●進化する[断熱仕様]! 暖房の要らない家を目指して

ベストの追求、暖房費ゼロ住宅への挑戦
 岩手の北上市で生まれ育ち、住宅設計の道を選んだ私にとって、厳しい冬に負けない快適な住まいはずっと追求し続けてきた課題です。

 独立する以前に勤めていた工務店では、U地域とされる岩手より寒冷な北海道(T地域)にならった断熱仕様の住まいをお薦めしていました。厚さ100mmの高性能グラスウール(16kg品)を壁内に充填する北海道の標準的な工法です。U地域仕様の住宅に比べてワンランク上の断熱性能なので、格段に暖かく冬を過ごせるとお施主様にご好評いただいておりました。

 その頃、我が家が老朽化してきたこともあり、自宅を建て替えることになりました。私は実験的に、当時市販化されたばかりの高性能断熱材ネオマフォームを使った外断熱工法の家を造りました。50mmの厚さ(高性能グラスウールの半分)で、とても高性能な全館暖房の住まいができました。

 私はこの二種類の断熱工法をミックスして、よりグレードの高い住まいを実現できないかと考えました。最小限の設備で暖房費を抑えながらも、暖かく健康に暮らせる「高」高断熱の住まいです。それが我が家を建て替えた四年前からの私の「見果てぬ夢」になり現在に至ったのです。


「高」高断熱の「新・ひだまりの家」
 構想としては壁内に高性能グラスウール(16kg品)100mmを充填、さらに外側をくるむようにネオマフォーム30mmを貼ります(図参照)。この組み合わせで実現する断熱性能はT地域の次世代省エネルギー基準の1.6W/uKを大きく上回るものになります。その性能は低温設定の暖房一台でも充分快適な全館暖房が実現できるほどです。信じられないと思われるかもしれません。しかしこれは確かなデータに裏付けられた事実です。




「新・陽だまりの家」断熱工法イメージ
@ 外壁材(15mm)
A 通気層(21mm)
B 透湿防水シート
C 外断熱層 断熱材ネオマフォーム(30mm)
D 構造用合板(9mm)
E 内断熱層 断熱材グラスウール16kg品(100mm)
F 気密層 気密シート
G 内装下地 石膏ボード(12.5mm)
H 内装仕上 ムク板又はクロス貼り


「高」高断熱VS太陽光発電
 私の考える標準的な住まいは高断熱、高気密、計画換気そして全館暖房を備えた住まいです。この「四つの基本性能」によって「結露」の発生による住宅の短命化を回避し、末長く健康に暮らすことが可能になります。そして今回の断熱性能の強化で得られる暖房費の節約効果が持続する期間は住宅の寿命とイコールなのです。

 さて、暖房費カットの方法のひとつに「太陽光発電」の暖房システムがあります。導入コストが250〜300万円と高額ながらも採用されるお施主様は多いようです。しかしここで考えてみましょう。これらの設備の耐用年数は15〜20年、ようやくかけた費用が取り戻せるかというあたりで寿命がきてしまいます。そして設備の交換、また一からのスタートです。
「高」高断熱の「新・ひだまりの家」と比べてどちらが優れた節約法でしょうか?

「新・ひだまりの家」の断熱工法のイニシャルコストの増額(外断熱付加の分)は平均して約150万円程度。「太陽光発電」と比較するととても安くすみます。当然、光熱費がぐっと抑えられますから、浮いた分を毎月のローンに充てれば住宅ローン負担も軽減でき、ゆとりを持った生活設計ができるでしょう。少ない初期投資で末長く大きな効用が得られるのです。

エコハウスの潮流のなかで

 今回の私の試みのように、住宅の性能を向上させて光熱費の抑制、つまり資源の有効利用を図る住まいは徐々に大きな潮流になりつつあります。近年のエコロジー志向の強まりに石油の高騰などの要因が加わり、環境にやさしい省エネ住宅はこれからますます普及していくと思われます。
 実際に仙台などでは私とは別の工法ですが同様の発想で「暖房費ゼロ」をうたった住宅を手がけるメーカーも出てきました。岩手の冬と、ずっと温暖な宮城では単純に比較できないのは言うまでもありませんが、近年の断熱性能の向上がこうしたことを可能にしつつあるのです。

夢家企画工房では自信を持ってこの「高」高断熱工法の「新・ひだまりの家」をご提案いたします。既存のどのオール電化住宅と比べても高能力、高効率の温熱環境を実現できると自負しております。環境と共生していく二十一世紀にふさわしいエコハウスとしてどうぞご検討ください。


  
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新・陽だまりの家 Shin-hidamari no ie