第2回 春分図リーディング2

テキスト−演習占星学入門 
     応用占星学入門 石川源晃著 平河出版


1,国民の経済状態について読んでみましょう。

 演習占星学入門の124ページ及び、応用の83ページによると、マンデン図で政治経済を論じる場合には、政府はMCと第10ハウスで表示され、国民はASCアセンダントと第1ハウスで表示されるとあります。

 99年度の春分図では、国民の状況を表すASCアセンダントと、国民の懐具合を表す第2ハウスカスプが、ともにかにのサインなので、これらのことは月が表示天体となります。

A,月は金銭を表す おうしのサインで第11ハウスに入居し、第5ハウス(白日のもとにさらされる)の さそりのサインの火星、第8ハウス(外国為替やヘッジなど)の みずがめの天王星とTスクエアになっています。

B,また、金銭を表す金星を見てみると、サインはおうしで
ASCアセンダントとセクスタイル、土星とコンジャンクション、8ハウスにいる海王星とスクエアになっています。

 まずA,を検討すると、
国民のお金は、海外がらみのことが原因で、大きく損をしていることに突然気がつく。というように読めます。
 海外先物相場とか、外貨預金など、金融ビックバンによって、現在では一般の国民にとっても、海外とのお金の取り引きは身近になっています。

 また、第8ハウスは国の貯蓄も表すので、海外への円借款などが相手国の経済や政治の混乱によって、債務不良や債務取消などにあい、投資している分が返ってこなくなって損をする、と読むこともできるでしょう。

 相手国が何処の国かということは、日本の春分図だけでは特定できませんが、他の国の春分図がどのような状態かを検討することによって、予測を立てることは可能です。

 例えば、春分図の天王星が第10ハウスに入るような国は、政治的に不安定でしょう。今年の春分図では、東経100度や110度あたりに首都がある国がその条件にあてはまります。

 さて、B,の天体の組合わせを検討すると、国民はお金(金星)に関してガマン(土星)を強いられるものの、その努力の効果は無効(海王星)になってしまうというように読めます。
海王星は、1,の組合わせ同様に第8ハウスなので、外債がらみや海外に進出した企業、海外拠点、工場などが関係するということがいえます。

2,政治関連について考えましょう。
 政府を表す天体太陽は、本来の場所である第10ハウスに入居しているので、強力でしょう。しかも、10ハウスには木星が入居して官僚を表す第6ハウスの冥王星及び ジュノーとトラインなので、政官は密接な関係にあり、政府は楽観的で危機感がなく、官庁のいうなりになるといったように読めます。

 しかし、冥王星、ジュノーは、国民が基盤とするところを表すICとスクエアなので、この政官の関係によって、日本は住みにくい国になるという表示にもなります。日本人にとって、不安定で不安を感じるような状況を表します。

 特に、国会を表す11ハウスには国民を表す月が入居し、火星、天王星とTスクエアなので、99年度中に国会で成立する法案などによって、日本国民は犠牲を強いられるでしょう。

 また、第5ハウスは隠れていたことが露見することを表すので、これらの天体の組合わせは、政治家などの裏取り引きや密約などがばれて、国民がヒステリックに騒いだり、激怒するということも表しています。

 第10ハウスに入っている水星は、ノーアスペクトで逆行しており、サインはうおです。したがって、政府のいうことは、説明が足りず、言っていることが国民には理解できないように感じる、ということも表示しています。

3,外交問題について考えてみましょう。
 同盟国を表す第7ハウスのサインはやぎなので、表示体は土星になります。土星は金星とコンジャンクションしていて、海王星とスクエアです。

 日本にとって最大の同盟国はアメリカですが、この天体の組合わせは、アメリカからの経済に関する圧力が増すということと、その圧力が理解不能で、理不尽なものに感じるということを表しています。

 以上で99年の春分図の解説は終了し、次回からは、バース・チャートについて実際にリーディングしてみる予定です。


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