虫たちの不思議な世界 |
ツマグロヒョウモンの羽化
ツマグロヒョウモン 褄黒豹紋 Argyreus hyperbius
チョウ目(鱗翅目) タテハチョウ科
羨ましいような幸運ですね。飼育して観ることはできますが、自然の中での出会いは
まさに一期一会の一語に尽きます。羽化した個体はツマグロヒョウモンの♂でしたね。
貴殿庭での先の写真ツマグロヒョウモン♀、ペアがそろい嬉しいです。
(2009/8/8 11:40 津郷勇先生からいただいたEメールから)
2009年8月5日 夕刻の散歩途中にて
自宅の前のバス停の辺りにある街路樹の一つに金属で造られたように思える奇妙な
物体が目に止まりました。
画像では白く見えますが、金属めいた銀色の棘状突起が並び夕日にきらきらと輝い
ていました。 これは虫の蛹であろうとは思いましたが、門外漢の私には知る由も
なく、ともかく自宅に戻りカメラを持ち出しました。
2009年8月7日
今日の様子はどうだろうと観ていたら、突如、蛹が少し割れて中から黄色い物体が
はみ出してきました。すると、その物体がまるで風船が膨らむようにみるみる大き
くなり、そして弾けて蝶の姿が現れました。
2009/8/7 8:38 2009/8/7 8:38
2009/8/7 8:39 2009/8/7 8:39
蝶は蛹の抜け殻につかまり、翅の皺を延ばす体位を作り静かに時のたつのを待って
い ました。
2009/8/7 8:39 2009/8/7 8:41
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30分ほど抜け殻にぶら下がっていましたが、その後やおら木の幹を伝い移動を始
めました。この頃は、人間に観察されている気配を察知できないようです。いや、
察知していてもまだまだ羽ばたく力はないものと思われます。
2009/8/7 9:22 2009/8/7 9:35
なかなか飛立ってくれないので、じれったくなって蝶を突いてみましたら、羽ば
たいて近くの家屋の塀に飛び降りました。
2009/8/7 9:49 2009/8/7 9:53
ツマグロヒョウモンの♂であることが確認できました。
蛹の抜け殻↓
2009/8/7 幼虫(撮影者:こばし)
ツマグロヒョウモン Phedima oitensis チョウ目(麟翅目)タテハチョウ科
成虫の前翅は38−45mmほど。翅の模様は雌雄でかなり異なる。 雌は前翅の
先端部表面が黒(黒紫)色地で白い帯が横断し、ほぼ全面に黒色の斑点が散る。
翅裏は薄い黄褐色の地にやや濃い黄褐色の斑点があるが、表の白帯に対応した部
分はやはり白帯となる。また、前翅の根元側の地色はピンクである。雄の翅の表
側はヒョウモンチョウ類 に典型的な豹柄だが、後翅の外縁が黒く縁取られるので
他種と区別できる。
分布:アフリカ北東部からインド、インドシナ半島、オーストラリア、中国、朝
鮮半島、日本までの熱帯、温帯に広く分布する。 この分布域は他のヒョウモンチ
ョウ類が温帯から寒帯にかけて分布するのとは対照的である。日本では南西諸島、
九州、四国、本州南西部でみられる。本州では1980年代まで近畿地方以西でしか
見られなかったが、徐々に生息域が北上し、 1990年代以降には東海地方から関
東地方南部、富山県・新潟県の平野部で観察されるようになった。2006年現
在、北関東でもほぼ定着し、普通種になりつつある。
生態:成虫は平地の草原や庭・空き地や道端など身近なところでみられる。地域
にもよるが、成虫は4月〜11月頃まで見られ、この間4、5回発生する。他の
ヒョウモンチョウ類がほとんど年1回しか発生しないのに対し、多化性という点
でも例外的な種類である。 冬は幼虫や蛹で越冬する。幼虫は各種スミレ類を食草
とし、野生のスミレ類のみならず園芸種のパンジーやビオラなども食べる。終齢
で体長30mm程度、黒色の体の背に一本の赤い筋が縦に通る。体には分岐する棘
状の突起が各節に6本ずつある。蛹は尾でぶら下がるもので、背面に金属めいた
銀色の棘状突起が並ぶ。 (参照/ wikipedia)
ツマグロヒョウモン♀
2009/6/17 自宅の庭にて
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