テレマークの道具について
テレマーク用の板
テレマークの板は元々XCスキーから発展したものですので、昔は「細くて長く、軽量でダブルキャンバー、ステップ付」というのが一般的でした。しかし、板幅が73mm以下というテレマークレースの基準が無くなったことと、プラスチックブーツのように板からの反発を押さえ込める用具が開発されたことにより、最近ではアルペンスキーとほとんど変わらなくなってきています。 ただし、やっぱり野原を駆けめぐるときには、それに見合った板(軽量でしなやかな板)を選択するべきでしょう。

1 ディメンション(3サイズ):図1
・ トップ幅が100mmを越える板
最近流行の幅広モデル。深いパウダーを滑るにはこれくらい無いと板が浮いてくれないらしいのです(技術で少しはカバーできる)。当然、板からの反発も大きいので、プラスチックブーツ又はかなり堅めのバックル付きの革ブーツでないと靴が負けてしまって、ろくに滑れないでしょう。
 ブラックダイアモンド・アークエンジェル(107/71/99)
・ トップ幅が85〜100mm程度のモデル
少し前はこのクラスの板が幅広の板だった・・・ので、ゲレンデのコブやアイスバーン、普通のパウダーを滑るのには十分の性能を持っていて、アルペンスキー並に滑れます。スピードを競うのならこのクラスでサイドカットが十分あるものがよいのではないでしょうか? ブラックダイアモンド・アークデーモン(99/66/92)
・ トップ幅が80mm前後のモデル
歩きも楽しむ雪山に登るのならこのクラスがベスト。担ぐことも考えて軽さを追求するなら、70mm以下の細い板でも、慣れればなんとか滑れます。当然雪原を歩くのがメインならこのクラスの板を選択しましょう。私はこの付近の板が個人的には好みです。革靴ならこのクラスの板にしましょう。
 ブラックダイアモンド・セントイライアス(80/60/70)
・ サイドカット
最近はサイドカットが10mm以上のカービング系の板がほとんど、しかしテレマークはアルペンよりも曲がりやすいので、あまり大きなサイドカットは必要なく、逆に春の重たい雪などでは曲がりすぎてしまいます。アイスバーンをカービングで切っていくようなテレマークレース等を目指すのでなければそこそこにしないと、逆に足をとられて疲れるだけです。またパウダーを滑るときは、トップだけでなくウエスト幅が広い板(ファットスキー)が快適に滑れます。春の重たい雪ではこれもまた疲れますが・・・
2 長さ、重量、材質など
板の長さはディメンジョンと大きく関係します。幅広の板であれば自分の身長ぐらいの長さでOK。細くなればなるほど長くして、細い板であれば身長+20〜30cmを基準に選択すればよいでしょう。当然ながら長ければ高速が安定し、短ければターンが簡単になります。
重量は剛性さえあれば軽ければ軽いほど良いと思いますが、あまり軽いと今度は荒れた雪面やアイスバーンではエッジが立たなかったり、板がバタついて苦労します。
材質はやっぱりウッドがメインですが、最近は軽量化のためウレタンフォーム等を使用しているのもあります。ただし強度は・・・・?VOLANTのようにステンレス?でカバーされている板もありますが、重量が重くなる分捻れに強く、荒れた雪面でも板が安定するようです。
アルペンと同じく、キャップ構造の板は捻れに強く、板としての強度も高いのでゲレンデや滑り重視のツアー向き、サンドイッチ構造はエッジによる傷が入りやすいのですが、たわみが均一で軽量化できますのでロングツーリングのバックカントリー向けです。(昔はレース用にもよく使われていました)
3 ステップソール
うろこ、ワックスレス(ステップは滑り止めワックスの代わりなので)など呼び名はいろいろありますが、要するに前にだけ滑って後ろに滑らないように滑走面の中央付近にうろこのように彫られた滑り止めのことです。当然前に滑るときにも抵抗になりますのでなめらかな滑りには障害になります。ちょっとした上り坂は楽に登れますので、スピードを出した滑りにこだわらない人にはお勧めです。滑るときに特有のブーンという音がします。 野山を歩くときはステップ付きがシールを付けたり外したりする必要がないし、ゲレンデにおいてもリフトに乗るときなどに後ろに滑らず非常に楽です。富士山・御嶽山・乗鞍岳のように登りと下りがはっきり分かれる山であれば必要ないのですが、関西のアップダウンの多い雪山では最適です。
4 キャンバー:図2
最近の板はほとんどシングルキャンバーですので、ダブルキャンバーの板を探す方が困難でしょう。歩きメインの細い板ではダブルキャンバーのほうがステップや滑り止めWAXの影響を受けにくくて良いのですが、滑るのはシングルキャンバーの方が楽ですので、あえてダブルキャンバーの板を探す必要は無いかもしれません。
5 プレート:図3
通称ゲタともいい、板とバインディングの間に挟む板のことを言います。効果は図3のとおりターンするときに役立ちますが、付加効果として4本以上のビスで板にビンディングを固定するので取り付け強度がアップし、プラブーツで使用しても安心感があります。
プレートの高さですが、初心者は3cm以内に押さえましょう。それ以上はガンガン滑るテレ・レーサーの領域です。下手に手を出すと怪我しするし、効果も得られません(^^;
6 メーカー
特にテレマークの板はメーカーによって板の性格もだいぶ異なるような気がします。
・ カルフ
バックカントりーをイメージして作られているものが多く、10thマウンテンなどは革靴使用が前提です。またサンドイッチタイプで柔らかめのウッドを使用しているモデルは、壊れやすいのでゲレンデではあまり使用しない方がよいと思います。独自のオムニトラック(ステップ)ソールは野山において初めてその能力を発揮します。カーボンスチールエッジも強度が高く、石に乗り上げても耐えてくれます。
最近はパウダー用のファットスキーも数多くラインナップしています。バックカントリーもプラブーツ主流の時代となろうとしています。
 10th マウンテンツアー(84/68/74)
・ フィッシャー
カルフと同じくクロカン的な板が多く、現在細長い板を新製品で手に入れるにはカルフかここのメーカーしかないと思います。独特な製法(他の会社も同じかもしれない)により、ウッドコアの板でもとても軽量です。この手の細い板で上手に滑っているととても格好いい!と思います(私見)。
名称のあとに「〜クラウン」とついているものは、ステップソール付きです。
 マウンテンクラウン(65/55/60)
・ K2
最近テレマークに力が入っているメーカーです。毎年変化するデザインがかっこいい。滑り重視の人のためのメーカーでしょう。
 ピステパイプ(107/75/98)
・ モロト
残念ながらすでにテレマークからは撤退してしまっていますが、未だに在庫が店頭には並んでいます。結構丁寧な作りで、昔のテレマーク・スピリットを感じる名品が多いです。
 ファントム(76/62/70)
・ ダイナスター
アルペンで定評がある会社だけに、やっぱり優れています。レース用として結構使われているようですが、最近は作っているのかな?5號のしんちゃんはSPEED-SX(テレマーク)を愛用。
・ ブラックダイアモンド
言わずと知れた(スキーでは)テレマーク専門みたいなメーカー。板は説明のサンプルとして使わせて頂きました。01/02モデルの「ミラ」や02/03モデルのクロスボウはファット・スキーなのに良く切れる板でした(試乗した感じでは)。
 01/02モデルのミラ(112/79/102)
・ アルペン用の板
プラブーツの普及により最近はわざわざテレマーク専用の板を使わなくても、アルペン用で気に入った板があればそれを使うのも一般的です。残念ながら、需要が多い分アルペン板の方が性能では1歩先行しているような気がします。ゲレンデで練習するだけなら重量も問題ありませんし。
7 その他
最近はツインチップのテレマーク板が出てきました。以前はテレマークでツインチップは必要ない!と思っていましたが、テレマーク後ろ滑りは板の中心に乗る練習として有効ですし、深雪やパウダーではテールの切れもいいような気がします。最新のテレマークビデオでは後ろ滑りもかなり流行ってますので、人の少ないゲレンデで練習しておいて損はないと思います。
戻 る
|