屋台が地元の町会に戻ると夜の準備が行われます。夜は提灯と雪洞を取り付けローソクに灯りが灯ります。
秩父の山車は、比較的簡単に提灯や、雪洞を組む仕掛けが出来ています。また夜祭り4台の屋台には、張り
出しの舞台も組める仕掛けが有ります。屋台に張り出しの舞台を組むと屋台が歌舞伎舞台に早変わりします。
毎年4台の屋台の内の1台の屋台が、当番町として屋台歌舞伎に使われます。2004年は中町、2005年は
本町が当番町になりますが、この順番は夜祭りで御旅所に巡行する時の屋台の順番と同じです。
 夜祭りでの御旅所へ向かう山車の順番は中近笠鉾>下郷笠鉾>宮地屋台>上町屋台>中町屋台>本町
屋台の順です。笠鉾は、歌舞伎を行いません。 屋台歌舞伎は3日の午後、1度しか行いませんでしたが、
最近は2日の宵祭りでも行われ、3日、通常の屋台歌舞伎の後、お練りで歌舞伎会場の場所を移し、野外の
特設舞台で3度の歌舞伎も上演されます。 2日の夜の宵待ち(宵祭り)にも少ない屋台ですが夜祭り同様に
ローソクの灯りを灯し練り歩きます。3日の夜祭りより人出は少ないので、こちらを楽しむのも良いと想います。
 12月3日は秩父夜祭り、秩父以外、或いは県外、最近は外国のお客さんも沢山訪れ人出は15〜20万人
を越えるとも言われます。
 
 私の住む高篠は秩父の総鎮守である秩父神社の夜祭には関係しますが、山車には直接関係をしません。
しかし、大勢の曳き子を必要とする山車は、地元で出られない人は日当を払って代わりの人に頼みます。
間接的には祭りに関係する事になります。
 私は秩父しののめ会として毎年、秩父の矢尾百貨店の敷地内の特設舞台での秩父屋台ばやしの公開演奏
に参加しています。
 
 
秩父夜祭(4)
上左の写真は本町屋台ですが後ろ幕に描かれているダルマの刺繍からダルマの屋台とも呼ば
れますが、宝船が描かれています。前面の幕は所作事の前後に降ろす下げ幕ですが、伊勢は、
二見浦の女夫岩が刺繍で描かれています。幕が上がると襖に描かれた日の出の太陽が現れます。

 右の写真は中町屋台は、唐波風の屋根に取り付けられた、鬼板に施された彫刻の大きいのが
大きな特徴です。
 上の写真は夜祭り、御旅所へ向けての巡行と御旅所の風景です。秩父夜祭りの最高潮は御旅所の手前の急坂(団子坂)での大きな山車の曳き上げ
ですが、冬の花火も見所です。古くは花火の打ち上げも遅く、山車の曳き返しも夜明かしになりましたが、最近は山車が御旅所に揃う時には花火も
終了間際、山車の曳き返しも早くなっていますが、最も屋台蔵に帰るのが遅いのは下郷、午前3時を廻り4時近くになるとも聞きます。
 夜祭りは宿の確保が難しいと想いますが始発電車は5時台の早い時間から有ります。夜は冷え込みますが、曳き返しの山車について歩く事で
始発まで時間潰しが出来ると想います。また、祭り最高潮の団子坂の山車曳き上げは有料の桟敷席を確保しないと見られませんが、団子坂を下る所は
有料桟敷が無料開放されます。団子坂を下る山車は、威勢良い曳き上げと違いゆっくり慎重に行います。私は隠れたクライマックスと想います。
宿も有料桟敷席も確保し難い現状、秩父夜祭の終了まで見物しては如何でしょうか。