ミニブラックホールとは、簡単にいってしまえば超〜小さいブラックホールのことです。では、どれくらい小さいのか?もう素粒子レベルでのサイズです。
現実的ではないにしても、人工的にブラックホールを作るとすれば、例えば1トンの鉄の塊を1000億分の1ミリにしてさらに60億分の1にすればブラックホールの完成です。しかし、そんなのどんな機械を使っても無理って話です。
では、ミニブラックホールはどのようにしてできたのか?これには、非常に高密度な条件が必要となります。その条件があるとするなら宇宙のはじまりの時期です。
イギリスの車いすの物理学者で有名なホーキング博士によれば宇宙のごく初期の頃にこのミニブラックホールが作られ、さらに質量が10億トン半径が10兆分の1センチ以上のものは現在でも残っているとした説を発表しています。
おいおい。ブラックホールって真っ黒でしょ。周りの光すら飲み込んでしまうんだから、巨大なブラックホールだって観測するのはできないからX線で発見しているのに10兆分の1センチってどうやって観測したんだ!って思いますよね。
本当のところ。ミニブラックホールは観測できていません。そんなものがあるんじゃない?という段階です。
では、なぜミニブラックホールの存在の可能性があるとされているのか?それは、ダークマターといわれる謎の物質の正体がミニブラックホールなのではないか?という説によります。
銀河の質量ってどれくらいあるのだろう?なんて普通は考えませんよね。体重計に乗せるわけにもいきませんし。しかし、計算で銀河の質量を割り出すことは一応可能なのです。
銀河の質量の求め方は光学的方法と力学的方法があります。星はその質量にあわせた光を出すので明るさを測定すれば質量がわかるのです。もう一つは銀河を周る星の動きの速さから銀河の質量を割り出すという方法。
しかし、測定の結果、明るさで割り出した銀河の質量よりも星の動きの速さから割り出した銀河の質量の方が何十倍も何百倍も大きいものが見つかるんですね。と、いうことは?光では見えない何か謎の質量をもつものが存在するはずだ!ってことになったんですね。
その正体とされているのがニュートリノやミニブラックホールというわけです。
もし本当にミニブラックホールが存在し、それが地球に落ちてきたら?
1908年のシベリアに落ちたツングース隕石というのがあります。ものすごい速度で落下しつつ水平移動もし、突如大爆発を起こしたとされる隕石。広島原爆の2万倍もの規模での爆発であり、付近一帯は大地震に見舞われたといわれていますが、これはミニブラックホールだったのではないか?と言われていた時期もありました。
でも、現在では、その説は否定されており、もし本当に、これがミニブラックホールであり、それが地球の内部でとどまっているならば地球は数億年かけて徐々にその小さなミニブラックホールに飲み込まれていってしまう計算だそうです。
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