臺頭の進駐軍輸送(~1955)
1950年代初頭までの臺頭と言えばこの車両を外せません。バラック同然の職用客車オヤ9880~9881。厚木基地を始めとする米軍関連施設への日本人通勤客輸送に投じられた客車で座席はあるかなしか。室内照明もなく9881に至ってはその末期まで屋根に迷彩が残ったままで、側面窓の殆どが埋められています。
東神奈川電車区の支区があった臺頭には横浜機関区の臺頭機関支区が併設されていて、線内貨物や進駐軍輸送に任ずる6760や2120が常駐していました。殆どの仕業が大上信号場から分岐する基地関連の引き込み線での入れ替え輸送でしたが、その他朝夕に職員用客車オヤを牽く運用がありました。
大上信号場には神中線の短いホームがあって一部の電車が停車し、基地に勤務する日本人職員は海側の側線に待機しているオヤ9880に乗り込んで行きます。基地線側にはホームは無く、ドア下にその都度踏み台を置いてそこから乗車していました。このオヤ9880の出自は明らかではなく、1908年米国ブリル製としか判明していません。
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