八尾市立埋蔵文化財調査センター
発掘情報
平成19(2007)年度


約1600年前の「水辺の祭祀跡(みずべのさいしあと)
銅鏡・鉄剣・勾玉などが、ミニチュア土器とセットで出土!!
<古墳時代前期>


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(小阪合遺跡(こざかあいいせき)41次調査−若草町)



 古墳時代前期後半(4世紀後半)の河川跡において、水辺の祭祀(さいし)に伴う遺物が多量に出土しました。

ミニチュア土器を含む古式土師器
(こしきはじき)
や、金属製品(銅鏡<内行花文鏡(ないこうかもんきょう)>1点、鹿角装(ろっかくそう)鉄刀(てっとう)1点、鹿角装鉄剣(てっけん)1点、鉄鉾(てつほこ)2点)、石製品(勾玉(まがたま)、管玉(くだたま)、臼玉(うすだま)、有孔円板(ゆうこうえんばん))、木製品((さや)1点、鋤1点)などです。

出土状況からみて、水辺に生えていた2本の木(ヤナギ科、クワ科)の周辺で、何らかの祭祀が行われたと思われます。古墳時代の祭祀遺構で鏡・剣・玉がセットで確認されたのは、府下では初めてです。


この他、第41次調査では、弥生時代後期〜近世の遺構、遺物を確認しました。

弥生時代後期の竪穴住居、古墳時代初頭〜前期では、山陰地方や東部瀬戸内地方からの搬入土器を含む多量の古式土師器)を廃棄した井戸や溝が見つかりました。

奈良時代では呪(まじな)いに関連した銭貨(せんか)(皇朝十二銭(こうちょうじゅうにせん))や墨書人面(ぼくしょじんめん)土器、中世では溝に区画された建物跡を確認しました。


水辺の祭祀関係


▲水辺の祭祀に伴う出土遺物の位置

青色部分は川か溝(もしくは池)、 黄色部分は岸辺、 ミニチュア土器出土
@銅鏡(内行花文鏡)、A立木、B鉄刀、C鉄鉾、Dミニチュア土器など
E立木、F鉄剣、勾玉

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@〜C銅鏡や鉄刀、鉄鉾が出土した状況


B鹿角製鉄刀(ろっかくっそうてつとう)


@銅鏡<内行花文鏡(ないこうかもんきょう)>


Dミニチュア土器などが大量に出土


F鉄剣(てつけん)


F勾玉(まがたま)


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その他の遺構

弥生時代後期の竪穴住居跡
<2世紀頃>

平面は、一辺がおよそ3.5mの方形です。

中央に径1m弱の炉跡を確認しました。

 


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