おんなのしんぶんかながわ |
女のしんぶん
HP版 おんなのしんぶんかながわ
2006年11月
「トーク・シンク・アクション」
講演会
「戦後史を通して考える私たちの課題」 報告
「平和への道」を求めて
神奈川県本部では毎年「トーク・シンク・アクション」と称して、その時の情勢などからテーマを設定し、講演会を開催しています。今年は平和憲法、教育基本法の改悪が迫る中で、私たちが今後どのように運動を進めていったらよいかを、今一度考えなおしてみたらどうか、ということで「戦後史を通して考える私たちの課題」をテーマに、神奈川大学特任教授、一橋大学名誉教授の中村政則先生をお招きして10月7日(土)に地域文化会館の会議室で開催しました。会員外へも呼びかけをしたので、男性の方の参加も予想以上にあり、3連休の初日という設定にも関わらず盛況であったことは、今の危機的状況を乗り切るにはどうしたらよいかを思いめぐらしている仲間がたくさんいるということであり、心強い思いがしました。
中村先生は、自らの学童疎開、そして60年安保闘争から決定的な影響を受け、そのことがきっかけで、学生時代は経済学を学んでいたのが、歴史を研究することになったことなどご自身の体験を重ね合わせ、61年の戦後史を短い時間ではありましたが簡潔にお話くださいました。
憲法と教育基本法に関していえば、日本国憲法は象徴天皇の第1条と戦争放棄の第9条が最大の特色だが、この2つはバーターの関係であり、また制定過程を振り返っても、制定後60年を経て1字1句変えられていないことをみても、決して押し付け憲法とはいえないし、中身がとても良いものであるということ。そして1960年代からあった「期待される人間像」的な考え方が今また出てきているが、それは政治的に危機があると出てくるもので、教育基本法「改正」にしても教育を変えるということは、政権の弱さの表れで、今の安倍政権もしかりだということ。また、反発ナショナリズムや反日ナショナリズムは今後もおこりうるが、天皇制ナショナリズムは成立しないだろう、というお話もありました。
特に印象に残ったことは、「戦後」とは敗戦国にとっては戦争責任、賠償問題など過去の清算、克服がともない、その総括が終わらない限り「戦後」は終わらない、つまり日本の「戦後」は終わっていないのだということ。この「戦後」の終わらせ方には対抗的な二つの道がありそれは「戦争への道」か「平和への道」か、ということで、この問題に最終決着を付けるのは憲法「改正」問題であり、今日本は1950年代に次ぐ岐路に立っており、この問題で過ちをおかせば、この先50年から100年の日本の未来を拘束することになるだろう、ということでした。
とにかく「国民投票法案」の内容について、しっかりと判断をしないとこの先大きな過ちをおかすことになる、という先生の言葉を肝に銘じ、ひるまずに「反対」の声をあげられるように皆で力を合わせていきたいと再確認をしました。 (藤沢・脇 礼子)
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