八尾市立埋蔵文化財調査センター
発掘情報
平成25(2013)年度


河内型庄内式甕の最古形式を発見!

古墳時代初頭前半(3C前半)の居住域を確認

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矢作遺跡(やはぎいせき)<第10次調査>
高美町(たかみちょう)三丁目





 
 矢作遺跡は八尾市のほぼ中央部に位置する弥生時代〜中世の遺跡です。地理的には、旧大和川の主流であった長瀬川と玉串川に挟まれた沖積地上に立地しています。
 高美小学校給食調理場改築に伴う発掘調査を行いました。調査では当地が弥生時代後期頃(2C)に埋没する河川域に当たることが確認され、その後、古墳時代初頭(3C)〜平安時代後期(12C)には集落域となっていたことがわかりました。なかでも、古墳時代初頭前半の土坑からは、河内型庄内式甕の成立期に見られる在地産庄内式甕が出土しています。これまでの中田・小阪合・久宝寺遺跡に加えて、矢作遺跡でも河内型庄内式甕の成立段階から在地産の甕が製作されていたようです。





最古の在地産河内型庄内式甕(古墳時代初頭前半)が発見された土坑




古墳時代初頭前半(3C)の土器出土状況






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