BMX選手ホストファミリー体験記

2001年5月1日〜5月4日


 

What's BMX?
 (BMXって何それ?)
  (中山 三喜栄)
BMX選手受け入れ記
  (長谷川 明寿)
ホスト初体験記
  (川澄 八重子)
ルークとの4日間
  (近藤 芳一)
  

2001年5月3・4日、2001環太平洋BMX選手権上越が金谷山公園で行われました。この大会には約40名の外国人選手が参加され、そのうちオーストラリア、ニュージーランド選手・コーチ7名が当協会会員宅でホームステイを経験しました。最初の3名の方々は今回初めてホスト体験をされました。以下、それぞれの体験記です。 


What's BMX?(BMXって何それ?)
中山 三喜栄

「BMXって何それ?」
この程度の私が、BMX選手の初めてのホストファミリーを引き受けてしまったのですから、もう大変大変。自分でOKした関係上、英語には全く関心のない夫(現在の同居人は彼のみ)には頼れないし、もう連休前半から気もそぞろ。

そこへきて、到着日が1日早まったとの連絡が入り、心の準備ができないままにホストファミリーの開始となりました。いざとなったら、身振り手振りで切り抜けようと開き直ったものの、緊張感は全身にわたり3日目はもう胃がキリキリ。。。

早く子供たちに帰って来て欲しいと切に願い、ようやく5月3日のレースがはじまりました。それを見た私はまたまたビックリし、なんと刺激的なスポーツであろうかと、感じ入った次第です。
at an all-you-can-eat restaurant
焼き肉レストランにて

そうこうしているうちに、ようやく子供たちが帰ってくる3日の日、今日だけは我が家で食事だからそのことを話さなければと、一生懸命私なりに言葉を用意し、競技を終えた選手を迎えに行ったのです。ところが、買い物に時間がかかってしまった私は現場に着くのが少し遅くなり、その日急に予定変更となったことを日本語で聞く機会を失ってしまったのです。

さあ、そのことを我が家に滞在したDarren(ダレン)が私の車に乗ってから家に着くまでに私に説明するのですが、私の想像する内容といっこうに合わず、もう究極のパニック!パニック!パニック!何度も聞き返した末に分かったのですが、彼が私に言ったことは次の内容でした。

「選手とホストファミリー全員でスーパーマーケットへ行って、一緒に食事をする事になったから、私は料理する必要はない。」

私がようやくそのことを理解した後に生じた新たな疑問は、「どこのスーパーで?何時に?」でした。それに対する回答は、「Yoshi Kondoが私の夫に電話する」ということでした。

これだけのことを私に伝えるためにダレンはきっと大汗をかいたことでしょう。これに懲りて、あまり私に質問しなかったのかもしれないなどと、私の英語力の貧弱さを思い、彼に申し訳なく思いました。

やはり、ぶっつけ本番ではなく、近藤先生のご指導を仰ぐべきであったと後悔したりして。。。

とにもかくにも私の初のホストファミリ?体験は終了し、多くの思い出と温かい人達との嬉しい出会いが宝となって残りました。

近藤さんと奥様、川澄さん、長谷川さん、色々とありがとうございました。「BMX ホストファミリー友の会」 などと名付けて同窓会を開きたいものですね。


BMX選手受け入れ記
長谷川 明寿


今回、BMX大会でマイケルさん(19)とジェイミーさん(20)を受入ました。

二人とも、最初は緊張していましたが、二日目の朝からは朝食もたくさん食べて、レースに元気に参加していました。マイケルさんは少し恥ずかしがり屋なようですが、レースに対する集中力がすごくて、予選は全て1位でゴールに入ってきました。残念ながらファイナルは惜しくも転倒してしまいました。彼の有志は上越タイムス(5月4日版)にカラー写真で出ています。バイク#32です。(イエローのユニフォーム)
Jamie, Michael & the Hasegawa
ジェイミー、マイケルと長谷川一家

ジェイミはディカプリオみたいなルックスで、人気がありました。マイケルよりは気さくで話しかけやすいタイプでした。レースはいまいちだったようですが、日本での生活を楽しんでくれたようです。二人ともはしの使い方が日に日にうまくなっていくのがわかりました。近藤さんの斡旋してくれたレストラン(上越バイキング)は二人はとても気に入っていました。近藤さんありがとうございました。

何はともあれ、こちらも初体験で家族ともども緊張しましたが、いい経験になりました。それと、やはり英語の必要性を切に感じました。もっと会話が成立すれば見方、考え方をもっと交流することができるのにと正直思います。

今回の経験は私にとって英語学習へのよい動機付けになったといえます。  


ホスト初体験記
川澄 八重子
Grant, the PanPacific Champion, & Akira
環太平洋チャンピオンになったグラントと
ホストファミリーの明くん

この度、初ホームステイホストをさせて頂きました川澄です。今回は、受け入れ日の一週間ほど前に近藤さんの奥様より、ホストが足りないと言うお話をお聞きし、部屋は空いているし、近所の子供を家に泊めるような安易な気持ちで引き受けさせて頂いたのです。申し訳ないことに、英語はほとんど話せないに等しく、「なんとかなるさ」というこの性格で、家に来られたグラント・ホワイトさん(ヨギー)には、英和と和英の辞書の生活で大変不自由な思いをさせてしまったと思います。こんなホストファミリーで、オーストラリアから期待してこられたヨギーには「ごめんなさい」という気持ちでいっぱいでした。けれどもヨギーは私達に合わせて分かるようにと、ゆっくり話してくれたり、私達の話すことも分かろうとしてくれました。・・・英和辞書を引いてくれるんです。とてもやさしい方なんです。

BMXも知らず、そのオーストラリアのプロチャンピオンで、コーチでもあるすごい方のホストが私達家族で、実力が発揮されなければどうしようかと、とても心配しましたが、初日、1ラウンドは惜しくも2位、2日目、2ラウンドは1位ということで少しホッとしました。

他のホストファミリーの皆さんとは異なり、言葉が不十分でホテル住まいの方が気を使わず良かったのでは、と思いましたが、私達にとっては、短い期間でしたが家族の一員でした。子供達も、ヨギーにあまえ、遊んでもらいました。レースの応援も、二日間ともBMX会場にいて熱いものでした。スピードもあるので、とにかく転ばずゴールして欲しいという気持ちと、速く!と、わが子の運動会を見る様でした。それだけ、気持ちが入ってしまったのですね・・・。

5/4の宿泊がなくなったと、3日に聞いてから、帰ってしまう日の事を考え、とても寂しい気持ちになりました。もっと話をしたい、もっとヨギーの話を分かってあげたい、そんな気持ちのなかで見送りの日を迎えました。

駅では涙しましたが、前日から家でも涙が出てました。恥ずかしいかぎりですが、初めてということで気持ちの整理が上手に出来なかったのです。

近藤さんご夫妻には、良い機会を与えてくださって感謝しております。出会いの楽しさと、英語の必要性を学ばせて頂きました。夫婦して基礎からもう一度学習しようと始めております。また、オーストラリア貯金も始めることになりました。

中山さん、長谷川さん、阿部さん、そして近藤さん御家族の皆様方には初参加の私達に大変良くしていただき、ありがとうございました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。また、機会がありましたらお仲間にさせて下さいませ。
 


ルークとの4日間
近藤 芳一


5月1日、午後6時半から2時間のオーストラリア選手との夕食会は楽しめました。選手は皆若く、19才から28才までで、若い人は初のホスト対面とあってやや緊張気味。話が弾んだのも28才の選手達。

我が家が受け入れたのはルーク・マッディル(Luke Madill)、20才。初来日でかなり緊張しているので、英語を話すホストにお願いします、と言ったのはオーストラリアから同行してきた選手のコーディネーターのケリー(Kelly)。ケリーとは事前にメールで連絡を取っていたので、すんなりと話しに入っていくことができました。ケリーは男かと思っていたのですが、滞日経験があり日本語も話す素敵な女性でした。同じ席でエイブ・シュナイダーさん、国際BMX協会副会長でパース在住、とも歓談。こてこてのオージー訛を話す、愉快な人で、彼は外国人が参加するエリートクラスレース中はアナウンサー役も兼ねており、USAをしっかり「ユー・エス・アイ」と発音してました。

最初の夜は家族と対面し、シャワーを浴び、10時には就寝。彼だけではありませんが、選手は皆、実に自己鍛錬が良くできており、レースが終わるまで規則正しい生活をしました。ホストが一番心配したのは食事でしたが、朝食は自分愛用のシリアル・砂糖を持参しており、こちらで用意したのは卵料理と紅茶くらい。気が抜けるほど簡単なものでした。
ルークは日に日に家族となじんできました。彼と話していてわかったことですが、オーストラリア選手の中でも彼はかなりの期待の星。その証拠に二日とも決勝に残りました。1日目は4位、2日目はスタートに失敗して7位。隣の同じくオーストラリア選手のマイケルを巻き込みスタート直後にクラッシュしたのです。一月前にはBVDの日本向けCM用に撮影をしたそうで、もしかしたらテレビで彼の雄姿を見ることができるかもしれません。
at the race track
レース場にて
近藤家、豪州選手、UCI副会長のエイブ

我が家の子供達の中で一番ルークに受けたのは3番目の康那君。誰にでもニコニコしながらわけのわからない言葉を発し、にじり寄っていきました。2番目の智行は最初は恥ずかしがって隠れていたのですが、慣れるに従ってルークに質問を連発。何故、風呂に入らずシャワーだけなのか、何故毎日シリアルを食べるのか、など。長女で英語教室に通うあすみは最悪。話しもせず、隠れてばかり。これは言葉以前の問題でかなり失望。

5/4、スティ中唯一の夕食はどうしようか、色々迷いましたが、いろいろな料理が選べる食べ放題レストラン(all-you-can-eat restaurantとかbuffet restaurantと言います)へ繰り出しました。同行したのオーストラリア選手4人、オランダ人で大会役員のエディー、副会長エイブ、それとホストの家族総勢約20人の大所帯。嬉しいことに、このレストランが選手・役員に大受けで、次の日も来たい、と言ったほど。食べ放題レストランはオーストラリアにもありますが、テーブルの中央にグリルがあって、ステーキではなく、薄い肉をジュージュ焼くのが受けたようです。選手もいっぱい食べました。将来ホストファミリーをされる方の参考に、カレー、パスタのほかに焼き肉食べ放題レストランも受けますよ。ちなみに、ひとり残った日本びいきの選手はホストファミリーと廻り寿司へ行きました。「廻り寿司」は豪州英語で"sushi train"と言うのだそうです。感じは出てますね。

5/5、7:52の列車で上京する選手達を見送りに直江津駅へ。北口に着いたら新しく設置された少女の像がTシャツと帽子、靴下を付けていました。お茶目なアメリカ選手の仕業で、
"She looks cold."
と言いながら記念写真。たぶん今でも少女の帽子にはBMXのステッカーがあるはずです。

記念写真を撮ったり、色紙にメッセージを書いてもらい、またの再会を約束し、列車を見送りました。初めてホストをされた川澄さんは目を真っ赤にして泣いている。それほど初ホストファミリーが良い体験だったと言うことでしょう。斡旋した私も嬉しい限りでした。