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チビコリドラスの育成方法 (産卵から幼魚期まで)





■はじめに 〜コリドラスの雄と雌〜

 コリドラスを雌雄一緒に飼育していると、上手く行けば産卵をすることがあります。(←種類によって、産卵例をほとんど聞かない難易種もいます。ただ、比較的ワイルド個体よりも繁殖個体の方が、普通に飼育しているうちに自然と産卵してしまうことが多いように思います。また、一度産卵を経験した子は、産卵慣れというか、断続的に産卵をしてくれる場合が多いような…)
 コリドラスの雄と雌を見分けることは意外と難しいですが(小さい個体ではさらに難しくなります。)、基本的には雌の方が雄よりも体に丸みがあり、充分に成熟して抱卵した雌個体は、上から見たときにお腹が横に少し膨らんでいるという特徴があります。雌は餌食いが良くて、雄よりも成長が早いこともあります。良く腹ビレの形状を見て、ヒレが細長くて先端が尖っている方が雄で、ヒレがウチワ型に丸く広がっている方が雌と言われますが、ヒレだけを見て区別するのは、ちょっと慣れが必要な気がしますので、私は全体的な印象で、例えば同一入荷の個体群では大きめな方が雌で、小さめな方は雄っぽいかな〜程度にアバウトに判断してから、ヒレの形とか、上から見た時の体型とかを細かく確認したりします。(←それでもやっぱり間違うことは多々あります・・・汗)



■抱卵してから産卵まで

 雌のお腹が大きく膨らんで卵を蓄えるようになり、雌雄が揃っていたとしても、そのまますぐに産卵というわけでもありません。抱卵をしたままで、ずっと産卵をしていない雌もウチにはいます。産卵を促すために、専用水槽を用意して、いくらか飼育環境の工夫をしてみたこともありますが(←環境的な変化が産卵のきっかけとなることがありますので、海外の実績あるブリーダーさんでは、水温変化、水質変化、水位の変化、水流の変化、餌の変化など、種類によって様々な工夫をされている方もいます。)、コリドラス飼育に慣れないうちに無闇なことをおこなうのは、魚のことを考えればあまり良いことではありませんので、まずは飼育しているコリドラスをしっかり健康に育てることが大切だと思います。結果ばかり焦っても仕方ありませんので、普通の飼育の延長で運良く産卵をしてくれたら、コリ達の恩返しかなっと私は考えています。幸運に恵まれて、育児にチャレンジできることは、コリドラス飼育の楽しみの1つですね!!



■採卵から孵化まで

 産卵しただけでも嬉しくて喜びたくなるところですが、コリドラス達の頑張りに期待するのはここまでで、育児はここからが始まりです。しっかりと健康に子供を育てあげることができて初めてブリーディングに成功したと言えると思います。
 親のコリドラスは育児をしてくれません。中には産卵した卵を食べてしまう親魚もいますので、食卵に慣れてしまうと産卵しても、あっという間に全ての卵が食べられてしまいます。海外のブリーダーさんの中では、食卵を防ぐために産卵したペアを産卵後に別水槽に移してしまう方もいますが、私が育児をする場合は、大抵、卵だけを採集して別の容器(1リットルくらいのプラケ)や水槽で孵化させることが多いです。アドルなどの直径2mm弱で大きめな卵は指で採取していますが、もっと小さい卵の場合はウールマットなどを用いて採取される方もいるようです。私自身、いろいろと実際に経験するまでは、右も左も分からなかったので、最初はホームページや本を参考にして、いくつかの方法を試したりしました。

 孵化までは、プラケ等に採卵した卵が水カビで腐らないように、メチレンブルーを2、3滴入れてエアレーションをするとかの方法があり、本やホームページでもこの方法が紹介されているのを良く見ます。または、塩素入りの水道水をプラケに入れて、そのままエアレーションなしの止水状態でも、問題なく孵化させることができます。私の場合、最近は後者の方法しかやっていませんが、塩素のおかげで卵がカビることも少なく、とても簡単で良い方法でした。孵化する頃には塩素も抜けていますし、そのままで稚魚の育成を始めても問題になりません。これは産卵経験の豊富な方に教えていただいた方法です(^^)/
 経験上のことですが、孵化までの日数は水温と関係があるようです。水温26度の時は3〜4日で孵化した「コルレア」アドルフォイの卵も、水温24度では5〜6日はかかっています。水温が高いとカビてしまいやすいので、夏場も25度以下に保つようにしています。また、適度に光を当てないでいると、孵化が遅れることも(場合によっては孵化しないことも)ありました。



■孵化後の飼育環境

 孵化した後は、プラケもしくは小さめな水槽で育てて、稚魚が大きくなるごとにどうしても水槽が過密になってしまうので、大きめな水槽に移していくというパターンが多いと思います。生まれたての稚魚は一度にたくさん食べることができないので、1日に少量ずつ餌を数回あげたいところですが、ずっと家にいない限りそれは無理なので、普通は朝晩の2回が限度かもしれません。しかし、餌切れしないようにと1度に多めにあげてしまうと、小さなプラケや水槽では水質が悪化しやすく、特に孵化したての体力の無い稚魚には良くありません。水質の急変をできるだけ避けて少量ずつの水換えを毎日おこなう人もいるようです。また、残り餌はカビてしまうので、こまめに取り除いた方が良いのですが、これが結構大変です。

 孵化したての初期にできるだけ多くの栄養を与えたいというのに、水質悪化は稚魚飼育の最大の難関ということで、どうせ後々で、小さなプラケなどから大きめな水槽に変えることになるならば、最初から45cmくらいの水槽を用意してやってみようと思った時の1つの記録がこちらです。(←毎回同じように育児をしているわけではありませんので、一例として見ていただければと思います。)小さなプラケのまま飼育するよりは、水の管理がしやすいですし、稚魚の生存率は上がると思っています。この時の飼育環境では、45cm規格水槽に、テトラOT-60の外掛け式フィルターと、予備にスポンジフィルターを付けていました。

 先に孵化して成長中の稚魚が水槽内にいる場合、後で産まれた分の卵は小さなプラケ内で孵化をさせ、約1週間から10日過ぎた後は、スリットのついた稚魚ケースを同じ水槽に浮かべて飼育することが多いです。(大きな水槽に浮かべて、水を上手く循環させることで、小さなケースでも水の安定が容易になります。)そして、稚魚ケースの中で孵化後約3週もして、約2cm弱の大きさになってから水槽内に放します。



■孵化後の給餌

 大抵の場合、孵化後のチビコリはお腹のヨークサックから栄養を補給しますので、しばらく餌を与える必要がありません。3日後くらいにヨークサックが小さく萎んできた頃から給餌開始です。餌は主に生ブラインシュリンプをあげていますが、手間がかかりますので、殻剥きブラインのアルテミアを使うこともあります。産まれてすぐの場合は、アルテミアを手でさらに細かくすりつぶして与えることもあります。生ブラインもアルテミアもスポイトでチビコリの近くにふきかけてあげます。
 45cmくらいの大きめな水槽になると、産まれたばかりのチビコリが餌を探すのが大変なように思うところですが、小さなタイル等で隠れ家を作ってあげると、おのずと孵化したてのチビコリがタイルの下に集まってきますので、そこに餌をあげるだけで十分です。先天的に物陰に隠れる習性があるようですので、エアストーンの下のわずかな隙間に集まってくることもあります。

 私の場合、3〜4週間くらいしてチビコリが1.5cm程に大きくなった頃から、冷凍赤虫をハサミで細かく切った餌を与えます(最低1日に2回)。生きたブラインシュリンプに慣れてしまっていると、なかなか赤虫を食べようとしませんが、根気良く続けると、そのうち慣れてくれます。以前、稚魚に生きたイトメを与えたこともありましたが、確かに他の餌と比べて成長が早く、嗜好性も強い良餌なのですが、病気が発生するリスクが完全にないとは言えませんので、現在は全くイトメを与えていません。

 餌をあげるときはフィルターが餌を吸いこまないように、一時的にフィルターを停止させています。そして、残った餌は外掛けフィルターで吸い取ってしまいます。底に残った餌の除去は、よほど目立たない限り私はやりません。水換えの時に水槽をかき混ぜて網で掬ったりする程度です。外掛けフィルターのOT-60は給水口に純正のスポンジではなく、パワーフィルター用のP-Iスポンジを装着しています。OT-60内に入れる濾材は純正バイオバッグの中身の活性炭を捨てて、小さな球状の濾材や大磯砂を代わりに入れています。給水口にP-Iフィルターを取り付けているので、大きなゴミはOT-60の本体まで入りこまないから助かります。水換えの時には、上水を交換して、飼育水でP-Iスポンジをもみ洗いするだけで終了です。



■稚魚水槽の水換え

 水換えの頻度は定期的に決めているわけではなく、チビコリの餌食い状況を見て判断しています。水が悪化すると確実に食欲が低下しますので、短い時は2日に1度、長くて5日に1度くらいのペースで水換えします。(飼育数が多い時、私の場合は、1週間に最低2度くらいが目安で、上水を交換するだけです。わずか数リットルしかない小さなケースで飼育する場合は、こまめに少量ずつの水換えが良いと思います。)多量に餌を与えていた時は、毎回90cm本水槽の十分にバクテリアの湧いた水をもらって、80%以上の水の入れ替え(交換)をおこなっていたこともあります。新しい水で多量に水換えしてしまうと水質が急変してしまいますので、できるかぎり注意された方が安全だと思います。(←最近では、同じ45cm水槽で週に2度、1/2量の水を浄水器を通した水と交換していますが、特に大きな問題は出ていません。ろ材に充分にろ過バクテリアが住み着いていれば、これで大丈夫だと思いますが、立ち上げたばかりの水槽で育児をする場合は最初のうち数週間は本水槽の水を使って換え水した方が無難かと。)



■本水槽への旅立ち

 約3ヶ月間〜半年も飼育すると、稚魚の体長は3cmを超えて、親とそっくりな模様をしたかわいらしい若魚へと成長するでしょう。大人のコリドラス達がいる水槽と同じ餌にも充分に慣れていれば、合流をしても良い頃だと思います。過密水槽の場合、水槽移動した後の若魚が餌をきちんと食べれているかどうか注意が必要です。とても小さな卵から、ゆっくりと着実に大きく育ってくれた子供達が、新しい環境でも、愛に包まれた幸せな生活を送ってくれることを願うのは、コリ親に代わって、子育てを続けてきた親心かもしれないですね♪小さい子供コリドラス達が群れになったり、親魚と一緒になったりして、元気に泳ぐ姿を見ると、「健康に育ってくれて、ありがとう」という思いで、微笑ましくなります(^^)/

(2005年2月28日, かずみ&TA、2006年4月9日追記, TA)


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