レクチャー・中、上級編 
実践的チャートリーディング
第1回 春分図リーディング1

テキスト−演習占星学入門 
     応用占星学入門 石川源晃著 平河出版

大杉 のりい


 レクチャーの中、上級編では、実際にチャートを読んでいきましょう。リーディングの最初としては、特殊な部類に入る春分図の読み方からはじめるのは少々むずかしい部分もあると思います。

 でも、季節的にも新しい年度が始まるこの時期には、やはり春分図を解説するのがいちばんふさわしいと思いますのでトライしてみることにしました。

 まず、知っておいて頂きたいのは、マンデン図は、人や企業のバースチャートとは、天体一つをとってみても、表している事項が大幅に違っていることがあるということです。

 例えば、演習占星学入門の124ページにあるように、12ハウスの表す事柄が、バースチャートとは大幅に違っています。もちろん、表す事柄を基本的なコアの部分まで突き詰めて考えれば、同じことを表しているともいえますが。
 以下は、その部分をふまえてお読み下さい。

★では、ASCアセンダントやICなどから検討をはじめましょう。

1,気候に関することを考えてみましょう。
 99年の日本における春分図の、ASCアセンダントのサインは かにで、ICのサインは おとめです。応用占星学入門87ページによると、かにのサインは多湿を表し、 おとめのサインは風や低温を表します。

 したがって、99年度の一年間は、雨が多く、それほど気温が上がらないという予想ができます。
おとめのサインが風を示唆していますが、第1ハウス、第4ハウスなどアンギュラーハウスにマレフィック天体が入居していないので、台風の強い影響など、過酷な気象にはならないと読むことができます。

 その点、98年度の春分図には、火星、土星というマレフィックが第1ハウスに入居している上に、ASCアセンダントが雨を表す うお、ICが風を表す ふたごだったので、あれだけの台風被害がでたということと一致します。

 また、マレフィック天体は、夏の酷暑や、季節の変わり目の気温の大きな変化、長雨や、反対に日照りなど、人間にとって過酷な一年間であったことも表しています。

 さて、99年の春分図に戻ると、マレフィック天体の強い影響はないので、人間にとってはそれほど苦痛になるような気候ではないと予測できます。

 では、植物にとってはどうでしょうか。

2,作物の出来具合について考えましょう。
 農作物、特に稲作にとっては、梅雨の大量の雨や、夏の暑い日差しなど、メリハリのある気候が順調な生育の必要条件です。
 人間にとってはアップダウンが少なく、快適に過ごせる気候でも、作物にとっては歓迎できる気候ではないようです。

 では、農作物を表す天体 セレスを検討してみましょう。
セレスは12ハウスに入居し、6ハウスの冥王星、ICとTスクエアを作っています。セレスとマレフィック天体とのハードアスペクトは、凶作を表します。

 このアスペクトは、6ハウスは官庁を表し、12ハウスは隠れて見えないところを表すので、作物の生育不良に皆がなかなか気がつかず、農林省などの手当が適切でなく、傷を広げてしまうということも考えられます。

 生育不良の原因は、前述したようなことから、低温や日照不足と思われます。

3,ICについて検討します。
 ICは、春分図では地面を表します。99年の春分図では冥王星、 ジュノー、セレスとTスクエアを作っています。応用の113ページや120ページにあるように、ジュノーや冥王星は地核を攻撃する天体とされています。

 しかし、94年度の春分図のように、複数のマレフィック天体がヨードなど強いアスペクトを作ってはいないので、かつてほどの大きな災害はないと予測できます。

 セレスは地下水を表しているので、ASCアセンダントのサインも考慮に入れると、崖崩れなど、水の作用によって地面が崩れる表示と読むことができます。

次回は、政治経済問題についてチャートを読んでいく予定です。


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