オーストラリア訪問記2000

2002年10月19日〜10月27日


嬉しい悲鳴でした (山岸 保一)
シドニーにて (内山 美代子)



嬉しい悲鳴でした

山岸 保一

この度のオーストラリア訪問には、実は、私も突然の飛び入りの形で参加させてもらいました。参加できるかどうか、ぎりぎりまで私の日程を詰めたのですが、最終段階で仲間に入れてくださった皆様にまず感謝します。

向こうは春でしたが、この「春」が日本のそれとは大違いでした。まず、パースの気候は毎日(と言っても4〜5日ですが)むしろ暑く、初夏といってもピントこない妙な気候でした。

義理堅いのは日本人の特性かと思っていましたが、まったくさにあらず。NeilやOwen、Jack、その息子Peterらは私たちのパース滞在中毎日クルマで市内を案内してくれました。デービスの家でのバーベキューなどは大したものでした。最初鮭が出たので「今日は鮭の焼肉」かと思っていたら、これがなんと前菜。程なく山のようなビーフが運び込まれ、「それ食べろ、それもっと」と、ワインやビールも共に勧められて、文字通りうれしい悲鳴でした。雑談の中で「山へ行ってジグザグドライブ・・・」というような話しが出ていたので、なんのことかと思っていたら、実際に裏山へクルマ3〜4台で昇ってパースの夜景を見ました。この美しさは皆様のイメージにお任せします。それからジグザグ道路を帰ったわけです。kookaburras(笑いカワセミ)の実物を見たのも3 kid kangaroosの歓迎を受けたのもこの帰りの坂道です。

これで帰るものと思っていたら、こんどは果物が山と並べられまたまた、ワイン共々どんどん勧められ「食後の果物」などと言う物ではありませんでした。義理堅いと言うか、鷹揚というか、豊かというか、とにかく食事は全部この調子で接待攻めでしたので、滞在期間の食費はゼロに近いものでした。ロッド邸の滞在がまことにユニークなものでしたが、これはほかの人が書かれると思います。無理に割り込ませてもらった甲斐は100パーセントだったと思っています。

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シドニーにて

内山 美代子

10月24日午後4時にシドニーに着きました。早速イアンがホテルに来てくれました。現れたイアンはこれも直江津では見せなかった弁護士の顔で、ビシッと背広を決めています。皆で、チャイニーズレストランへ向かいました。実は私と山岸さんはおなかをこわしてしまったので、あまり油っぽくないお料理をというリクエストの結果でした。そこで勧められるままに飲んだ「タスマニアビール」の何とおいしいこと。浅野さんは毎日ビールを飲んでいましたが(とても強いのです!)、このタスマニアビールの味に大感激、どんなに飲んでも二日酔いしないというイアンの言葉を実行に移していました。なぜおいしいかとイアンに聞くとやはりタスマニアの水がきれいだからと言う答えが返ってきました。

さて、翌日はロッドがホテルに迎えにきてくれました。まず、みんなでクックさんのお宅に行って、昼食をご馳走になりました。クックさんご夫妻はとてもお元気でしたが、奥様は足がすこし悪いようでした。でも、私たちのためにご馳走してくださり、うれしそうに話してくださいました。海を見渡せるテラスのようなお部屋があって、とても気持ちよかったです。

ひとしきり再会を楽しんだ後、いよいよロッド邸に向かいます。ロッド邸は想像していたとおりの家で、私と洋子さんと山岸さんはベッドに寝れましたが、浅野さんは床へ。(浅野さん済みませんでした。)

次はお風呂です。この旅行中、湯船につかれたのは唯一ロッド邸だけでした。このお風呂がまたユニークでジャグージーのお風呂なのですが、やり方が良くわからず結局ぬるいお湯につかる羽目になりました。バスタオルが掛けてあるバーは木の枝を利用してあり、ドアは障子もどきのもので鍵がかからず、トイレ使用中は大声で、「今使用中です!」と叫ぶ始末。

そうこうしているうちに洋子さんがご飯を器用になべで炊き始めました。ちょうどうどんもあったので、夕食はこれで済まそうということになりました。すごいメッシーな台所でいろんなものを探し探し作っているうちに、この旅での緊張感がどんどん取れていき、気が付いてみると不思議なことにとてもリラックスしているのでした。なんか不思議な家ですね。

そのうちロッドが招待していた2組の夫婦がチーズやサラダを持って現れました。またまた酒盛りです。旅の間中1日も休まずに飲んだオーストラリアワインのおいしいこと。パーテイが終わって、ロッドの後片付けの鮮やかさも目撃しました。男はこれでなくっちゃ一人暮らしは出来ないのね。

最後は蜜蝋からハンドクリームを作る実験です。蜜蝋を溶かして,乳化剤を入れて・・・、まあ何とからしきものを作りました。
「蜂蜜のクリームだもの、お肌にいいに決まってるわ」
とかなんとかいいながら楽しい実験でした。

夜は寝れるかと思いましたが、丁度降ってきた雨に車の音が消されて、ぐっすりと眠れました。朝起きてみるとロッドがいません。しばらくするとスーパーの買い物袋を抱えて帰ってきました。中にはオレンジジュースが入っていたのですが、それを取り出すと
「おなかをこわしている人がいるから」
とウインクして見せます。外見に似ずとても思いやりのあるロッドの一面を垣間見たら、ますますこの家の居心地が良くなってきました。

at QVB
QVBにて。左から内山さん、
浅野さん、山岸さん。

さて、いよいよこのたびの本命(失礼!)買い物です。ロッドにQVB (Queen Victoria Building)へ送ってもらい2時間買い物です。山岸先生は悠然と構え、何も買う気配がありません。やはり旅なれていらっしゃる方は違います。浅野さんの買い物は鮮やかとしか言い様がありません。洋子さんはもうつぼを心得ていて、スマートに買っていきます。おのぼりさんは私です。あちこちつっかえて、ようやくお餞別を頂いた人への義理を果たしました。

買い物といえばひとつ大ハプニングがありました。前日パースからシドニーへの飛行機のなかで、田村さん(横浜から参加)がオパールのブローカーと隣り合わせたのです。実はオパールが欲しいのだと言うと、自分のところへくれば格安の値段で分けてくれるとの事。これが偽者かどうか半信半疑だったのですが、シドニーに事務所があるというのでロッドに見つけてもらいました。本当に事務所があり、私たちは目もくらむばかりのオパールのなかから、お土産用に自分用に、はたまた奥様用にと目を皿のようにして、リーズナブルなお値段のものを買い占め(?)たのでした。後で免税店で全く同じデザインの石を見つけたら、お値段が5−6倍だったので、私たちは気を良くしていました。

さて、買い物の後は何が何でも、近藤さんお勧めの「ミートパイ」を食べなくてはいけません。ロッドに頼み込んで連れて行ってもらいました。想像していた形とは随分違って、ビーフシチューのようなものがパイの中に入っていて、それに好みのソースをかけて食べると言うものでした。私は無難なケチャップです。そのときです。ロッドは近藤さんのお土産用に買ったTシャツにこのソースをかけようかと冗談を飛ばしていました。よっぽど近藤さんに会いたかったのだと思いました。このまえにも、「Yoshiには家族みんなで来るように言っていたのに」と言っていましたから。

さて、時間は午後1時です。夜10時のフライトにはまだ時間があるので、ボンダイビーチに寄ってから一旦ロッドのうちへ戻ることにしました。中でDouble Bay(ダブル・ベイ)を通ったらここは"Double pay"(ダブル・ペイ)だと皮肉るロッドです。

ロッドの家のまん前にはコアラパークがあるのですが、洋子さんも何度きてもまともに入園料を払ってみたことがないと言うので、最後になるかもしれないと言うことで入りました。

コアラは本当にぬいぐるみのようですね。係員が眠っている1匹のコアラを木からはがして、柵の上に載せてくれたので私が抱いてもいいかと尋ねると、「骨がとても細くて骨折しやすいのでだめだ」と言われました。しばらく行くと昼間眠っているはずのコアラがユーカリの葉を食べています。食べ終わると木を降りて柵を乗り越えてきました。私達がなでると、見学者のオーストラリア人が「これは野生のコアラだから触っちゃいけないよ」と注意してくれました。

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