Let's Enjoy Corydoras ! >> 育児記録 >> パラレルス(コルレア)の育児録

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C. パラレルス(コルレア)の育児録(産卵から約1年後まで)



 C. パラレルス(コルレア)が産卵しました。♪ (^^)
 ある蒸し暑い日の夜のことでした。以前に水温降下だけでは、オスが積極的になっても抱卵したメスが関心を示さなかったので、少し考えを改めて、様々な環境変化(水換え頻度の変更、大量換水、水温変化、水位変化など)を試みたことが功を奏したようです。(←といっても、決定的な要因は分かりませ〜ん・・・汗)最初の産卵から育児に至るまでは、私の場合、飼育を開始してからかなりの時を要しましたので、まずは焦らずに親魚を健康に飼育することが一番大切だと思います。

 産卵時間帯は夜でしたが、ライト点灯時間が夜だけ(夜6時から深夜2時)ですので魚の感覚的?には日中の産卵と考えた方が良いかもしれません。産卵は点灯中の間ずっと続いていたようです。3匹いるメスが全て産卵を経験していますが、うちの場合では、それぞれのメスが特定のオスと相性があるようです。産卵する周期や、一度に産卵する卵の平均数も個体ごとに異なります。また、好んで卵を産み付ける場所もそれぞれ異なるようです。親魚は、同一入荷便をまとめて購入したわけではなく、1匹ずつ追加していったものなので、採集地が若干異なる個体群の可能性があります。私達が見る限りで外見は似ているものの、魚達にとっては何らかの違いを感じているのかもしれません。

 初めての産卵後は、特別なことは何もおこなわず、環境を安定させて通常飼育を続けていましたが、継続的に産卵がありました。他種も含めて、これまでの個人的な経験の範囲では、一度メスに産卵を促すためのきっかけが与えられた後は、特に水換えや、水温変化等に関係なく、自然と産卵を続けることが多いように思います。そしてまた何かをきっかけに産卵を休止するようです。1年を通して同一のメスが産卵をしていましたので(←ほとんど食卵されていますが)、産卵日と、その日の前後の天候(良く言われる台風や低気圧の移動などとの関連)や気温、水換えからの日数等を記録しましたが、やはり特定の傾向は見られませんでした。

産卵時の動画も公開していますので、宜しければご覧下さいm(__)m



[初めての産卵をした時の環境など]
産卵日: 2004/05/11 夜
水槽:容量:約60 L (60 x 30 x 36 cm)
水温: 26 度
底砂:ADAブライトサンドを底が見えない程度に薄く
ろ過:外部ろ過エーハイム2213+上部ろ過
ライト点灯時間:夜6時から翌午前2時(8時間)
餌:冷凍赤虫メイン
水草:タイル活着ミクロソリウム+流木活着ウィローモス、鉢植えのアマゾンソード
雄:約 5.0 cm 雌:約 5.5 cm
比率:雄 2 対 雌 1 (後で雄 3 対 雌 3)
産卵数:103個
卵:約 2.2 mm
産卵場所:主にミクロソリウム
孵化:約 4〜5 日 ( 40 %)
pH:未計測(産卵時はおそらくpH7.0前後)


オス 体長約55mm

メス 体長約50mm
コルレアのペア


左の写真の3匹は、上の2匹とは別個体です。左の写真で、一番大きくて、お腹が横に少し膨らんでいるような子がメスです。すでに抱卵した状態です。残り2匹は、オスです。上から見ると意外と分かりやすいかもしれません。

産卵直前の水換え前の水槽

初産卵時の水槽の様子
Tポジションの様子


水換え後3日目の朝、水槽を見ると雌がしきりにガラス面に沿って上下運動を開始。夜の帰宅時にはTポジをして産卵をおこなっていました。
右にいるのはTポジを必死に邪魔する別のオスです。
卵を産み付ける様子
中央にいるメスが逆さまになって、卵をミクロソリウムの葉にくっつけようとしています。その間もオスはしきりにメスを追っかけています。
ガラス面にはあまり産み付けず、ほとんどの卵をミクロソリウムの水底すれすれのところに付けていました。孵化直後にできるだけ捕食されないような場所を選んでいるのかもしれませんが、別のメスではガラス面に産卵する場合もあります。
稚魚育成用水槽

45cm規格水槽に、外掛けOT-60とスポンジフィルターを装着。水は状態が良い90cm本水槽から全てもらって新規立ち上げしました。左上のプラケ内にだけメチレンブルーを入れてますが、孵化に失敗しました(汗)
卵はガラス面にくっつけてOT-60で適度な水流をあてています。(←最近はプラケに塩素入りの水道水を入れて、そのままで孵化させています。)
水温は25度より高くならないようにしました。
これまでアドルやデビットも同じでしたが、傾向として水温が高めだと孵化までの日数がやや早いけれど、卵が途中でカビてしまうことが多かったです。

水草に産み付けられた卵
上側の卵は白くカビてきたので破棄。
下側の卵は茶褐色になってきました。有精卵は産卵から1日もすると、このように茶色くなってきますので、無精卵と区別することができます。無精卵は放置しておくと、有精卵もカビさせてしまうので、採卵をしないか、すぐに破棄します。
産卵後3日目の有精卵


中央に黒い点が見えてきました。目でしょうか?この時期、卵の中をよ〜く見ていると、稚魚がクルっと動いたりもします。孵化までは適度に照明を当てた方が良いと思います。照明を当てていなかった時は、孵化できなかったり、孵化がとても遅くなったりしたことがあります。
孵化直後
産卵後4日目から孵化が始まりました。卵を採集したら、プラケの側面に貼り付けた方が、孵化の時に稚魚が卵から抜け出しやすいように思います。卵から上手く抜け出さない稚魚を見つけたら、スポイトで少し水流を当ててやると、抜け出せることもあります。
孵化4日目


まだ1cmにも満たないです。独立した背ビレはまだ見られません。孵化後3日目からブラインシュリンプを与え始めました。ブラインを食べて、お腹がオレンジ色になっています。
普段は朝と夜に給餌。夜は少量ずつ複数回に分けてできるだけ多く給餌しました。

稚魚水槽
卵を産み付けたミクロソリウムをそのまま持ってきました。水草があった方が水が安定するかな〜ということよりも、稚魚が落ち着く隠れ家にしています。
孵化8日目
背ビレが形成されてきました。大きさは1cmを超えたかな。こんな感じでミクロソリウムを活着させたタイルの下に隠れています。外掛けフィルターの水流もここならきつくありません。産まれてすぐからこのタイルの下にもぐってきますので、コリの習性ってすごいですね。
餌の時は水流を止めて、スポイトでタイルの下にブラインシュリンプを吹き込んであげます。
前日に90cm水槽の水を種水にして、80%以上の水を交換。換水は、飼育水の濁り具合を見ながら、3〜4日に1度の割合でおこなっています。

孵化11日目
孵化させた生ブラインの他に、たまに殻剥きブラインシュリンプのアルテミア、粉末状のベビーフード等を与えていますが、生餌になれてしまうと不評です。
稚魚水槽

数日前から底砂に大磯を薄く敷いてみました。砂を敷いていないミクロソリウムまわりを餌場にしています。
外掛けのOT専用のストレーナ部スポンジよりもP-IIスポンジの方が細かいゴミを遮断できるので交換しました。換水の際に、P-IIスポンジをもみ洗いするだけで済むので、こっちの方がメンテナンスが楽で助かります。
孵化13日目
この頃からたまに細くて短いイトメを選んで与えています。(←イトメを与えると確かに成長が早い気がしますが、どうしても病気の原因となるリスクがないとは言えませんので、現在は使用していません。)
背ビレの付け根が少しずつ黒くなってきたかな。
孵化17日目


ブライン食べてお腹いっぱい。まだまだどんな種類のコリドラスか分かりませんね。
この頃に、背ビレと尾ビレの間の脂ビレが、完全に形成されてきました。
孵化19日目
ふと気が付いてみたら、幼魚斑の中にラインらしきものが1本入ってきました。
幹事を務めたコリ大の2004年関東オフ会では、この頃、皆さんが我が家の水槽を見に来てくださいました。まだおチビでしたね〜
孵化22日目


上の写真と同じ子です。背ビレの下の黒斑と、ラインがはっきりしてきました。大きさは2cmを超えたくらいかな
孵化24日目
個体ごとの成長差が顕著になってきました。ラインの現われ方も個体によって多少違うようで、面白いです。
孵化27日目

幼魚斑が残っていますが、多くの子にうっすらとラインが見えてきました。平行な2本ラインのうち、上側のラインが先に形成されるようです。
稚魚水槽内の隠れ家
タイルの下からこんにちは〜
大きくなってきても、産まれた頃からの隠れ家がお気に入りの子がいるようです♪
孵化30日目

幼魚斑が少しずつ目立たなくなってきました。下側のラインもようやく見えてきたかな。
この頃から刻んだ冷凍赤虫を与え始めましたが、口に含んではエラから出てきてしまうといった感じで、食べるのが下手過ぎ。。。
孵化32日目
やや体高が出てきたかも。体の模様もようやくパラレルになってきました。平均的に見て、大きさ2.5cmは超えたと思います。
孵化35日目

タイルに乗って一休み♪
幼魚斑がほとんどなくなってきました。途切れ途切れだけれど、多くの子が2本線になってきました。

孵化38日目
腹ビレ立ち〜♪
ヒゲもバッチリ伸びています。大きくなってきたせいか、成長がゆるやかになってきたように感じます。仕草ももう大人と一緒ですね!
孵化40日目


こんな感じでスポット模様で、少しずつライン状になってくる子もいます。他の子と比べて、やや成長が遅いかな。
孵化42日目
この子は成長が一番早い子です。体が丸々としていますが、女の子かな。成長記録って、成長が早い子の写真ばかり撮ってしまいます。
多分、孵化19日目の写真のチビと同じ個体です。
もう外見は大人とそっくりですね!
背ビレが2方向に伸び始めた子

変なの〜
この子だけは青白い体色をしているので、遺伝的におかしいのかな〜。成長も、他の子と比べて一番遅いです。元気に育ってくれるのが一番だから、長生きしてね。
孵化45日目
気持ちいい〜って感じで泳いでます♪
もっと大きな水槽で泳ぎたい〜と主張しているのかもしれません。。。汗
孵化47日目

こんな風に立派になりました!
平均的に見て、大きさは3cmを超えたかな。大きくなってきたし、後から産まれた稚魚達も一緒の水槽なのでちょっと過密状態です。
コルレアは、初めての育児で、ほとんどの稚魚がここまで落ちずに成長できたのは、十分にろ過バクテリアが機能した水を本水槽からもらって小まめに換水して、水を安定させることができたのが良かったかな〜。
これからは夏の暑さが心配です。
孵化63日目
この子は、最初の産卵とは別のメスから産まれた子です。小さい頃から、ビヨ〜ンと背ビレが伸び始めています。どうも親メスの遺伝が強く表れる傾向があるような気がしています。
孵化64日目


初めての身体測定!大きな子は、全長4cmくらいになっていました。毎日暑くてたまらない日が続いていますが、室内クーラーで水温を28度以下におさえています。水槽を一回り大きなものに変えました。

ブライン孵化器
ペットボトルを加工した手製のブラインシュリンプ孵化器です。孵化したてのブラインの方が栄養価が高いそうです。私の場合は、一度に使いきれなかった分は、冷凍して保存してしまいます。
最近は友達に教えてもらったブライン孵化器を利用しています。とても使いやすく、手間もほとんどかからないので重宝しています。
浮遊式稚魚ケース


こちらも友達が考えた方法を真似してみました(^^)v
私でも簡単に作れるし、水換えの時に浮かべたままで良かったりするので、とても便利です。キスゴムで稚魚ケースを固定していると、キスゴムが外れて、稚魚もサヨウナラ〜が怖いので、こっちの方が優れものですね♪
約4ヵ月後
1匹も落ちることなく、見事に夏を切り抜けました!この頃、チビ達は頻繁に右に左に水槽内を群れになって泳いでいました。1匹が動くとつられたように、皆が後を追いかけて行ってます♪
お食事風景(赤虫タイム)


冷凍赤虫の時間です!底砂にばら撒くように赤虫を与えると、どこからともなく稚魚達が集まってきます。そして、あっという間に餌がなくなってしまうので、ビックリ!
約5ヵ月後
孵化63日目の写真に載せた子と同じ親から産まれた子です。背ビレが今のところ一番伸びています。少しずつ伸びてきているようです。お腹の下がちょっと出ていて、顔が少し丸っぽいのは、やっぱりブリードっ子ぽいかな。
お食事風景(タブレットタイム)


ひかりクレストのコリドラスタブレットにも皆が美味しそうに反応します♪赤虫ばっかりじゃ、飽きちゃうもんね(笑)
約6ヵ月後
ついに、大人のコリ達がいる水槽にデビューです!まだまだ小さいけれど、元気に育ってくれた姿を見ると、なんだか今までの育児の大変さが報われた感じがします。ようやく一段落です。
幼魚から若魚へ

上の約5ヶ月後の写真で登場している子と同じ子です。このぐらいの大きさで、ワイルドのチビ親魚を購入した子もいますが、ワイルドは小さくてもどこか精悍な顔をしているような気がします。ただの親心で、気のせいかも。。。

コリ文字〜♪(ブラインタイム)
ブラインシュリンプをあげる時に、底砂に文字を書いてみると、チビコリ達が集まってきてコリ文字完成〜♪
この頃、稚魚水槽ではADAのリオネグロサンドを使ってみました。砂が細かくてサラサラです〜。
約1年後

2枚上の写真と同じ子です。ゆっくりとですが、着実に大きくなっているようです。男の子は、水槽内でソワソワとメスを追いかけるような行動を見せてくれたりもします。背ビレも立派になりました!チビから育てたワイルドと比べると、やっぱり成長が遅いような気がします。初期の餌が重要なのかな〜。
「ダブルフィン・コルレア」
上の方で、「背ビレが2方向に伸び始めた子」として写真を載せた子が、成長は遅いものの、しっかりと成長してくれました。同じ頃に産まれた子達の中では、やっぱり一番小さいですが、逞しく生きている姿を見ると、嬉しいですね♪
2005年10月に開催された「生き物大好き!!LOVE FISHフェア」(主催:クロコ)に、この子達で出場し、ブリード部門で銀賞を受賞しました!
本水槽の中で…

1年も過ぎると、本水槽の中でも、安心して見てられる大きさに育ちました。兄弟姉妹ということを分かっているのか、水槽内ではいっつも一緒にかたまって行動していますし、あまり怖がらずに水槽の前面に出てきてくれます。これからもゆっくりと成長していきますが、育児録はこれで終わりにします。いつか2世が誕生する日を夢見て…


※本記事については、以前に「コリドラス大好き!」というサイト↓に掲載させていただきました。
http://www.nettaigyo.com/corydoras/diary/correai2/correai2-00.html
このページは、以前の記事に加筆修正を施し、孵化63日以降の写真を新たに追加した最新版です。

※ここに記された内容および写真の転用、無許可での直接Linkを一切禁じます。

(2004年7月11日, かずみ & TA, 2006年4月12日追記, TA)


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