八尾市立埋蔵文化財調査センター
発掘情報
平成26(2014)年度


中世寺院を中心とした集落を発見!

平安時代後期〜鎌倉時代の居住域を確認

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中田遺跡(なかたいせき)<第56次調査>
中田(なかた)三丁目






 中田遺跡は八尾市中南部に位置する弥生時代前期(前4C)から鎌倉時代(13C)に至る複合遺跡です。
 分譲住宅建設に伴う発掘調査を実施した結果、上面で平安時代後期末〜鎌倉時代初頭(12C末〜13C初頭)、下面で古墳時代中期(5C)の遺構・遺物が見つかりました。
 上面を中心とした居住域に関連した遺構については、平安時代後期の創建と推定される善坊寺に近接しており、これまでの調査成果を含めて寺院を中心に展開した居住域と推定されます。下面では、古墳時代中期の遺構が検出されているほか円筒埴輪や家形埴輪が出土しています。調査地点の小字名が「梶原塚」であることから中世時期には古墳が存在していたようです。






2区第1面 平安時代後期末〜鎌倉時代初頭(12C末〜13C前)の遺構検出面




2区第1面 曲物井戸〈SE1〉
左-井戸内遺物出土状況  右-井戸完掘状況




8区第1面 平安時代末(12C末)〜古墳時代中期(5C)の遺構検出状況




8区第2面 古墳時代中期(5C)遺構検出状況





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