八尾市立埋蔵文化財調査センター
発掘情報
平成19(2007)年度


市内最大規模の発掘調査

面積約12,000u(山本球場1.2個分を発掘調査。
古墳〜平安時代の遺構・遺物を多数確認
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
久宝寺遺跡(きゅうほうじいせき)第70次調査
(龍華町(りゅうげちょう)一丁目)



 今回の調査はJR久宝寺駅の南東側、八尾市立病院の西に隣接した地点で実施したものです。1ha(ヘクタール)を超える大規模な発掘調査(11,900u)で、これまでの市内発掘調査の中でも最大級です。調査では古墳〜平安時代の遺構・遺物を多数確認しました。

古墳時代中期の遺構では、住居跡や大量の土器が投棄された溝などが確認され、居住域の区画にかかわる手がかりを得ました。

また古墳時代後期の溝や水田跡から鉄剣が出土しています。調査地の西側では七ツ門(ななつもん)古墳(6世紀中頃)が見つかっており、これらを含めて当地一帯が墓域であった可能性もあります。

 



 この他、飛鳥時代(7世紀)の遺構からは、完全な形の須恵器横瓶(よこべ)などが出土しています。

 平安時代では、曲物の周囲を竹で囲んだ大変珍しい井戸を確認しました。
また地鎮祭のような儀式、呪い(まじない)をしたと思われる多数の土師器皿も出土しています。

 
調査地(後方がJR久宝寺駅)

 




古墳時代中期の大型建物跡を確認


集落の東を区画する溝か?
土器が大量に投棄(とうき)されていました。
<古墳時代中期>



溝跡から鉄剣が出土した状況
<古墳時代後期>


鉄剣
<古墳時代後期>







大量に出土した須恵器など
<古墳時代前期後半〜中期>



古墳時代前期後半〜中期の竪穴住居跡
平面は、一辺およそ6mの方形でした。




曲物を竹で囲んだ珍しい構造の井戸側(いどがわ)
<平安時代後期>



多数の土師器皿が並んで出土。
地鎮祭のような儀式のあとか?
<平安時代後期>

 


平成19(2007)年度発掘情報の目次へ戻る

トップページへ戻る