テレマークの道具について

バインディング

 バインディングは靴の次に重要なアイテムだと思います。昔は3ピンのバインディングが主流でゲレンデにおいてもよく見かけましたが、滑りを楽しみたいのならケーブル式の方が安定するような気がします。歩くのは3ピンの方が自然な感じで自由度が高く、重量も軽くて断然良いのですが、一端滑り出すと転倒してもリリースしないので、特に高速滑走になる幅広板で使用すると怪我をする危険性が高まります。
 また3ピン式は激しく転倒すると靴のコバが壊れる可能性があるうえ、間違って装着すると3ピンホールが6ピンホールになってしまうので注意が必要です。いずれにせよ、3ピン・バインディングは細板か歩き重視の板に付けるべきでしょう。玄人の人はともかく、まず滑りを練習したいと思うのなら、一般的にはケーブル式をお勧めします。

チリ 1 ロッテフェラー(ブラックダイアモンド) チリ
 ケーブル・バインディングのベストセラーモデル。靴のコバをしっかり押さえるのでゆがみが少ないハードな滑りができる。プラブーツとの相性がよく、T2とのセットで良く見かけました。ただし、板への負担は大きいので丈夫な板に付けるかプレートをかましたほうが良いでしょう。
 名前の由来は踵の留め具がチリに似ているからということですが、最近は銀色モデルも出ています。BDは製造を終了しリーバZへ移行しました。また2003年モデルからはケーブルがワイヤーから鋼鉄製のロッド式に変わり更に丈夫(安心)になりました。

リーバZ 2 ブラックダイアモンド リーバZ
 リーバ2とチリをあわせたようなモデル。チリでは左右対称のバネがプラブーツの側面に当たりやすいのと、ケーブルが切れやすいので、リーバ2のケーブル方式に戻したらしいのですが、今度はつま先のケーブルが外れやすいという欠点が発生しました。(ゆるめにセットした場合のみ)
 プレートとセットで購入するとケーブルの長さをプレート先端の溝により調整することが可能となます。2003年モデルからはバネがコンプレッション・スプリング(ケース式の押しバネ方式)に改良されたものがラインナップされました。
 コンプレッション・スプリングの良い点はストロークが長くケーブルの伸びが均一ということですが、素人にはあまり分かりません。一番良いのは滑っている内にバネの間にモノが挟まったり(それが寒い地方では氷だったりするらしい)して、段々緩くなってくるという現象が出なくなったということでしょうか?逆に金属ケースはエッジやアイスバーンで傷が入りやすく壊れないかちょっと心配です。

ピッドブル2 3 ブラックダイアモンド ピッドブル2
 大型スプリングとモノケーブルにより、革靴でも板への反応がとても敏感なビンディングだと思います。私のお気に入りなのですがどうやら製造は中止されるようです。靴の下をケーブルが通るため最初からプレート(15mm)が付いていて、お得だと思うのですが、攻撃的な滑りの人はそれ以上高くならないのが不満だとか(^^;
 また革靴で滑る分にはあまり問題は無いのですが、プラブーツだと上げた踵を戻そうとする力が強すぎて、深雪では後ろ足のスキートップが沈み(雪に突き刺さって)前転してしまいます。モーグル用のパワーマンバとプラブーツとのセットでは、新雪はよっぽど後傾にならないと滑れませんでした。もともとコブ専用なので目的が違うのですが・・・
 このビンディングで何よりも良いのが靴の横にワイヤーやバネが無い事です。見た目がスマートだし、ターン時にバネを雪面に擦ったり、エッジでワイヤーを傷つけたり切ったりすることが無いのが、転倒の多い私にはありがたいのです。

412ハイテックケーブル 4 ロッテフェラー 412ハイテックケーブル
 革靴に適したバインディングです。フロントロックで靴をはめやすいとのことですが、靴の後ろの溝にケーブルがうまくはまらないため、結局後ろに手をまわさなければならないのは私だけでしょうか?。
 フロントの調整でケーブルの長さが変えられるし、適度なホールド感は歩きにも滑りにも適していますので、ガチガチのバインディングが多くなってしまった今では貴重な存在です。ただし革靴の衰退とともに、すでに過去のバインディングとなってしまいました。

3ピンバインディング 5 3ピンバインディング
 靴底のつま先に3つの穴が開いている理由を知らない人もいるかも知れませんが、この穴で止めるバインディングもあるのです。軽量で歩きやすいのですが、雪が詰まりやすく、ハードな転倒によりピンホールが壊れる可能性があるので、注意が必要です。
 ブラックダイヤモンドのXCDとロッテフェラーのスーパーテレマークなどがありますが、スーパーテレマークの方がセットがしやすく便利だと思います。軽さ追求なら迷わずXCDです!

スカイホイ 6 ブラックダイアモンド スカイホイ
 ついに出た!ステップイン式のバインディングの「スカイホイ」・・・も、レースなどではいい性能を見せるようですが、コブやパウダーをガンガン行くときに深いポジションをとると、コバがトゥピースから少し抜けるようです。
 どちらにせよゲレンデ&レース専用でしょうか?山で壊れても直せませんよ!どうもテレマークの軽快さが無くなるようで私は嫌いです。

チリコブラ 7 ロッテフェラー チリコブラ
 チリをさらに頑丈にした究極のビンディング。改良を重ねてきたモデルだけに、大きな不満はありませんが、敢えて言うなら特にプレートとセットの場合、ビンディングと靴底の間に雪が入って固まりやすく、いつの間にか両足ともつま先立ちになってしまうことがあるという事です。深い雪だと踵を上げたときにどうしても雪が入ってきて、踵を下ろしたときに踏み固まってしまいます。
 これはチリ・シリーズ全般に言えることなので根本的な問題なのですが、対策としては3ピン用のテフロンシートか何かを貼るしか無いのでしょう。今度、スキー用のワックスを塗ってみようかと思います。コンプレッション・スプリングの金属ケースに傷が入りやすいのは前に述べました。

7tm 8 7tmテレマーク・ビンディング
 リリース機能を標準装備した注目のビンディング。2003年には更に改良が加えられスキーブレーキ、クライミングサポートも付くようになりました。靴の下にケーブルを通した、ピッドブルと似たような構造ですが、バネは踵の下に付いています。激しく使用するとケブラー製のケーブルが切れることがあるようですが、予備部品が充実しているので心配ありません。
 肝心の滑りですが、靴と板の角度が微妙に変化するため切っていくカービング・ターンが思い通りに出来るらしいのです。リリース機能付きとしては重量もそれほど重くないので、レースに山にゲレンデに活躍する事でしょう。

リンケン 9 リンケン
 これまた新しい発想のバインディングです。26mmのシムプレートが標準装備されていることからも、ターゲットはゲレンデ・テレマークでしょう。スカイホイと同じくステップイン式ですがシンプルなので重量も軽く、なんと革靴でもターン時にねじれがほとんど無いそうです。
 しかし、しかしである、歩くのは・・・・こんなビンディングは山スキーと変わらないような気がするのです。別にけなしている訳では無いのですが、テレマークのあのフラフラ感は何処へ消えて行くのでしょうね〜、暴れる板を上手く押さえてやる楽しみは・・・・

O2 10 その他
 バインディングはどんどん進化していて、毎年各メーカーは新製品(もしくは改良型)を発表するようになりました。しかし、新しモノ好きの裕福テレマーカーはともかく、一般的には1年ぐらい経った定評のある物を選んだ方が無難でしょう。BDのO2:オーツー(2003年モデル)は、壊れやすいらしく、すぐにリコールがかかってしまいました。
 ただしO2についてはピッドブル2に代わるスマート・バインディングだと注目しています。ビッドブル2で課題が残っていたケーブルの切れやすさとバネの強さ調整を上手く解決しており、さらなる改良を期待したいです。
  他に有名なメーカーとしてG3やボレーなどがありますが、使っている人を知りませんので、これから調査していきたいと思います。

戻 る