北岳バットレス 四尾根 [アルパイン]


日付 2013/07/27(土)-28(日)

天候 27日 晴れのち曇り
28日 晴れのち曇り
パーティー構成 みわ・たかぎ・こうの(CL)

アプローチ 26日 [22:30] 愛甲石田駅==[25:00] 芦安駐車場(幕営)
ルートと所要時間
27日
芦安[5:30]==[6:35]広河原[6:45]--《1:45》--[8:30]大樺沢二俣--《0:55》--[9:25]C沢出合[10:00]--《1:30》--[11:30]白根御池 BC設営(幕営)

28日
BC[2:00]起床[2:55]--《1:45》--[4:40]下部岩壁基部(アンザイレン)[5:00]--《1:05》--[6:05]五尾根支稜〜下部フランケ下--《0:40》--[6:45]四尾根下部リッジ取付--《0:45》--[7:30]四尾根テラス--《3:30》--[11:00]四尾根終了点[11:30]--《0:20》--[11:50]北岳山頂--《1:25》--[13:15]BC 撤収[14:00]--《1:45》--[15:45]広河原[16:10]==芦安==帰路

前回の四尾根の記録は 2008こちら と 2010 こちらへ(たいした記録じゃないです 謝)

翌週 8/3-4 の様子は こちら

ルート情報 ・ 大樺沢の雪渓は昨年より少なめですが、下部岩壁下は多く残っています。基部はシュルンドが開いていますので末端の崩壊に注意が必要です。
・ Cガリーの状態が判らないので、今回は五尾根支稜からトラバースするルートを選定しました。
・ ピラミッド取付の残置から五尾根支稜の左上ランペまでをシュルンド沿いにスタカットでトラバースしました。
・ Cガリーのガレの堆積は相当なものです。(城塞の崩落した岩が砕けて堆積していますから、ね)
・ Bガリー大滝からも1PT取り付いていましたが、詳細は不明です。
・ 四尾根下部リッジを2P伸ばしました。ハングしたW級+ほどのリッジを辿るのですが高度感は最高。お薦めです。
・ 芦安バス停脇の温泉会館(?)の食事は16:00で終了してしまいます。(宿泊客がいられるためっぽい)


■ 四尾根テラスまで
下部岩壁基部(ピラミッドフェース取付)〜五尾根支稜2P〜Dガリー右凹角1P〜崩壊ハング下トラバース1P〜Cガリー経由 四尾根下部リッジ2P

■ 四尾根
・ 四尾根8P(懸垂1P含む)


・ 登攀PTは俺ら含め7PT程でしたが、他のPTはそれなりのレベル(俺らがビッケだな)の方達ばかりでしたので絶妙に間隔が開き待ちや渋滞はありませんでした。
-- 四尾根 : 神奈川 雪童3人PT / 兵庫の2人PT / 愛知の2人PT / ガイドっぽい??? 3人PT / その他
-- 奥壁 : イエティ関係者 2人PT

( ピッチ・グレードの評価は個人的なものですので参考までに )
報告&感想
相方2人が目指す、9月の烏帽子奥壁南稜と北岳四尾根のツルベ登攀の下準備として四尾根に入ってきました。当初は全装で肩ノ小屋まで抜けちゃいますかなんて考えていたけど、天候も微妙だしその気もなくなって前泊の入山祝いで飛ばしてしまったので予定通り翌日にBCからのアタックとなりました。

曇りがちの天候も幸いして暑くもなく寒くもなく、後続も渋滞もなく、滞りなく北岳山頂を踏む事ができました。2人の四尾根デビューにはもってこいだったのではないでしょうか。



本ルートに入る場合、3人ツルベだと時間ロスがあるためなるべく避けるようにしているのですが、今回はそんな懸念があったことも忘れてしまうくらいの、パートナー2人のベストパフォーマンス(上出来!)
講習や初心者を連れてゆく時の気苦労もなく、3Bややまちゃんと組むのと同じくらい楽しい山行になりました。




1日目


BC入り
広河原〜大樺沢二俣〜C沢出合〜白根御池 BC設営
[ 4時間 45分 ]


今回のバス酔いはクリア (^^

大樺沢の雪渓の状態確認や初日に全装登攀の可能性もあったので、今日は大樺沢経由で二俣まで。

二俣手前の雪渓

大樺沢 二俣

大樺沢の雪渓は昨年より少なめです。

雪渓の白と木々の濃い緑、そして青い空。
これぞ夏の北岳って感じですね.

バットレス沢の大岩

相方2人はC沢の出合まで登って行きましたが、
ガスが掛かり始めてモチも下がってきたので俺はここで待機。
雪渓を抜ける風で寒かった。

白根御池

昼前にBC設営。早々に英気を養いましょう(笑

もつ煮でお昼ご飯&安全祈願 (^^)/

縦走者が早々に到着しては立ってゆく脇でゆっくり話をする。定着のこのひとときはなんて贅沢な時間なんでしょうか。


2日目


バットレス四尾根登攀
BC〜五尾根支稜〜下部リッジ〜
四尾根〜北岳山頂〜BC〜広河原
[ 12時間 50分 ]


下部岩壁基部の手前の雪渓

大樺沢の雪渓ではうにゃーとか言いながらゆっくり(^^)滑落したやつがいたので、ここではFIXを張って基部まで。
暗いうちはシュルンドの確認は念入りにしましょう。



1P目 40m V級+ おれ

ピラミッドフェースの取付きでアンザイレンして、シュルンド内をトラバース後左上ランペから五尾根支稜のリッジまで。

雪渓がないと一段下を歩いてランペまで行けます。

2P目 50m V級+ みわ
支稜リッジを50m一杯で稜頂の立木でビレイ。

まあV級+

立木の位置が悪く、ビレイ姿勢が屈み気味になるので疲れます。
できればリードしたくない(すまん

3P目 40m W級- たかぎ
Dガリー右の凹状を登り、残置にてビレイ。

たかぎのリード体感でW級−にしときました。
実際はV級+程度です(謝

先行PTがピラミッドの左側を登ってたんでどこ行くんですかと尋ねると、下部フランケとの事。正規ルートを教えてあげましたが、下降も大変だったみたいです。このあと四尾根から奥壁に継続してました。


4P目 45m V級 おれ
崩壊ハング下をトラバース後、立木でビレイ。

ここの立木は高い位置にあります。

100m コンテ
緩傾斜帯の踏み跡をCガリーまで出て、幅の狭まる小滝手前を踏み跡に従い下部リッジまで。

このままCガリーをツメてヒドンガリーから上がってきたPTもいました。

落石の可能性がありますから左側を、ね。

1m近くガレが堆積しています。
崩落から2年経ちましたので安定しているようですが...。

5P目 30m W級+ おれ
テラスから一段上がって、リッジ上のハングを越えて残置にてビレイ。

多少カブリ気味で初見だと多少ビビリますが、残置もあり手を出せばしっかりしたホールドが必ずありますので、高度感を楽しみながら気持ちよく攀じれます。

ここの高度感はサイコーです。
四尾根の本ピッチもこれ位楽しいといいのですが。

6P目 30m V級 みわ
段々状を登りハイ松帯を越えると四尾根テラス

ヒドンガリー側から上がってきたPT


7P目 50m W級 おれ
フツーにクラック登って気持ち右上気味に上がって潅木の根でビレイ。

W級は離陸のみ。あとは左のカンテにホールドを求めればV級+。足は痛いが...(TT

残置支点はこの位置から右斜め下にありました。

ここで2人ツルベの後続PTに先を譲りました。

8P目 50m V級+ みわ
段々を上がって緩い傾斜のフェースを第一コルの残置まで50m一杯。

本来は3Pで登ります。

ここが白い岩のクラックといわれているフェースです。

9P目 15m V級 たかぎ
ちょっと登って直壁下のコルで肩がらみ。

短すぎて申し訳なかった。


10P目 40m W級+ みわ
カチが沢山あるのでサクッと登り、リッジ上を懸垂支点まで。

最初リッジを避けて登ってた。
ここはリッジ上を進まないと楽しさ半減だよ(^^

いやー、天気もそこそこだし、渋滞もないし、
後続もいないし、楽しいねー。

11P目 10m 懸垂
フツーに懸垂

相方2人の懸垂の準備と懸垂後の再アンザイレンの手際は素晴らしかった。

12P目 25m W級- たかぎ
右のクラックからスラブに出て下側の残置にてビレイ。

もう一段上の残置にすれば、枯木テラスで切らずに城塞下までトラバースできると思います。

13P目 30m W級+ みわ
リッジ上を抜けて枯木のテラスの残置にてビレイ。



トポによると、上部の△フェースを右から回り込むとX級-らしい (@_@) 確かにカチ系で足元切れてるし、みわちゃんが悩むワケだ。
俺も以前はびびった記憶があったような気がする。

お約束の一枚

14P目 40m X級- おれ
ハンドトラバース気味に城塞下までトラバースして、急なチムニーを抜けてハイ松の根でビレイ。

城塞下で切らない場合は150cmなどスリングでランナーをとらないと、ロープの引き上げで苦労しますよ。

チムニー抜けると枯木テラスが直下です。


これで3回目だけど、初めてA0せずに登った。登れないわけじゃなくてフォロアーだし面倒だったんで(笑

チムニー抜け口で。

全てヌケけてしまったっぽい。

みわちゃんは嬉々としてます(笑

次はリードだからね (^^)/

登攀装備を解いて。

いつものようにここからの登りがキツい。

北岳山頂

登攀で5回、一般道で1回。
北岳が庭みたいになってきた。




お疲れさま。
天候ももって無事に登攀・下山できました。

全14P。
相方2人の上達ぶりを見ていると嬉しくなります。
次はツルベで存分にリードしてください。