宮廷女官チャングムの誓い 今週の名言

第51話 医術の心

チャングムは宮中に戻って、王の前で主治医就任命令を取り下げるように願い出る。そのとき内侍府の長官が「キョンウォン王子が危篤だ」と急を知らせる。驚く一同。
ウンベクが王子の診察をしている。そこに王たちが入ってくる。風邪の症状があると言うのを聞いて取り乱す王后(妃)。王はチャングムに治療を任せるように言うが、王后は反対する。そして、世継ぎの時に比べて落ち着きすぎていると非難する。王后は王子を呪うお札を見せながら、心情を吐露する。イ・グァンヒは王子の解熱を指示する。一方イクピルは、慎重に対処するように言う。また、イ・グァンヒはチャングムが主治医を辞退したので活人署に戻すように言う。 チョンホは、チャングムが主治医を辞退したのを非難する。しかしチャングムは、上司を蹴り落とし、ヨンセンの命を危険にさらしてまではできないと言う。王は宮中を出て行くチャングムを呼び止め、チャングムが酒の配達に来た時のことを話す。王は、自分は宮中が嫌いなのに、なぜチャングムは宮中に入りたがるのか不思議に思ったと話し、また、チャングムのせいで王になってしまったと言う。そして「責任を取れ」と言う。笑うチャングム。

王が、内医院からのチョンホに対する告発状を見ている。内侍府の長官は背景を説明する。チョンホがチャングムの主治医就任に賛成したからと言うのだ。王はチョンホを呼ぶよう命じる。その時、チョンホが15歳のときに面談したことを思い出す。 チョンホが王の前に進みでる。王は、一人だけチャングムの主治医就任に賛成した理由を尋ねる。チョンホは、適材適所で人材を配置すべきで、チャングムは主治医に適任だと言う。また、自分の役割を聞かれたチョンホは、優れた人材を王のそばに置くことだと答える。
大臣たちは、チョンホがチャングムの主治医就任に賛成した件を議論している。自らを取り立ててもらうための計略だと言うのだ。そして流罪にすべきと言う。右議政も、チョンホに足を引っ張られたと憤慨している。
活人署では、村民が子供の診察をするように訴えている。活人署の担当者はそれを断る。そこにチャングムがやってきて、反対を押し切って受け入れる。診察の結果、チャングムはその子供が天然痘ではないかと疑い、急いで医務官に見せる。
王殿でイクピルが、王子が天然痘にかかっていると報告する。王は宮中の感染者の有無を確認し、患者の隔離措置を命じる。すでに王子も隔離されている。王子の元に駆けつける王后だが、医女たちに止められる。王が追いかけてきて、それを諌める。そこに王太后もやってきて、王后を厳しく非難する。
内医院でチョンホは、イクピルに恵民署や活人署をまわって天然痘の流行状況を把握するように指示する。 チボクはそんなことをしても治療法も予防法もないと言うが、チョンホはそれを非難する。そして被害を避ける方法を考えるように命じる。
王后が祈っているが、王子の回復の兆しはないと報告を受ける。運を天に任せるしかない。
イクピルに、恵民署に患者はいないとの報告が入る。おかしいと言うイクピル。そして高熱の子供がいたら報告するように命じる。
チャンドクは、薬剤をタダで配るようにナジュテクに言っている。「ネコババするな」と言うチャンドクだが、ナジュテクは子供を二人も疫病で亡くしている。謝るチャンドク。そこにチボクたちがやってくる。そして、薬剤を配る理由を聞く。配って効果を探っているのだと答える。また、西の活人署に患者が集められていることを話す。チャングムのいるところだ。イクピルは、患者をここに集め、薬剤を配るよう指示したのがチャングムだと知る。医務官も賛成したと言う。そしてチャングムのいるところに案内すると言う。街では、天然痘の予防方法についてカン・ドックが宣伝している。それを聞くイクピルたち。ウンビは「無駄なこと」と切り捨てる。村には人々が集まっている。イクピルたちが到着すると、チャングムは小屋で患者たちを治療していた。シンビが手伝いに入ろうとするが、チャングムはそれを遮る。王子が天然痘にかかったことを話すシンビ。 チャングムは治療法を探していると言う。イクピルたちは帰ってしまう。
王后は相変わらず王子の病室に入ろうと訴える。中から王子を呼ぶ声を聞いて、思わず中に入る王后たち。王殿で王は、民間療法でもいいから助ける方法を探すように言う。イクピルは考えている。
その夜、チャングムのいる小屋を訪ねるイクピル。そして小屋の中で子供を抱くチャングムを見つける。チャングムは、子供たちに優しく声をかけている。
王后は食欲がない。ミン尚宮は、周りのものが治ると信じることが何より大事だと言う。それがチャングムの言葉だと気づく王后。
チャングムが治癒した子供を小屋から出す。喜ぶ民衆。チャンドクは小屋に入り、成果を「独り占めする気?」と言う。チャングムは、治療法は見つからなかったが、自然治癒するように薬で助けたと言う。チャンドクは、予防法も役立ってると言う。そこに兵がやってくる。焼き討ちを心配する村人たち。そこに王后が現れる。治癒した子供の話を聞いた王后は、直したのがチャングムだと知る。小屋にやってきた王后は、チャングムに会う。そして、王子を治療するように頼む。
チョンホが、天然痘の流行は収まったと王に報告している。患者は小屋で治療するようにし、予防法も広めたと言う。そして、それを考えたのはチャングムだと言う。王后がチャングムを呼び寄せたことも報告される。
宮中でチャングムは、ウンベクや他の医女たちと王子の治療にあたる。王子の治療法について議論を続けながら、治療は続く。そしてとうとう、王后の元に王子が治癒したとの報告が入る。王子の元に駆けつける王と王后。王后はチャングムに礼を言う。また、人殺しを命じたことを反省する。
王はチャングムに褒美を与えると言う。そして、チャングムを改めて自らの主治医にすると宣言する。チョンホに、すぐに辞令を発行するように命じる。大臣たちは王の決定に反対する。それはチョンホの計略だと言う。大臣たちの反論に対し、王はチャングムの階位を次々に上げる。そこにイクピルが入ってくる。イクピルは、チャングムの主治医就任に賛成すると言う。チャングムの医術者としての姿勢と実力を高く買うというのだ。

解説

前半ではチャングムに対して内医院の人たちが冷たかったのですが、天然痘に対して身を呈して立ち向かった姿勢が彼らの心を打ちます。そしてキョンウォン王子の治療を通じて、内医院のスタッフが一丸になることができました。最終的には、チャングムが王の主治医になることに賛成します。
ところで、ヨンセンの前でミン尚宮が「チャングムの階位は私たちより下よね?」と話しながら、「そういう問題ではない」と思い直していますが、身分の上下と重要な役職に就くことは別の話だと気づかせてくれています。

今週の名言

「身分に関わらず優秀な人材を王様の側に遣わすことです」

ミン・ジョンホが、自分の役割を王に問われて答えた言葉。儒教の論理からすれば、今風に言えば女性を王の主治医にするなんて「憲法違反だ!」ということになるでしょうか。儒教原理主義者からすれば、女性を登用しようとする人は“頭がおかしい”と捉えられるのかも知れません。
ただ私に言わせれば、21世紀の日本にあっても、女性の登用には目に見える、あるいは目に見えない途轍もない壁や天井や足かせがあちらこちらにあるように思えます。“頭がおかしなくない”人が、まだまだたくさんいるみたいです。