X列車で行こう1860・完全攻略本-3



3-2-3 町を急速に発展させるには -1-

資材の原料を得たいと願い、あなたは線路の途中に駅を設置しました。

そこで良く見られる光景は、何本もの旅客列車が到着したにも関わらず、誰もその駅で降車せず、従っていつまでも駅前はガランとしたままと言う事態でしょう。これにはちゃんとした原因があります。

どのマップでも始発駅の周囲は非常に発展した町が出来上がっています。しかしその町が「飽和した状態」であるかどうかはまた別問題です。飽和した町とはその町の経済活動エリア内の既存産業が受け入れられる労働力が上限に達している町の事で、つまり失業者が溢れている状態でもあります。街頭で慈善団体の炊き出しを待っている彼等失業者には血も涙もない言いぐさですが、通常そうした失業者は新天地を求めており、あなたが開いた開拓地は彼らの受け皿となってすぐにでも発展を始めそうなものです。

残念な事に殆どのマップで始発駅のある町は飽和していません。経済活動エリアは非常に広大で、幾ら労働力があっても充足すると言う事がないからです(マップの種類によってはそうでない場合もあります)。

折角あなたが新しい駅を作って開拓者を運んで見ても、既に町に住み慣れている人はわざわざ不便な新天地へ出掛けようとはしません。列車だけ走らせても乗る人がいないのです。

その為にあなたはあらゆる努力を払う必要があります。


・地元新聞社に広告を載せる


主だった街路が石で舗装されているような町には、必ず目抜き通りに新聞社があり、記者諸君は何か変わったネタはないかと血眼になっています。

彼等に話題=飯の種を提供してやりましょう。如何に新しい開拓地が素晴らしいか、彼らの口から語って(騙って)もらうのです。


情報アイコン(新聞の絵のボタン)をクリックします。そうすると鳥打ち帽にロイド眼鏡の男のアイコンが出て来ます(新聞社)。これをクリックすると余りハンサムではない新聞社の主筆が現れて、原稿料を幾ら支払うのか聞いて来ます。


・100ドル:簡単な3行広告。その後1ヶ月間入植志望者が5%増える。

・500ドル:3段抜きの色刷り広告。その後3ヶ月間入植志望者が30%増える。

・1000ドル:見事なエッチング画入りの全面広告。主筆自らが怒涛の如き情熱を持って書いた美文調の文章。その後3ヶ月間入植志望者が50%増え、既存の商業経営者や技術者も参加する為に、町の立ち上がりが素早くなる。


ここは、と言う地所を見つけたら、何が何でも町を作り上げなければなりません。広告代を節約して後で泣きを見るよりも、その場で最も効果的な施策は何かを考えて行動する事です。

余談ですが、こうした広宣活動を通じて新聞社に顔を利かせておくと、万一事故が発生した場合でも会社の評判をそれ程落とさなくても済むと言うメリットを享受できるかも知れません。


3-2-4 町を急速に発展させるには -2-

「道徳万歳新聞」の主筆にバーのツケを払わせる必要はないとあなたが考えた場合、では沿線に町を築く為にどう言う方法が残されているでしょうか。

メイン画面の船着場をダブルクリックして見て下さい。港らしく雑然とした事務所が現れる筈です。その壁に下げられた黒板をダブルクリックすると、今後3ヶ月間の船便の到着予定表が現れます。


定期貨物船は別として、押さえておくべきは「移民船」のスケジュールです。

戦争や飢饉の続くヨーロッパを離れて新大陸で生きて行く事を心に決めた人々が、移民船にすし詰めとなって港に現れる事があります。彼等はどこに行くと言う当てがあるわけでもなく、到着すると何となく町をうろついています。

彼らが町で仕事にありつく前に、あなたの仕立てた列車に載せて開拓地へ運んでやりましょう。この場合特に宣伝をしなくても、彼らの内の一部は自ら駅へと足を運ぶ筈です。


3-2-5 町の成立

どんな手段を講じたにせよ、入植を希望する乗客で満員の旅客列車が、真新しい駅に到着したとします。

列車を降りた人々は最初は何となく駅の周りをうろうろしていますが、その内に適当な場所にテントを張り始めるでしょう。やがて数人の男達がグループになって、町の周囲の探検に出掛けます。何か仕事になりそうな物はないかと探し回っているのです。
その間に別のグループは、駅前の地面に何やら線を引っ張っています。区画割りをしている人々で、今後その町はその線に沿って発展して行く事になります。

少し時間が経つと郊外に畑が現れ、地形によっては広大な放牧場も出現するかも知れません。そこで仕事にありついた人々はテントを畳んできちんとした家(板張り、乾燥地帯では石積み)を造り始めます。

その過程で、資材の原料となる木材や鉱物の採取が開始され、駅は次第に慌しい空間へと変わって行くのを目の当たりにする事でしょう(2-1-3)。


その後は使用可能な資材の有無によって、表通りが舗装され、石積みのビルが軒を連ね、夜ともなれば通りを赤々と照らし出すバーやカジノ、ホテル等が出現するかも知れません。ここに至って町は生産拠点ばかりではなく、人々の目的地となって、旅客需要を産み出す場となるのです。


3-2-6 町の名前・駅の名前

元々何もない場所に駅を造って駅名を決めないでおくと、最初の列車が到着した時点でコンピュータによって「勝手に」駅名を決められてしまいます。
尤もランダムで決められる駅名は味わい深いものが多く、例えば東部諸州が舞台であれば「New Glassgow」や「Swindon」、南部や西部が舞台であれば「Lugano」に「Rio Saro」そして「San Lerias」、中西部山岳地帯であれば「Corgie Ridge」や「Ft.McKeen」等、そのまま命名しても違和感がない名前が揃っています。

しかし自分で創った駅であれば自分の好きな名前を付けたいと言う気持ちも判ります。であれば駅を作って最初の列車が到着するまでに駅名を決めてしまう事です。

ここで注意しなければならないのは、あなたが駅名を決めた場合、駅の周囲に住み付いた人々が、必ずしもあなたが決めた駅名に敬意を払おうとしない可能性があると言う事です(コンピュータが決定した駅名は無条件で町の名前になりますが)。

町がある程度出来上がって来ると、町の世話人達が集まって町名を決めます。全体的に農業や林業の盛んな地域は、人々もやる事が多いせいか、あなたが決めた駅名をそのまま町名にするケースが多いようですが、鉱山で生計を立てている地域の場合、男性ばかりで鼻息が荒いのでしょう。勝手に町名を決めた上に折角あなたが決めた駅名までも町名に合わせて変えるよう駅長に交渉(吊るし上げ?)する事が多く見受けられます。

放って置いてもゲームの進行上問題ありませんが、どうしてもあなたが付けた名前に未練がある場合、再度駅の名前を(ついでに町の名前まで)変えるチャンスがあります。

その町で生産される資源を続々と運び出し、その帰りに資材を運んで来てやりましょう。それが続くと町の人々はあなたの存在を見直し、もしかしたら駅名の変更に同意を与えてくれるかも知れません。



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