明国に行けという命令だった。そして王からのチャングムへの感謝と謝罪が記されていた。しかし、チャングムは明国に行けないと言う。自分は王の主治医だと言うのだ。王命だという役人。チャングムは村で王の死を知る。しかしチャングムへの追っ手が迫っていた。役人はチョンホに王命を実行するように言う。
そして8年が経った。チョンホとチャングムに娘のソホンがいる。チャングムは部屋で娘を叱る。手伝いと勉強をさぼり、禁止されている水辺で遊び、役人と親しくしたと言うのだ。そこにチョンホが入ってきて、娘を助け出す。ソホンは、逃げて暮らすのは、チャングムが誰でも治療するからだという。チョンホは、口を滑らして両親が死んでしまったからだと理由を話す。
村人がチャングムに、陣痛が始まった患者の急を知らせる。そのあとソホンが、チャングムを役人に引き渡すと騒ぎになっているとチョンホに伝えに来る。慌てて荷造りする二人。チャングムは、妊婦の帝王切開をすると言うが、村人が反対している。役人に引き渡されそうなところを、既のところで逃げ出す。その頃チャングムを探しに来ていたカン・ドックが、チャングムたちの姿を見かけていた。
トックは帰ってきて、チャンドクたちにチャングムを見かけたと報告する。しかも娘がいたという。ヨンセンたちもシンビからチャングムたちの消息を聞く。後日、王后(現在は王太后)を訪ねたヨンセンは突然、チャングムとチョンホの身分を戻すように頼む。王后は、明国にいるから無理だと言うが、国内ににいると打ち明けるミン尚宮たち。
往診に行くチャングムに付いていくソホン。そして、患者に食事を作って出ていくチャングムたち。帰ってきたチャングムたちの前に兵が現れる。そこにチョンホの昔の部下がやってくる。王后が宮中に来るように命じたのだった。宮中に戻ってきたチャングムとチョンホたちを温かく迎える一同。王后は早く知らせればよかったと言うが、チャングムは王を治療できなかった責任があると答える。王后は、全力を尽くしたと言う。そして、前の王が早世したので、チャングムたちの身分の回復を宣言する。
王后は、当時の王子をチャングムが治療したから今の王がいるのだと言う。右議政はチョンホに、昔のことは忘れろと言う。チャングムはヨンセンに、やりたいことができて幸せだったと言う。内医院に戻ったチャングムを、医務官たちが迎える。医女たちは、最近は平穏だという。チョンホたちは、トックたちの前で正式に礼をする。チャングムはチャンドクと、最新の治療法について議論する。
チャングムは挨拶回りの後、王后の前で「宮中に戻らない」と言う。そして、市井の民のために尽くしたいと言う。王后はそれを認める。しかし、呼んだらすぐに駆けつけるように言う。王女の誕生祝いを見つめるチャングム。そして宮中を退出する。
帰り道でチョンホはチャングムに、手術は認めないと言う。そのとき、ソホンの姿が見えない。ソホンは危ない状態の妊婦を見つけていたのだ。チャングムは母子ともに危険だと判断する。そして、帝王切開の手術を決意する。手術は成功し、子供は無事に生まれた。また母親も助かったのだ。チョンホは、タブーである外科手術を成功させたチャングムを見て、チャングムが「人の命を救って何が悪いのだ」という信念のもとにこれからも突き進むであろうことを確信する。

解説

最終話は時間経過が速くて大変でした。本文では“昔の名前”で記述しています。全て把握していませんが、王后→王太后、ヨンセン(淑媛)→昭媛、左議政→領議政、チャンイ(宮女)→尚宮となっています。
なお、歴代最高尚宮をまとめると、チェ尚宮→チェ尚宮→チョン尚宮→チェ尚宮(代理)→ハン尚宮→チェ尚宮(再任)→チェ尚宮(クミョン)→ソ尚宮(臨時=チャングム)→不明→ミン尚宮、でしょうか。
ハッピーエンドに終わらせるために、宮中のみんながいい人になっていますね。また、タブーである外科手術も、チャングムが最後に成功させます。ここは、めでたし、めでたしで、この解説を締めくくります。

今週の名言

「全てを手に入れ、全てを失った」

チャングムが宮中を評して言った言葉。料理を学び、医術を身につけ、ミン・ジョンホに出会ったのは宮中。一方で父親の死の原因になり、母親を亡くし、ハン尚宮を失ったのも宮中。宮中とはそう言うところだというのです。
確かに最後の回想シーンを見ながら、権謀と欲望の渦巻く宮中に関わると、プラスの方向もマイナスの方向も、とてつもなく大きいと思わされます。