宇宙の謎  

宇宙の謎相対性理論>動いているものの長さは縮む

相対性理論 動いているものの長さは縮む


 アインシュタインの相対性理論では、速く動くものの時間は遅れるということがわかりました。

 >速く動くものの時間は遅れる

 さらに、
動くものの長さは縮むという現象も起こります。厳密にいうと「止まっている人から見ると動いているものは、それが止まっていた時の長さよりも縮んで見える」ということです。ただし、これは動きの方向と同じ方向についてのみ現れます。運動と垂直、つまり横に進んでいる場合、縦の高さは変わりません。

 この速度の長さの縮みに関して式で表すことができます。

 

 たとえば、1メートルの自転車が仮に光速の9割で走った場合、その自転車は進行方向に対して44センチにまで短く見えるということになります。

 これは、空気抵抗がどうのこうのとか、光の屈折がどうのということではありません。真空状態で真っ暗闇の中でも動くものの長さは短くなるんです。

 意味わからん!って感じですよね。これは、実は「動くものの時間の進みは遅くなる」ということと深くかかわっているのです。

 では、頭をやわらかくして考えてみましょう。ある宇宙船が地球から1光年離れた星に到着しました。1光年とは光の速度で1年かかる距離です。この星で宇宙人により宇宙船に時限爆弾が仕掛けられてしまいます。この爆弾は宇宙船がその星から飛び立った時から1年後に爆発するという設計がされています。

 宇宙船の乗組員たちは地球に戻れば何とかなる!と考え、勇気を出してその星から宇宙船に乗り飛び立ちました。しかし、地球までは光の速度で1年かかる距離。宇宙船は光の速度より少し遅い速度でしか飛ぶことができません。この場合、普通に考えれば宇宙船は地球に到着する前に爆発してしまいますよね。しかし、相対性理論では、「
速く動くものの時間は遅れる」とされています。宇宙船の中では、地球や星々よりも時間が遅れるということなのです。

 つまり、地球での1年が宇宙船の中の時間では10ヵ月しか経っていなかったということがありうるわけです。



 仮に宇宙船が秒速24万キロで飛んでいたとした場合(光の速度は秒速約30万キロ)、地球で1秒進む間に宇宙船では0.6秒しか進まない計算になります。ですから、宇宙船の仕掛けられた時限爆弾も時間の進み方が遅くなっており、地球や星での時間で1年経っていてもまだ爆発を免れているというわけですね。

 では、次に宇宙船の中の人からはどのような現象が起きているのか見てみます。

 宇宙船の中では、別に時計の動きがいつもより遅くなっていたり、自分たちの動きがやたらスローになっているということはありません。1秒は1秒のままです。しかも、宇宙船の速度が速くなったわけでもありません。

 仮に宇宙船が星から1光年の距離を10ヵ月で走り切り、見事時限爆弾を地球で解除することができたとします。速度も速くならずにどうやって1光年の距離を1年以内に走り切ることができたのか?

 これは、宇宙船から見たら空間が縮んだということになります。 

 

 ん?「動くものの長さは縮む」じゃなかったっけ?それなら、宇宙船の長さが縮むのであって空間の距離は変わらんでしょ?と考えた方はかなり鋭い!

 しかし、相対性理論の世界では、どっちが動いているかなんてわからんでしょ?という考えです。宇宙船が地球に近づいて行っているのか?あるいは、地球が宇宙船に近づいて行っているのかなんてわからないわけです。

 つまり、宇宙船から見たら動いているのは、宇宙船ではなく、その周りの空間であるというわけ・・・。なので、動いている空間は止まっている時よりも距離が縮んだってことになります。

 相対性理論では、時間であっても空間であっても唯一絶対のものではないのです。相対的。止まっている自分、動いている相手、時間や長さは、それぞれに持つその尺度でしかなく、相対的にみれば遅れたり、縮んだりするものなのですね。