実験航空隊

この部屋に入られた貴方は、もう紙飛行機のパイロットライセンスを取られた方と思います。
この部屋では、特別な説明はありません。
私たちが、今まで経験した色々な出来事を、その解決策と一緒に保管してあります。
それが正しい方法か否かは解りません、参考にして貴方なりに解決して下さい。
もしも、貴方がここに保管されている事例よりも、更に秘策が有りましたら、
どうぞメールでアドバイスして下さい。 戴いたアドバイスは、勝手にこの部屋に保管されます。
従って、貴方が公開したくない秘策は、非公開と備考して下さい。

症状1 旋回上昇法で機体を傾けた方向に、いきなり突っ込んでしまう。

左旋回をする機体は主翼右を上げようとする力が掛かります。今、右利きの人が機体を右に傾けて発射した
場合、左旋回の機体は右に傾けられた角度を起こしながら、右旋回で上昇し終には主翼を水平の状態にして
次には左旋回を始めます。
傾けた方向に、いきなり突っ込むのは発射方法と旋回性が同じ方向で有る場合です。
対策は: 反対方向に発射するか、現在の旋回性を逆にする事です。 基本として、右利きの人は左旋回に
左利きの人は右旋回に機体を調節します。

症状2 発射直後いきなり宙返りをして、充分な高さに上がらない。
  
  重心位置を確認して下さい。ホワイトウィング機では、重心位置が予め示されております。 通常は主翼の前から
  翼弦の80%程度です。 重心位置が正しいのにこの状態になるのは、主翼の取付角(前が僅かに高くなる)が大き
  すぎる場合、尾翼の揚力が不足している場合です。取付角が大きいと手投げの場合とゴムによる高速発射の場合
  の違いが大きく出ます。 紙飛行機の場合、せいぜい2度程度までです(翼弦50mmで前が2mm以下)。
  取付角に問題が無ければ、尾翼のエレベーター部分(後縁部分)を僅かに下げます。 下げすぎると逆に墜落する、
  少しずつ下げて適当な所を発見しましょう。 ただし、尾翼のエレベーターを下げる方法は、結果的に平常滑空の
  性能を下げる結果となりますから、高度は高く上がるが、飛行時間は延びない事になります。
  基本として、水平尾翼は、あくまでも水平である事を前提に調節しましょう。

症状3 機体の傾きが徐々に大きくなり、最後には横向きで墜落する。

主に主翼のバランスが取れていない場合に起きます。特に上反角の少ない機体に発生します。
この状態をスクロールダイブと言います、左右どちらかの揚力が大きすぎるか小さすぎる場合です。
対策は、徹底的に主翼(尾翼の場合もある)のバランスを取る事です、激しくない場合は僅かに上反角を大きくする
事でも直ります。 スクロールダイブする時に下側になった側が揚力の少ない側です、その側のエルロン部分を
(主翼の後縁)少し下げるか、反対のエルロンを上げます。
バランスが取れているか居ないかは、水平カタパルト発射をしてみると解ります。
水平発射のテストは、周りの人の安全を確認して行ってください。
症状4 サーフィンの様にピッチングを起こし、それが徐々に強くなって最後はストンと落ちる。

  重心が僅かに後の場合と、尾翼エレベーターが僅かに上がっている場合です。
  この様な動きを、フュゴイド運動と言います。 
  対策は: 軽い症状の場合はエレベーターをほんの僅か下げる事で解決しますが、激しい場合には重心を
  前に移動します。

症状5 旋回半径がだんだん小さくなり、降下速度が速くなる。

  症状3の軽い状態がこの現象を起こします。対策は症状3の対策を応用します。但し左右の主翼バランスを完全に
  取ると、旋回性が無くなり、ロストする原因になりますから、垂直尾翼で旋回性を補助します。
  問題はV尾翼機の場合です、V尾翼機の場合は、主翼と尾翼の上反角を僅かに差を付ける事で旋回性を与えます
  V尾翼機は水平尾翼機以上に、主翼、尾翼のバランスが性能に大きく影響します。
  尾翼容積率にも拠りますが、私の経験では5度程度の差が良かったと思います。

症状6 発射直後に背面になりそのまま飛行するか、或いは背面飛行を起こし易い。

  主翼取付角0の機体に発生しやすい、この様な機体でエレベーターを下げすぎると、相対的な取付角がーになって
  しまう事が原因です。 また上反角の少ない機体でも発生しやすい。
  対策は: 重心を少し前に出して、尾翼エレベーターでの補正を小さくする。