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「コルレア」(ワイルド)親魚の成長過程と産卵活動


はじめに
 自家繁殖したチビコルレアについては、「育児記録」のページで育児録を掲載していますが、ここでは現地採集(ワイルド)個体の親魚が成長して産卵活動を開始し、現在(←2005年3月の時点での記録です。)に至るまでの成長変化を写真とともに紹介します。この種の産卵事例は、最近ではホームページ等で比較的多く見られるようになりましたが、ワイルドの親魚が産卵に至るまでの成長過程に関する詳しい情報はあまり見られません。個体差がありますので、以下はあくまでわが家の飼育環境下での参考記録として見ていただけたらと思います。

 ワイルドのコルレアは、♂3匹、♀3匹、合計6匹を飼育していますが、現在では全ての子が産卵活動に関わっています。まずは♂の3匹を見てみます。写真の下に示した大きさは、口先から尾ビレ付け根(尾筒)までの体長を表しています(尾ビレの大きさは含めていません)。実際に物差しを当てて測ったわけではなく、目測によるもので、最小単位を5mmに設定しました(←要するに適当です・・・汗)。A〜Cそれぞれの左にある写真は、導入して間も無い頃のもので、現地で産まれてからどのくらいの年齢であるかは、これまでの同種の飼育経験等を基にして、およそのところを推定しています。推定なので、最初から大きめな個体に関しては、誤差を大きく許容しなければなりません。中央と右の写真の下には、一番左の写真の時期から何ヶ月後であるかということと、その時点のおよその体長を記しています。


♂ 生後3-4ヶ月? (推定) 体長約20mm ♂ 12ヶ月後 体長約40mm ♂ 27ヵ月後 体長約50mm


♂ 生後1-2年? (推定) 体長約40mm ♂ 4ヶ月後 体長約40mm ♂ 26ヵ月後 体長約50mm


♂ 生後3-5年? (推定) 体長約50mm ♂ 10ヶ月後 体長約55mm ♂ 16ヵ月後 体長約55mm


コルレア(ワイルド♂)の成長過程と産卵活動


 上の写真でAの♂は、最初は20mmにも満たず、入荷直後のため激痩せしていたり、寄生虫がついていたりで、危険な状態でした。1年後のA-2の時期(体長約40mm)よりも3-4ヶ月前(推定生後約1年)から、混泳水槽内で♀を積極的に追いかける様子が見られました。A-2の約5ヶ月後(推定生後約1年半)からA-3の現在まで継続的に産卵活動に関わっていますが、この♂とTポジの相性が良い♀(下の写真のDとF)は、最初の頃、受精率が低い傾向がありました。現在は雌雄の成長とともに受精率は十分に高くなっています。食が細く、成長速度は♀と比べて非常にゆるやかです。

 Bの♂は、最初からある程度の大きさがあり、現在まで少しずつ大きくなっています。B-2の頃に抱卵し始めた♀(下の写真のD)がいて、初めて産卵をしたのですが、多忙で採卵することができず、孵化は確認できませんでした。B-2の約1年後からB-3の現在まで継続的に産卵活動に関わっています。この♂に限っては、♀3匹のどの個体とも相性が良いです。

 Cの♂は、導入時からずっとどの♀よりも大きいです。C-1の約半年後からC-3の現在まで継続的に産卵活動に関わっていますが、あまり積極的に♀を追いかけるようなことがありません。下の写真のEの♀とTポジの相性が良い傾向があります(♀の方が一回り以上も小さいですが…)。


♀ 生後9-12ヶ月? (推定) 体長約35mm ♀ 6ヶ月後 体長約45mm ♀ 28ヵ月後 体長約55mm


♀ 生後4-6ヶ月? (推定) 体長約25mm ♀ 2ヶ月後 体長約30mm ♀ 16ヵ月後 体長約50mm


♀ 生後6-8ヶ月? (推定) 体長約30mm ♀ 4ヶ月後 体長約35mm ♀ 15ヵ月後 体長約50mm


コルレア(ワイルド♀)の成長過程と産卵活動


 Dの♀は最初小さくて、お店で♂と言われたのをしばらく信じていました(苦笑)。食が太いので成長がとても早く、半年後のD-2の時期(推定生後約1年半弱)になると、抱卵した様子がはっきりと分かり、D-2から約1ヶ月後に最初の産卵をしましたが、稚魚の孵化は確認できませんでした。その1年後に専用水槽を用意して産卵に成功し、D-3の現在まで継続的に産卵しています。上の写真のA、Bの♂とTポジの相性が良いです。

 Eの♀も最初小さくて、ハイフィンでしたので、お店で♂と言われました。E-2の時期から4ヶ月後(推定生後約1年弱)に産卵を開始して、♀だと明らかになりました。E-3の現在まで継続的に産卵しています。ほとんど抱卵をしません。成長が早く、最初は体が倍以上もあった♂を1年もしないうちに追い抜かしていました。上の写真のBとCの♂とTポジの相性が良いです。

 Fの♀も最初小さかったので、雌雄不明でした。つまり1匹も♀は最初分かりませんでした(汗)。F-2の時期(推定生後約1年)に、もしかして♀かなと思っていたら抱卵し始めて、F-2から約1ヶ月後に産卵を開始しました。F-3の現在まで継続的に産卵しています。体型的特徴はEよりもDの♀に似ています。やはり成長が早いです。上の写真のAとBの♂とTポジの相性が良いです。


おわりに

 一時期は、親と子供くらいに大きさが違っていた頃もありましたが、現在は6匹とも同じくらいの大きさになっています。自分にとっては、憧れてきた夢のコリドラスで、1匹1匹少しずつ追加していった子達なので、それぞれの子に忘れられないほどの思い出があります。今になっても、どの子も初めて出会った頃の面影を残してくれていますし、遙か南米からやってきて何かの運命でわが家にきた子達ですから、1匹1匹の個性をずっと理解してあげていたいですね。すくすくと成長し、産卵する様子も見ることができたのは幸運な面ですが、同時に、導入直後の立ち上げや、調子を崩してしまった時の立て直しなど、様々な苦労も度々経験しました。魚を大切に飼育し、育て上げる上での独自のスタイルを模索するきっかけとなった思い出深い魚だと位置づけています。

(2005年3月28日, かずみ & TA)


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