えびちゃんの山行記録

伊吹山ウインド・クラスト
スキー場から眺める伊吹山
朝焼けの中、伊吹山の霧が風に吹き飛ばされだした。

日 付
 平成15年1月4日(日)
ルート
 伊吹山スキー場〜山頂往復
天 候
 晴れ時々曇(ただし烈風)

概 要
 伊吹山はこれまでに3度登ったことがありますが、そのうち2回はテレマークスキーによるスキー登山でした。しかし、伊吹山山頂直下の急斜面は、アイスバーンだったりで全く滑ることが出来ず、滑りだけを考えると悔いの残る山行でした
 今年こそは伊吹山で積雪直後の新雪を滑ってみようと、新しい板とともに臨んだ1月4日、天気は晴れでしたが、残念ながら伊吹山に新雪は積もっていませんでした。「仕方ない・・・スキー場でスキーの練習でもしますか・・・」と悲しく滑っていると、雪山装備の2人組が登っていくのに気付き、気が付くと私も伊吹山山頂に立っていました(^^;15年の初登山達成!これは、その時の滑走レポートです。

07:30 伊吹山スキー場はアイスバーン
 今回のテレマーク・セットは、パウダーを想定して、日本製スキーのID-one「フリーライド 175cm 3サイズ 102-67-95mm」にスカルパのT2(プラスティック・ブーツ)としました。雪の伊吹山に初めて登ったときはブラックダイアモンドのセントイライアスに革靴、2回目はカルフの10thマウンテンに革靴と、基本的に山登りはステップソールの板に革靴だったのですが、伊吹の急斜面にはそのポリシーは捨て去ざるをえなかったのです。結果的に正解でした。伊吹山スキー場は完全なアイスバーン、革靴ではまともに滑れなかったでしょう。 

伊吹山スキー場

09:10 登頂開始
 アイスバーン滑りも疲れるだけ・・・先行登頂者の登場により、ラッセルが無くなったのと、結構晴れてきたので、もしかして雪が緩んで今回の板と靴なら山頂から滑れるんじゃないかと、甘い期待をもって伊吹山にアタックすることにしました。
 伊吹山の登りは最初は楽なんですが、9合目に向けて段々急になるので、富士山に登っているような感じがします(山頂はそこなのになかなかたどり着けない)。まあ、きつさは比べるべくもありませんが・・・しかし尾根に到着したときの達成感はとても気分いいものです。ホント、先行者のトレースが無ければ絶対山頂までたどり着けなかったでしょう。山頂で先行の2人組にお礼を言いましたが、二人で交互にラッセルしても、死にそうなほどきつかったそうです。
伊吹山の登り

11:00〜12:30 山頂にて
 天気は晴れなんですが、遠望は出来ずかろうじて琵琶湖周辺の山が見える程度。遠方の山は雪が降っているようです。うーん、豪雪伊吹山の名が泣きますね。しかし、山頂の樹氷なんかは半端じゃ無いです。伊吹山に登った人のみに与えられるご褒美です。
山頂の彫刻
 山頂でカップラーメンなどの暖をとっていたので、今までで最長の1時間30分もいたことになります。しかし、いっこうに雪は緩む気配はなく、逆に強風いや烈風により雪は完全なウインドクラストになってしまいました。さて、今回の板で山頂から滑れるんでしょうか?
伊吹の山頂に到達した3本目のテレ板

14:20 スキー場に到着
 下山に1時間50分かかったと言うことは、まともに滑れなかったということです(;;)
 上部の急斜面の雪は重くて斜滑降のみ。途中にあるブッシュは木が生長したのか、雪の量が少ないのか、樹氷としては綺麗なんですが、引っかかってまともに滑れませんでした。
 そして「ウインドクラスト」雪の中でもっとも滑るのが難しい雪だと思います。カチカチの表面、板が乗ると周りの雪も一緒に沈む。力を入れると、ぐぐっと一気に沈む、表面は堅いが中身は柔らかい雪。もなか雪とかブレーカブル・クラストとか言われる雪でしょうか?この雪を滑れるようになる日が来るとは到底思えませが、テレマークの無限の可能性に期待って事でしょう。自然の雪を滑れるようになるためには、まだまだ修行が必要です。この日は結局1回もまともにターンできませんでした。
ウインド・クラスト
 帰ってきてすぐのレポートを下に載せます。
「ウインド・クラスト攻略法」
 今日の伊吹は晴天でした。パウダーなんて、これっぽちも無いって分かっていたのに気が付いたら、伊吹山の山頂でした(^^;日差しで雪が緩むなんて甘い考えは、冷たい烈風にかき消され世にも恐ろしいウインド・クラストが発生してしまったのです。
 それはもう一級品のブーレーカブル・クラストでした。。。。エッジは入らない、入れようと加重すると10cmくらい一気に沈み込んで板がとられ、横転・抜転・前転と3回も顔から突っ込みました。 顔はヒリヒリ。石があったら間違いなく死んでました。最後の1回はメリメリって音までして、頭がクラストの中にめり込みました。
 ということで、ウインド・クラスト攻略法は、そんな時には登らないっってことでしょうかね〜(^^;完全両足同時加重で、同時に両方の板が雪にめり込んでいかないと絶対曲がれないと思います。普通の緩斜面ですら恐怖でした。

終わりに
 このレポートでは簡単に登っているように思われますが、1月の雪山を甘く見ないでください。伊吹山は雪山としては初級の山かもしれませんが、それはコンディションの良いときのみです。吹雪が発生すれば遭難の可能性は否定できませんし、新雪が積もったときは雪崩に注意も必要です。日帰りであっても最悪ビバーク出来るくらいの装備は必要ですので、そのことを忘れないでください。

登山コース

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