上町屋台は宮参り後、所作事(長唄による子供の踊り)
を奉納、その後、辻辻で所作事を行いながら町中を
進みます。6畳の間より広いと言われる屋台同士の
すれ違いは、近年、車道と歩道を仕切る縁石が出来て
車道は狭くなっています。特に上町屋台は6台の山車
の中で屋根は最も大きい造りになっています。
すれ違いの時の屋根はスレスレ、慎重の上にも慎重な
すれ違いが行われます。 上町屋台の屋根は四方が
唐波風造りの屋根になっていますが屋台の中では唯一
です。
 また重量、高さとも大きな秩父の山車は車の舵が
切れないようになっています。その為、方向転換を
する時は山車の底の中心にキリン又は切り棒と言う物
で山車を持ち上げ車を浮かせ方向転換をさせます。
半径0mと言う小回りが利きますが、大きな山車をコマ
のように回転させる為、また、切り棒を使用する場合は
2本の角材をテコにして山車の尻を持ち上げた状態に
する為、横転する危険が有ります。以前はキリンを使って
いた所も切り棒に変わりキリンを使うのは上町屋台だけ
です。危険の伴う方向転換、声の掛け合いは危険防止に
重要、しかしお囃子の大太鼓は妨げになりますので、
大太鼓の代わりに小太鼓の「玉入れ」と言うリズムで
方向転換を行います。コロコロ玉の転がるように
聞こえるので玉入れと言いますが、熟練を必要とする
比較的難しいリズムですが、軽快感の有るリズムです。
秩父夜祭(3)