X列車で行こう1860・完全攻略本-4
4-1-1 鉄道車両-ゲームのある意味主役
鉄道経営シミュレーションである以上、これを端折る訳には行きません。このゲームで購入・使用できる機関車は、現代の目で見れば如何にも古臭い、スミソニアン博物館にでも飾っておけば良いような代物ばかりですが、このゲームの時代には世界の科学技術の最先端を行く眩い機械達でした。
4-1-2 車両の購入
車両の購入は、メイン画面の上、機関車のアイコンをクリックして、望みの車両を買い入れます。ゲームの時制によって購入できない車両もあり、また一定の条件で無料で配置される車両もあります。
車両を購入すると、その車両は始発駅に隣接した操車場に現れます。そのままでは何も起こりません。車両に命令を下さなければなりません。
4-1-3 車両の運用
X1860では、列車編成ごとのコマンドは存在しません(後述する「固定編成」を除く)。購入した機関車、貨車(客車も含む)、全ての車両に運行区間を指定する必要があります
例えば、木材運搬貨車を1輌購入したとします。
操車場に出現したその貨車をダブルクリックして、コマンドから運行区間を選択します。
表示された地図にはあなたが敷いた路線図と駅の位置が示されており、この貨車がどこからどこの間で荷を運ぶのかを指定してやります。
貨車の場合、全てが資材に関する車両となる為に、運行区間は始発駅から任意の駅(この場合木材を産出している駅)までを指定する事になります。
とは言え、貨車だけ購入して操車場に置いておいても、何か面白い事が始まる訳ではありません。自走できる車両、詰り機関車を購入しない限り、貨車は目的地へ向かう事ができないのです。
機関車も同じように運行区間を指定します。
例えばA駅からB駅までをその機関車の運行区間に指定したとします。
その時、A駅において、B駅へ向かう貨車がスタンバイしていたら、機関車の牽引力に余裕がある場合に限って、その貨車を自動的に編成に組み込み、B駅へ向かいます。
もしB駅で荷積みがすぐに済むのであれば、そのまま帰りの列車でA駅まで戻って来ます。荷積みまで時間がかかるようであれば、その貨車はB駅の側線で次に通り掛る機関車を待つ羽目になるでしょう。
A駅とB駅の間にC駅があって、貨車がAからCへ向かうよう指示されていれば、同じように列車を組成してA駅を発車して行くでしょう。もちろんC駅でその貨車は切り離されます。
機関車の運行区間がA駅からB駅までで、もしその先のD駅行きの貨車が操車場でスタンバイしている場合は、機関車はその貨車を無視して発車します。D駅行きの貨車を運行に就かせたいのであれば、その機関車の運転区間を見直すか、新規にA~D間を走る機関車を購入する事です。
もし何時までも操車場に同じ貨車が停まったままであれば、機関車の運用に問題がある証拠です。早急に機関車の数を増やすか、既存の機関車を牽引力の強い機関車に交替させましょう。
緊急性の高い物資を輸送する必要がある場合、そう何時までも待ってはいられません。そうした場合は、貨車の運行区間指定画面で、駅名の横に書かれた☆マークをクリックします。そうすると他の貨車よりも先に列車に組み込まれ、目的地へ滞りなく向かう事ができます。
更に貨車の運行区間指定画面では、特定の駅で全ての積荷を下す指示(支線から運び出した物資を本線駅で別の列車に拾わせる時に便利)や、別途命令があるまで待機する指示(移民船到着まで旅客列車を待機させておく)等の便利な機能があります。
自動で編成が組まれる場合、機関車-貨車-客車の順で編成され、最後尾に車掌車が付きます。詰り駅で拾われる車両は、この法則に従って機関車と車掌車の間にサンドイッチされる事になります。
固定編成の旅客列車でない限り、機関車の後ろには赤い車掌車(カブース)が連結されています。機関車の性能一覧に表示されている牽引輌数は基本的にこの車掌車の重量を除いた数値で表されています。
4-1-4 固定編成列車
ここまでは比較的ランダムに発生する貨物に対応する為の、言わば「自由編成列車」についての解説でした。殆どの場合、この方法で需要に対処する事ができます。
しかしまとまった数の資材を一度に建設の最前線へ送る場合や、不足している原料を一度に資材工場へ送るような時、更には収益率の非常に高い長距離旅客列車を運用する場合は、ここで述べる「固定編成列車」を組成すると有利です。
車両の購入までは同じですが、列車編成の前に、機関車の運行区間指定を行います。機関車の区間指定が済んだら、今度は固定編成を組みたい貨車や客車を右クリックして、機関車の上にドラッグします。ドラッグが済んだらもう一度機関車の運行区間指定画面を見てみましょう。
この編成内容で良ければ、画面右下の「固定編成ボタン」□にチェックを入れます。組んだ編成から一部の貨車を外したい場合は、その貨車を右クリックして画面左手の操車場にドラッグして戻してやります。
運用に就いている固定編成列車から固定編成の指定を外したい場合は、その列車を一旦始発駅に戻してから(運行中の列車をダブルクリックして運行区間指定画面を出し、左上の車庫アイコンをクリックすると、その列車は始発駅まで戻って運転を中止します)「固定編成ボタン」□のチェックを外します。個々の車両に別の指示を与えてやれば、再び使用が可能になります。
固定編成列車に限って、「満載」コマンドが使用できます。これは組んだ編成全てが満載状態となるまで駅で待機する命令で、資材運搬列車や長距離旅客列車のような収益率の高い列車を運転する場合に有効です。
客車だけで編成された固定編成列車には、海千山千のチーフコンダクターが乗務している為に、わざわざ死重となる車掌車は連結されません。また一部の客車は、固定編成を組まない限り編成に組み込めない種類のものがあります。
固定編成の客車列車の場合も編成順序が決まっています。機関車-コーチ-ダイナー-スリーパー-オブザベーションの順で、終端駅から折り返す時もこの順序は変わりません。
4-1-5 車両の売却・交替
余った車両を売却したり、新型機関車に交替させたい場合は、その列車を一旦始発駅に戻してやる必要があります。操車場に入って停車した列車をダブルクリックして運行区間指定画面を表示し、画面下の「売却」ボタンをチェックするとその車両は廃棄され、原価償却が済んでいない場合はその分が返金されます。
「交替」ボタン(機関車のみ)にチェックを入れると、別ウインドウに交替機関車選択画面が現れます。売却する機関車の原価償却が済んでいない場合は、残存価格と新規購入金額の差額が購入代金として算定されます。
4-1-6 重連運転
どんなに線路工事に気を配っても、どこかに勾配が急な区間が出現するものです。究極的にはトンネルを掘ってしまえば解決しそうなものですが、先にも述べた通り、トンネル工事は資材を飲み干す鯨のようなものです。ゲーム後半戦ではそうした選択肢もあるでしょうが、目的達成に目鼻が付かない段階では多少の急勾配には目を瞑りましょう。
しかしこのゲームは「取り得る手段は全て取れ」がモットーです。こんなケースにもちゃんと救済措置が存在します。
それがこの重連運転です。機関車を2輌繋げて列車を牽引するので、急勾配でも速度を落とさずに登り切る事が可能になります。尤も多少余計な経費は必要になりますが。輸送の現状と金庫の中身を見比べながら決断して下さい。
重連運転の指定は簡単です。機関車の運行区間指示画面で、勾配の急な区間の前後の駅をポイントし、「DH」と書かれた□にチェックを入れるだけです。重連の際に用いる補助機関車は別途購入する必要はありません。既存の機関車と同じタイプか、或いは1ランク強力な(それだけ足が遅い)機関車が自動的に応援に駈け付けてくれます。
但しこの運用には条件があります。その前後の駅には必ず「機関庫」を設置していなければなりません。また重連運転中は、機関車2輌分、或いはより経費の高い機関車2輌分の運行経費が計上されます。速度はより足の遅い方に合わせる事になります。路線の状態によっては、重連運転をするよりも最初から鈍足で強力な機関車を使用したほうが有利な場合もあるでしょう。
またこの運用は駅と駅の間に2%以上の勾配が3ブロック以上連続している区間に限って適用されます。勾配の度合はメインマップ上で「線路状況アイコン」をクリックして確認して下さい。2%以上の勾配がある区間は線路が赤色に反転している筈です。
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