オーストラリア訪問記 1996
オーストラリアは春の花ざかリ 山賀 志津子
 
オーストラリアは春の花まっさかりでした。 

カウラヘ向かうバスの中から見た菜の花の丘、街角に咲いていたフジやシャクナゲ、燃えるようなベニカナメモチの生垣の芽吹き、日本墓地までの桜並木、そして墓地に咲いていた丸いポールのようなピンクのマーガレット、可憐なブルーデージー、どの花もその場所にぴったりと決まっていて印象的でした。 

翌日、ハゴロモジャスミンの甘い香りに迎えられて入園した日本庭園で、釣鐘と盆栽、池の錦鯉などが日本の庭に結びつく風景なのでしょうか、その池の鯉に変な外国人=日本人=がえさをやっていて、大きな口を開け、音を立てて錦鯉が集まって来るので、小さな子どもがびっくりして見ていました。 

キヤンベラの公園は、色とりどりのチューリップの大円形に、パンジーとノースポールのふち取りは見事でしたが、日本の春の公園でもよく見られる風景でした。(そのチューリップを背景にしての記念撮影に笑顔で応じて下さった車椅子の老婦人を、酔眼のカメラマンは半欠けに撮ってしまって失礼この上なし) 

最後に見たシドニーの王立植物園は時間が足りなくて、広大な敷地の一部分でしたが、落ち着いた雰囲気で、これからゆっくり春が始まろうとする感じで、期待していたジャンボあざみのアーテイチョークやラン等も、時間切れといったところで残念でした。 

隣接する音大の生徒らしい人影が、三三五五語らいながら、植物園の中に表われては消えて行くのも外国らしい風景でした。 

そのほか、オーストラリア原産といわれるサザンクロスやエリカの花色の多さと美しさ、珍しいブラシノキ等々春を満契した旅でした。