症状7 左右にフラフラと主翼を振って不安定に飛ぶ。
上反角の不足です。 症状が軽い場合は安心感が無いですが、特に問題は有りません、垂直上昇型の場合には
上反角は必然的に少なくなる傾向ですから、そのような飛び方でも降下速度が遅ければ問題は有りません。
但し、一般にこの状態ですと、当然横風に弱く、僅かな横風でも突然に姿勢を崩してしまう傾向があります。
支障が無い範囲で上反角を増して対応します。
主翼の左右バランスの僅かな違いでも発生します、この場合は上反角を増やしても、その傾向が残ります。
HP訪問者からの質問で背面飛行の問題がありました
上反角と後退角に関する質問でした。ここでこれ等を纏めて説明いたしましょう。
(あくまでも経験上の結果ですから、間違いが有るかもしれません)
後退角は空気抵抗を少なくする目的で導入された翼型です、したがって紙飛行機の様に滑空速度の遅いものに
は、あまり意味のない翼型ですが、垂直上昇型の物には比較的多く利用されています。紙飛行機で後退翼が
その効果を出すのは、ゴム発射をした、直後の僅かな時間だけです(ゴムカタパルト発射では、時速150〜200K
m程度になる)。
一方後退角を持つ翼は後退角が上反角を補う働きも確認されています。垂直上昇の時など、発射直後に宙返り
状態になるのは、速度に拠る主翼/尾翼の揚力比の変化によって(主翼揚力が大きくなる)、揚力中心(主翼と
尾翼の揚力がバランスする位置)が高速の場合前方に移動します、そのために重心位置よりも揚力中心
が前にでて、宙返りに入る訳です。それを防ぐ為に尾翼のエレベーターを下げ、尾翼の揚力を上げる調整がされ
ますが、これが過ぎると、結果的に主翼の迎え角がマイナスになってしまい、通常滑空速度では背面安定の状態
が成立してしまうのです。 上反角はロールして背面に入る事を防止してくれる事は確実ですが、ここで問題が
一つ発生します。
私達が機体の重心を求める時に、機体の水平になる点を重心としておりますが、この位置は静的な重量バランス
の重心位置です。 実際には飛行速度によって動的な重心(ダイナミックバランス)は変化します。
上反角が大きいと、この動的な重心位置は、翼端の誘導抗力の為に、高い位置に変化します。
この変化が、更に宙返り現象を大きくします。
したがって、上反角は少ない方が垂直上昇には向いています。しかし上反角も安定滑空には必要です。
この不足しがちな上反角を補う為に、後退角が導入されている、とも説明できます。
しかし、紙飛行機では、先にも述べた様に、後退角による効果はあまり期待できません。
むしろ、後退角を持った翼のスタイルの良さの方が問題かもしれません。
ただ、上反角と宙返り現象は成り立ちます、試されるには、程度に垂直上昇可能な機体に上反角を更に増やす
調整をしてみて下さい、その違いが良く解ると思います。
紙飛行機で滑空比の良い翼の形状をテストして見ました。興味が有りましたら、
上のタイトルをクリックして覗いて見てください。
滑空比を良くする為の調整法をまとめて見ました。
あくまでも私の方法です、参考に成れば結構。