TOSHIBA
TOSHIBA RP−770F (サウンドナナハンGTV) 1973年12月発売 定価 19900円 周波数カバー範囲:MW、FM、 TV−L(1〜3ch、90〜108MHz) TV−H(4〜12ch、175〜222MHz) SW(3.8〜12MHz) この機種はTVの1〜12chまでの音声を受信できる。左側のチューニングダイヤルがTV受信部だ。本格的なBCLラジオではないが、外見はまったく同じ(配色のみ一部相違)でTV受信部が短波のスプレッドダイヤルになっているRP−775Fがある。 所有機はスピーカーが不良でイヤホンなら正常に聞くことができる。 感度は悪いほうではない。 |
※ 発売年、定価情報提供 札暢さん
TOSHIBA RP−1450F (トライエックス1450) 1975年発売 定価 10500円 周波数カバー範囲:MW(525〜1605kHz)、FM(76〜90MHz) SW(3.8〜12MHz) トライエックスシリーズの末弟と思われる。短波は12MHzまで。電源兼ボリュームつまみとバンド切替スイッチがあるだけで、ほかにおもな装備はない。 デザインが個性的でスピーカグリルはRP−1500Fとも共通している(1500Fはシルバーの部分が斜めに配されている)。ダイヤルスケールはドラム式。 所有機は電池では作動せず、アダプターがないので試すことができない。前面パネルのほとんどがスピーカで大型のため、音質は良好だろうと思われる。 |
TOSHIBA RP−1600F (トライエックス1600) 1975年発売 定価 15500円 周波数カバー範囲:MW、FM SW(3.8〜12MHz) 短波は12MHzまでしか受信出来ないが、このローコストで主要放送バンドはキャリブレーションマーカーによって10kHz直読を実現している。発売はSONYのICF-5900とほぼ時を同じくしている。東芝恐るべし。あなどれませんぞ。 しかし、5900に比べて装備は比べものにならないくらい貧弱だ。受信周波数範囲が狭いうえにBFOが無い。中波の感度切替スイッチはかろうじて装備されている。 ということは、5900はやはり安いと思います。 残念ながら所有機はFMのみ受信可能なジャンクである。 |
TOSHIBA RP−1700F (トライエックス1700) 1976年発売 定価 18500円 周波数カバー範囲:MW、FM SW(3.8〜28MHz) 短波2バンド トライエックス1600では短波は12MHzまでしか受信できなかったため、受信周波数を拡大した改良モデル。 1600もBFOは装備されていなかったが、この1700も装備されておらず、どういう訳かモールス信号練習装置なるものが装備されている。10kHzまで読み取れる円盤型のスプレッドダイヤルで受信する。感度切り替えスイッチは装備されている。 所有機は残念ながら一部しか音が出ない。 |
TOSHIBA RP−1550F 1979年発売 定価 10000円前後か? 周波数カバー範囲:MW(525〜1605kHz)、FM(76〜108MHz) SW(3.8〜12MHz) トライエックスのペットネームは付いていない。 おもな装備は音質調節とチューニングランプ、それからAM感度切替(DX/LOCAL)が付いている。目立った機能はなく、ごく平凡なラジオだが各スイッチ類は使いやすく、選局もしやすい。 感度も音質も悪くはない。 |
HITACHI
HITACHI KH−2200 (サージラム2200) 1976年発売 定価 22300円 周波数カバー範囲:MW、FM SW(1.6〜30MHz) 短波3バンド 横長スタイルのデザインが良くまとまった美しいラジオ。機関車も造っているメーカーの製品だけに「SLスタイル」と呼ばれていた記憶がある。同じデザインの松下、RF−1130よりも一回り大きい。 感度切り替え、ファインチューニング、タイマーは装備されているがBFOは無い。チューニングダイヤルは重い。円盤スケールは見やすく、バックラッシュもほとんど無い。 感度、安定度、音質も並以上で良く出来たラジオだ。 |
HITACHI KH−3800 (コンピューターサージラム) 1978年発売 定価 89800円 周波数カバー範囲:MW(530〜1605kHz)、FM(76〜90MHz)、SW(3〜30MHz)短波3バンド サージラムシリーズの最上位機種。大型でツマミ、ボタン類がごちゃごちゃと並んでメカメカしい。青色の周波数カウンタもカッコよく、思わずヨダレが出てしまいそうなラジオだ。世界時計機能があり、主要都市の時刻がボタンひとつで一目瞭然。ON/OFF/SLEEPタイマーも装備。しかし、安定度が悪くタイマー録音なんかできるのだろうか? カウンタ周りのボタンの大半は時計/タイマー関係のもの。主な装備は帯域幅切替え(WIDE/NARROW、FM AFCスイッチ兼用)、SW較正ツマミ、RFゲイン、BFOとPITCHツマミ、音質調整は高低音独立。選局ダイヤルはFAST/SLOW切替え可能。DISPLAY SELECTORとして輝度切替え、時刻/周波数切替え、そしてメータバンド表示ボタンがある。受信性能はRF-2800と同等と思われる。金属躯体でシールドはしっかりしている。意外なことに輻射ノイズは気にならない。時計機能がついて2800のおよそ倍の価格とは「ボッタクリもいいとこラジオ」である。「BCLブック」の広告で先頃、日産財閥の御曹司と婚約発表した杉田かおるが起用されていたことが有名。(BCL図書館参照) 私は結構、杉田かおるが好きだったりする、なんちゃって。 |
HITACHI KH−G1 (サージラムG1) 1980年発売 定価 16100円 周波数カバー範囲:MW(530〜1605kHz)、FM(76〜90MHz) SW1(3.9〜6.5MHz) SW2(7.0〜12.0MHz) サージラムシリーズ最後の機種。一番の特長は12MHzまでの短波を2バンドに分割して、受信を容易にしていることだろう。 背面に感度切替(DX/LOCAL)、外部アンテナ端子を装備。LEDのチューニングランプは受信すると緑から赤に切り変わるらしいが、所有機は赤しか点灯しない。ほかには目立った機能はない。前面のボリューム、音質調節、バンド切替はすべてスライド式。電源は上面にボタンが付いている。大型スピーカで音質も豊か。感度は結構良い。 |
SANYO RP−8700 (パルサー8700) 1976年発売 定価 19700円 周波数カバー範囲:MW、FM SW(3.9〜28MHz) 短波4バンド BCLブーム期のサンヨーさんの代表機種。 目立った装備は無いが、基本性能は備えておりなかなか良く出来ていると思う。大型スピーカーを搭載しているため音質もなかなか良い。 音量、音質調節はスライド式。感度調節、バンド幅切替、ラウドネススイッチ、ダイヤルライトを装備。チューニングダイヤルはSLOW/FASTの切替式。BFOが無いのが残念。結構大きくて使い勝手も良く、私は好きである。感度もまずまず。 輸出仕様にRP-8800というのがあるらしいが詳細は不明。 |
BCLラジオ総評
こうして見てみると、BCLブーム時のラジオは皆、個性豊かで今とは違いラジオを操るという感覚があったように思います。たしかに今のラジオはボタンを押すだけで周波数が入力でき、電波が届いてさえいればラジオ単体で受信できてしまうほど簡単で高性能になりました。大きさもカセットテープサイズのものもあります。
リサイクルショップなどの話しでは、ソニーの5800や5900、松下の2200などのラジオはたまに入ってくるそうですが、音が良いために大工さんなどが現場でラジオを聞くためにすぐに売れてしまうそうです。今の小さいラジオでは駄目なんだとか。私が仕事でお世話になっている事務所の窓際にも2200が置いてありますし、クーガ101の項でも書いたようにコンビニの店先で1010が元気にニュースを流しています。やはり、良いものは良いんですよ。
ここでは、私の所有しているラジオの紹介ですから触れていませんし、私も実際に触ったことはありませんが、ソニーのCRF−1なんかは後継機を出せば結構売れるのではないでしょうか? 4800Dみたいなの出せば売れると思いますよ。小型化も結構、否定はしませんが感度やノイズ、特に音質に至っては大型ラジオとは雲泥の差です。文句をつけるわけではありませんがSW1000Tの感度、音質の悪さは実用に堪えません。FMなんか使い物になりませんよ。触ったことはありませんが、SW100Sに至ってはどうかなとも思います。
これからの時代、ラジオ放送自体がどこへ行ってしまうのかな? という危惧はありますが、ひとつくらいデカくて重たいラジオがあってもイイのではないでしょうか? プロシード2800の復刻版なんてのは如何なものでしょう? メーカーの方、ご覧になっておりましたら、是非とも御一考をよろしくお願い致します。