X列車で行こう1860・完全攻略本-2



2-1-1 資材の重要性

これまで発表された全てのX列車で行こうシリーズに欠かせない共通の要素が一つあります。それは資材です。

どれほど多くの現金を持っていても、資材が手許になければ1ブロックたりとも線路を敷設する事は出来ません。このゲームは目的地とされる地点まで線路を敷いて列車を走らせる事がテーマですから、どのような事があっても資材は欠かせないものなのです。

資材はその辺から勝手に湧いて来るわけではありません。
資材を手に入れる為には次の2種類の方法があります。


・始発駅に隣接した資材工場に原料を送り込む(2-1-3)

・外国に発注する(2-2-5)


2-1-2 資材の原料

ゲーム中の資材は木箱に梱包された形で表現されています。
この1コの梱包が資材4コ分に相当します。始発駅に隣接する資材工場のストックヤードに並べられた資材縦1列分が1梱包となります。

資材を資材工場で製造させる為には、次の原料が必要となります。

・木材:貨車2輌分

・石炭:貨車1輌分

・鉄鉱石:貨車1輌分


これだけの原料を始発駅に送り込んで、初めて4コ(1梱包)の資材となるわけです。

資材工場ではこれらの原料が揃わない限り資材の製造を始めませんが、その代わり運んできた原料を受け入れる事はしてくれます。

例)木材2輌分、鉄鉱石1輌分を運んで来たが、石炭が入手できない場合、その時資材工場は、木材と鉄鉱石の運賃だけ支払ってくれる。

例)既に資材工場へ木材40輌分、石炭4輌分運んでいるが、新たに鉄鉱石を3輌分運び込む事が出来た場合、資材工場では、ストックしてある木材6輌分+石炭3輌分と、今運び込んだ鉄鉱石3輌分を使用して、資材12コを製造する。

ではその原料を調達するにはどうしたら良いでしょうか?


2-1-3 原料の調達

資材の原料となる木材や鉱物は、どのマップにも必ず存在しています。
その内で最も調達が容易なのは木材です。ある程度の森林は探さずとも存在している上に、表面から眺めただけでどこにそれがあるか判断が付くからです。

一方厄介なのが鉱物でしょう。これらは独自のアルゴリズムによってランダムに配置される為、同じマップをリプレイしても必ず同じ場所に鉱脈が眠っているとは限らないからです。

一概には言えませんが、石炭はなだらかな丘の上で、鉄鉱石は切り立った山の中腹か麓で発見される事が多いようです。しかし時には平原の真中に鉱山のヤグラが建っている事もあり、常にマップ上を観察する必要があるでしょう。

これらの原料は、何もあなた自身が斧やツルハシを持って採取しなければいけないわけではありません。原料の採取は、駅の周囲に出来た町に住む人々によって行われます。人のするべき仕事を奪ってはなりません。

駅には「町生成エリア」「経済活動エリア」「資材運用エリア」の3つの円が設定されています(2-2-2)。
町に住みついた人々は「経済活動エリア」をうろつき、そこの風土に適した仕事を見つけようとします。詰り平原であれば農業を、乾燥地帯であれば牧畜を、森林(ウィルダネス)が広がっていれば木の伐採を、そしてたまたま鉱脈を発見した場合は鉱山を拓こうとします。

この伐採と鉱山開発が資材の原料を得る唯一の道となるのです。

伐採所から駅に向かって荷馬車が走り始めたら、その駅を右クリックして見て下さい。駅の概要の下に、現在蓄積されている原料、資材、そして乗客数が出て来る筈です。木材のカウンターに数が記されていれば、その駅では「木材の搬出が可能」となるわけです。木材運搬貨車を購入して、始発駅に運び込む準備をしましょう。

なお、駅を右クリックした際に「建設可能設備」と言う欄があり、その中の「製材所」を選択して投資すると、駅構内に製材所が建設されます。これは木材の切出し速度を50%高める効果があります。

同じように、鉱物を搬出している駅に「精錬所」を設けると、同じく採掘速度が50%向上します。

ゲーム中盤にもなると、土木工事に足を取られ、資材はいくらあっても足らない場面が続出します。少しでも多くの原料を送り込む努力は、絶対に惜しむべきではありません。


2-2-1 資材の4つの効用

①資材は線路の敷設に使用される。

②線路をスムーズに敷設する為の土木工事。



これは前にも書きましたが、この他に2つの重要な役割が残されています。

③駅に蓄積した資材を町の住民が購入して、町を発展させる為に使用する。

④外国に輸出して資金を稼ぐ。


2-2ー2 線路の敷設と資材

先にも述べましたが、駅には3つのエリアが設定されています。
図を見てください。

駅を中心にして同心円が3つ描かれているのがおわかりでしょう。

一番内側の円は「町生成エリア」と言い、この範囲内に町が形成されます。

次の円は「経済活動エリア」と言って、町に住みついた人が仕事をするエリアです。

最後に、非常に広い円が描かれています。これが「資材運用エリア」で、駅に蓄積された資材を、線路、土木工事に使用できる範囲です。このエリアを越えて線路工事をする場合は、伸ばした線路の先に別の駅を建設して、そこに改めて資材を積み上げなければなりません。

平坦な地形に線路(単線)を敷く場合は、1コの資材で4ブロックまで建設できます。

⇒資材1コで4ブロックの長さの線路が敷ける


2-2-3 土木工事と資材

前章で「平坦な地形では資材1コで線路4ブロック」と書きました。
このゲームの目的はあくまでも

「一定の条件内で、ある地点とある地点を線路で結び、列車を走らせる」

事にありますから、ゲームスタート時に保有している資材(始発駅に隣接した資材工場のストックヤードに並んでいます)だけを使ってこの目的が達成されればそれで勝ちとなる筈です。


例えばチュートリアルマップに使用されている「チカホミニー・クリーク」では、始発駅と目的地までの直線距離は72ブロック。開始時に保有している資材は全部で24コありますから、始発駅から指定された目的地である「ペンドルトン・ジャンクション」まで一直線に線路を敷いてしまえばそれで目的は果たした事になります。本当にそうでしょうか?

試みにチュートリアルを開いてみましょう。そしてあらゆる親切な警告に耳を貸す事無く、始発駅「ニューカーセージ」駅の外れから一挙に目的地の「ペンドルトン・ジャンクション」まで線路を敷いて見ましょう。マップを大縮尺にして、線路工事のアイコンをクリックし、始点にカーソルを合わせて右クリックしながら終点までドラッグします。

すると画面上に2つの警告文と1つの別ウインドウが開く筈です。

警告1:資材が足りません。
警告2:ニューカーセージ駅の資材運用エリアを逸脱しています。

工事優先順位を決定してください。

1:完全工事
2:資材節約
3:マニュアル指定

警告2については、前章で記した通り、駅に蓄積された資材(この場合は始発駅なので、資材工場構内に積んである資材は始発駅で運用される)の運用エリアを越えて線路工事を指示している事を表しています。

問題は警告1の方です。
マップを良く見ると、ニューカーセージとペンドルトンの間に狭い川が流れており、その左右は広い湿地帯(バイユー)となっていて、そのままでは線路を敷く事ができません。

そこで、線路を敷設できるように土木工事を行わなければなりません。その盛り土や架橋の為に消費される資材量を計算に入れて「不足です」と言って来ているのです。


線路敷設:資材1コで4ブロック

盛り土:資材4コで1ブロック

架橋(木橋):資材12コで1ブロック

架橋(石橋):資材18コで1ブロック

架橋(鉄橋):資材24コで1ブロック


こんなもので驚いていてはいけません。


切通し:資材16コで1ブロック

トンネル:資材32コで1ブロック


これだけの資材を使わないと、満足に線路が敷けない地形が随所に現れます。
マップ「グレート・ロックフェイス」では、一体この大山岳にどうやって線路を敷いたら良いのか判らない程です。

別ウインドウに出て来た「優先順位」とは、資材を節約する(同時に線路は曲がりくねり、勾配も急になります)のか、完成後の安定した列車運転の為に資材を湯水のように使って良いのか、と言う事を聞いて来ているのです。


2-2-4 町の発展と資材

駅が出来て人が住むようになると、人々は勝手に仕事を探して働き始めます。そのままでも全く問題はなさそうなものですが、鉄道会社の経営的には大問題を抱えているのです。詰り、

⇒町がある程度発展しないと、乗客が集まらない。

と言う事です。考えても見て下さい。入植して間も無く、開墾や伐採に追われてゆとりのある生活など夢のまた夢である人々が、一体何の用事があって余所へ出掛けようとするものですか?

このゲームでは、資材の原料や資材を輸送するだけでもある程度運賃が受け取れますが、安定した収入源は何と言っても旅客輸送です。その運賃設定はゲームバランスが危うくなる程高額で、上手に運転をして行けば自前で資材を作らなくても(詰り資材を全て輸入に頼ってでも)ゲームを遂行できる可能性はあります。


しかし残念な事に、町を発展させる為に必要な物、それもまた資材なのです。

駅に蓄積した資材は、本来線路敷設の為に使用されるべき物です。しかし町に住む人々にとっても、資材とは魅力的な物資と映るのでしょう。

・教会
・市場
・銀行


これらの建造物の内2つが自動的に建つと、それまでは慎ましい生活に満足していた住民達は、常に自分の店の前を舗装したり、建物を石造りの近代的なビルに変えようと考え始めるらしく、資材運搬列車が駅に着くと先を争って資材を買い求めようとします(もちろん彼らは現金で買って行きます。来週の水曜日に支払うから、等と言って日延べを頼む人はいません)。

実際に見ていると、駅の資材が減る度に、町のどこかの1ブロックが洗練された街区に変貌して行きます。そうすると今度は駅で列車を待つ旅客の姿が目に付くようになります。また余所の町からその町を訪問する旅客が現れます。ここに初めてその町は「目的地」となったわけです。人々にとっての目的地となった町には定期的に旅客が出入りし、従って巧く車両を運用すれば収入はかなり安定するでしょう。

一旦発展を始めてしまった町は、殆ど際限なく資材を呑み込もうとします。そうなっては線路工事も覚束ないので、そのような場合は駅の「町生成エリア」外に別の駅を設けて資材を搬入して見て下さい。町の人が幾ら喉から手が出る程資材を欲しがっているとしても、わざわざ町外れまで買いに出掛ける程ヒマではありません。


2-2-5 資材の輸出入

資材を自前で製造できるようになれば、それはドル箱を抱えたも同然と思って間違いではありません。線路工事や列車の運転には途方もないお金が必要であり、その為には資材の輸入と言った無駄な出費を極力避けなければいけないからです。

資材を製造する為の原料がマップから調達できるようになるまでの間は、やむを得ず外国から輸入しなければならない場面もある事でしょう。但しその場合は非常に大きな出費を覚悟しなければならないと思って下さい。


・資材1コの基本価格:50ドル

・資材1コの輸入価格:250ドル


5倍の値が付いています。その上外国に資材を発注する場合、100コを1単位として注文を受けるので(それはそうでしょう、たった1コの資材を運ぶ為に帆船1隻仕立てる阿呆はいません)、1回の発注で25000ドルが消し飛ぶものと覚悟して下さい。これがどれ程の散在なのかピンと来ない方は、4-4-0アメリカンA型1輌の値段が4500ドルに過ぎない事実に注目して下さい。
従って、資材の輸入はあくまでも「マップ上で原料を発見する為の線路工事」に目的を限定して行うべきです。

輸入に関してはもう一つ問題点があります。注文しても必ず荷が届くとは限らない点です。


・輸送途中の貨物船が遭難した場合

・輸出国が戦争中の為、敵国軍艦に拿捕されたり撃沈された場合


通常は注文して3ヶ月目の末日になると、始発駅に隣接する船着場に貨物船が到着し、荷下しをして代金を受け取り本国へ帰って行きますが、航海途中で遭難する事もありえます。或いは外国で戦争が起こっている場合に、貨物船が拿捕されて荷が届かない事もあります。
海難の場合は保険が掛かっている為か、荷が届かないだけで金銭的な損失にはなりませんが、拿捕や撃沈の場合は保険が利かないので「支払い金額の1/3」を支払わなければなりません。

この場合の「外国」とは詰りイギリスの事です。一足先に産業革命を成し遂げ、他国に工業製品を輸出できる国は、この時代イギリス一国しか存在しません。しかもイギリスはアメリカを非常に敵視しています。アメリカはアメリカで、イギリスを最悪の仮想敵国と見なしている有様で、そのような関係性が「資材輸入の不利」となって反映されているのでしょう。
この事はゲームの進行には関係ありませんが、あなたの貴重な時間を割いてマニュアルに目を通して頂いたのですから、これ位の情報を得る権利はあるでしょう。


輸入する資材の高額な事に目を剥いたあなたは、当然これを輸出すれば大儲けに繋がると考えるのも無理はありません。
正にその通りで、資材の輸出は大いに甘みのあるビジネスになる可能性をはらんでいます。

資材工場のストックヤードに、当面使う必要のない資材が積み上げられている場合、これを輸出して現金化すると言う事も考慮すべき選択肢です(資材が間に合っていても資金が底を尽きかけているシチュエーションは、このゲームでは非常に多く見られます)。


・資材1コの基本価格:50ドル

・資材1コの輸出価格:150ドル


輸入に比べて輸出は若干値が下がりますが、それでも1コで100ドルの利ざやは無視できません。遊ばせていても金を産まない資材であればいっそ輸出してしまいましょう。輸出は輸入と違って1コ単位で運用できます。外国の定期貨物船が立ち寄った際に、「ついでに」運び出してくれる為と思われます。

資材工場のストックヤードに並んでいる資材をドラッグし、右クリックしたまま船着場へ移動させると、その分量だけが輸出に回される事となり、次の定期貨物船が積み込んで買い付け国まで運んでくれます。


しかし、輸出についても問題点がないではありません。それは、


・輸送途中の貨物船が遭難した場合

・買い付け国が政治混乱や戦争等で発注をキャンセルする場合


しかもこれらのいずれの場合でも、金額的な保証は一切ありません。但し売れ残った資材は、遭難や拿捕されない限り再び帰って来て、元の資材工場のストックヤードに戻されます。

鉄道経営シミュレーションのガイドブックであれば、まず先に線路の敷設や列車の効果的な運用について書くべきなのでしょうが、その前に資材の独特の役割について知っておかないと、後々帽子からハトを出せなくて困るような場面に出っくわすかも知れません。



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