八尾市立埋蔵文化財調査センター
発掘情報
平成27(2015)年度
弥生時代後期の方形周溝墓を発見
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水越遺跡(みずこしいせき)<第20次調査>
千塚(ちづか)二丁目
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水越遺跡は八尾市の北西部に位置する縄文時代中期(BC30C)〜室町時代(16C)の複合遺跡です。当遺跡は、八尾市山畑付近を中心に、東西約1.25km、南北約1.2kmがその範囲と推定されており、地形的には、生駒山地西麓部に発達した緩扇状地上(標高12〜55m)に立地しています。
今回の調査は、高安中学校区における施設一体型小・中学校整備に伴う発掘調査で、調査面積は約317uです。調査の結果、弥生時代前期〜中世にかけての遺構および遺物包含層を確認しました。
弥生時代後期では、調査地の西部で方形周溝墓が3基<方形周溝墓301〜303>確認され、同時期は墓域であったことが判りました。これらの方形周溝墓群は、弥生時代前期〜中期の遺構郡を削平して造営されていることが明らかになりました。3基の方形周溝墓は、埋葬主体部などが未検出であるため詳細は不明ですが、周溝内からほぼ完形に復元できた手焙形土器が1点出土しており、この遺物が盛土上面に供献されたものであるならば、弥生時代後期中頃(1C末〜2C初頭)の方形周溝墓の可能性があります。
古墳時代中期では、土坑<SK111>から古墳時代中期(5C後半〜末)の土師器・須恵器・製塩土器とともに、石製品(滑石製紡錘車・砥石など)、馬の歯などが見つかりました。また、土坑<SK201>からも同時期の土師器・須恵器・製塩土器とともに滑石製紡錘車や馬の歯が出土しており、何等かの祭祀に関連する遺構群の可能性が考えられます。当該期の本調査地一体の性格を推測する上で特筆すべき成果と言えます。
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調査地周辺状況-南西から-
1区 弥生時代後期の方形周溝墓群-北西から-
方形周溝墓301・302検出状況-南から-
方形周溝墓301・302検出状況-南から-
1区南半 古墳時代中期の遺構-南から-
土坑<SK111>内馬の歯検出状況-北から-
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