１１月１７日、カーメルさんに秋の上越を楽しんでいただこうと、川上さんの車にカーメルさん、石塚洋子さん、八木さん、近藤さん、内山を乗せ、紅葉狩りに出かけました。

まずは、金谷山のレルヒスキー資料館の見学です。カーメルさんはスキーをされたことがないので、八木さんが一生懸命スキーについて説明されていました。他の４人は、英語教育談義です。やはり石塚さんの自己開発学習法が、パワーを発揮していました。２階に上がると、レルヒ少佐がオーストリアで実際に使った部屋が展示されていました。
木彫の机は、さすがにヨーロッパ文化の香り高く、表側にはクウイーン、裏側にはキング、そして机の両側には鷲をかたどった架空の動物の彫刻が施され、見る者の目を奪っていました。

さて、次の部屋にはスキーを体験できるゲーム機があります。川上さんと内山は早速１００円を入れてゲーム開始です。私はスピード感あふれるゲームについていけず、スキーのストックを思い切り握りしめ、体重を右に左に移し替えるのですが、フェンスに激突しポールをなぎ倒し、谷に転げ落ち５~６回死んでいるはずなのに、なぜかゴールだけは無事に果たしました。ふと隣の川上さんを見ると、さすがにスキーのベテラン、私のように声を張り上げることもなく、余裕のスキーヤー振りでした。

外に出ると、時雨模様です。車の中で洋子さんの用意して下さった温かい紅茶をご馳走になりtea timeです。体が温まったところで、池ノ平へと出発です。
プロのドライバーである川上さんに、一同安心して身を任せます。
車の中ではジョークが飛び交い、まるでオーストラリアでロッドの車に乗っているようだと、近藤さんから流暢な日英でのコメントが入ります。

さて、八木さんは、３０歳でアメリカ留学をされたことをカーメルさんに話されていましたが、３０歳では語学を学習するには遅すぎるとの自己分析です。
近藤さんの場合は、２０代とお若くもちろん問題なし。私（ただしホームステイ）も３０代でしたが、そんなに遅いとは思わないと言う意見に対して、八木さんにtalkative ladyは別だと反論されてしまいました。これ以来、内山について語るときには"The talkative lady"　の「まくらことば」がつき、この日は一日中冷やかされたりいなされたり、ついには八木さんからおしゃべり止めのドロップまで頂いてしまいました。

池の平にて。石塚さん、カーメルさん、川上さん

カーメルさんは、そんな姦しいおしゃべりを終始笑顔で聞いておられます。
いよいよ妙高山のふもとの山並みが見えた頃、時々思い出したように山に陽が当たる光景を見て、カーメルさんはこれを日本語でどう表現するのか、聞いてこられました。まずは洋子さんがやさしく答えていましたが、そのうち八木さんも身を乗り出して、電子辞書を取り出し、秋についての日本語の表現について説明が始まりました。だんだん話は難しくなり、錦秋とか錦繍の話にまで及んでいきます。でもとにかく様々な色の織りなす山々の姿が美しいので、難しい説明にもカーメルさんは納得のご様子です。
そのうち「そこで一句」の声が、内山めがけて飛んできましたので、俳句入門コースの生徒としては、下手な俳句をようやくひねり出したところで、車は池ノ平に到着しました。

　　錦繍の山を映して母の帯　　　　美代子

池ノ平の池を散策していると、カーメルさんの指がピアノを弾くように動いています。
何をなさっているのですかと聞くと、「ハイク」とおっしゃいます。
そこですらすらと出てきた一句。

　　トモダチトニホンノアキヲミテイマス　　カーメル
　　（友達と日本の秋を見ています）

私達は思わずうれしくなって、大拍手です。
これぞ国際交流の醍醐味です。そこですかさず洋子さんも返歌ならぬ返句です。

　　豪州の友も交えて紅葉狩り　　　　　　　洋子

そこで又拍手。カーメルさんもうれしそうです。さて、車はお昼を取るために一路　"アライ＆マウンテンスノーパーク"へ向かいます。近藤さんお勧めのイタリアンレストランに入るとなんと、カンドウチ神父様がいらして、カーメルさんの翌日の教会訪問のご挨拶が出来ました。さて、席に着くと、このレストランが、初めての川上さんは、ここがハイクラスのレストランかどうかと質問をします。そこですかさず八木さんが、「ここは５５０ｍの高さにありますからハイクラスのレストランと言えるでしょう。」と澄まし顔です。
ＭＭの言われるように、sense of humor　の大切さを身をもって学びました。

このレストランがお気に入りの近藤さんは、手際よく前菜やピッツアの種類をオーダーしていきます。ユーモアのスパイスを振りかけたピッツアとパスタは最高に美味しかったです。

　　友好の思い出すがし秋の暮　　　　　　美代子